※この記事の内容は動画でも詳しく解説しています。
文章より動画で理解したい方はこちらをご覧ください。
テレビCMなどで集客力を伸ばしている宿泊予約サイトAgoda。ホテルや民泊の運営者にとっては心強い味方です。
ところがこのAgodaの予約、実はAgodaで直接予約したゲストと、別の代理店を経由して予約したゲストが混ざっています。いわゆる「転売予約」です。
今回は、Agodaの直接予約と代理店予約(転売予約)の見分け方を、宿泊施設側の目線で解説します。あわせて、転売予約で宿が困ることと、宿側でできる対策もまとめました。
こんなこと、起きていませんか?
☑Agodaのメッセージでゲストに連絡したのに、返事がまったく来ない
☑予約に載っている電話番号にかけても、ゲストにつながらない
☑Agodaと契約していないのに、Agodaからの予約が入ってくる
☑チェックイン案内を送ったのに、ゲストが「何も届いていない」と言う
Agodaの「直接予約」と「代理店予約(転売予約)」とは

POINT
OTAは裏で他のOTAや代理店とつながっていて、宿が契約していない販売先からも予約が入ります。
OTAと呼ばれる宿泊予約サイトは、裏側で他のさまざまなOTAや代理店と連携しています。そのため、宿と契約のない販売先でも予約ができてしまうのです。
Agodaを例にとると、予約の経路は大きく次の3つに分かれます。
代理店予約②は、元の予約サイト(Booking.comなど)とAgodaの間で販売の契約が結ばれているために起きます。宿から見ると、契約していないAgodaに「無断掲載」「勝手に掲載」されているように見えますが、Booking.comは公式ヘルプで、掲載施設はAgodaなどの提携会社のサイトにも表示されることがあり、その掲載をやめる(オプトアウトする)ことは現状できないと説明しています。
反対方向の流れもあります。Agodaは、他の客室供給事業者(第三者サプライヤー)から在庫と料金の供給を受けていることを公表しています。どちらの場合も、宿が意図していない販売経路で予約が入るため、料金や連絡のコントロールが効きにくくなります。
出典(2026年9月確認):Booking.com Partner Help(Why is my property visible on other websites?)/Agoda Partner Hub(What are the different kinds of OTA partners?)。
この連携がAgodaの料金にどう影響しているかは Agodaが安い理由(他予約サイトとの連携・マーチャントモデル) で解説しています。
Agodaの転売予約(代理店予約)の見分け方

POINT
代理店予約①は予約番号、代理店予約②は予約に載っている電話番号と住所で見分けられます。
| 予約の種類 | 見る場所 | 目印 |
|---|---|---|
| 直接予約 | Agodaの予約番号(予約ID) | 1から始まる10桁 |
| 代理店予約① | Agodaの予約番号(予約ID) | 1以外で始まる番号(例:4から始まる) |
| 代理店予約② | 予約のゲスト情報 | 電話番号・住所が毎回同じ固定の内容 |
※予約番号の桁や固定の電話番号・住所は、Agodaが公表している仕様ではなく、弊社が運営する施設に届いた予約での実例です。番号の体系は変わることもあるため、判断に迷う予約はAgodaのサポートに確認してください。
■代理店予約①は予約番号で見分ける
Agodaの管理画面(YCS)に届く予約番号(予約ID)を見ます。弊社の施設では、1から始まる10桁の番号がAgodaの直接予約、それ以外の番号(例:4から始まる番号)が提携会社・代理店経由の予約でした。
予約が入ったら、まず番号の先頭を見る。これだけで、連絡の取り方を変えるべき予約かどうかがすぐに分かります。
■代理店予約②は電話番号と住所で見分ける
Agodaが代理店になっている代理店予約②では、ゲストの電話番号と住所が、毎回次の内容で届きます。
⚠️ この電話番号にかけても、ゲストにはつながりません
記載されているのはゲスト本人の番号ではなく、通じない番号です。ゲストに直接電話ができないため、連絡はメールで取る前提で段取りを組みましょう。
予約サイト同士がどうつながっているかは 予約サイト同士の自動連携(OTA掲載連携の相関図) で図にしています。
転売予約で宿が困ること
POINT
連絡・案内・予約内容・料金の4つが、宿のコントロールから外れやすくなります。
■ゲストと直接連絡がつかない
代理店予約①ではAgodaのメッセージ機能が使えず、代理店予約②では電話番号が通じません。鍵の受け渡しや到着時刻の確認など、無人運営の宿ほど「連絡がつかない」ことがそのままトラブルにつながります。
■チェックイン案内が届かない・開けない
メッセージが代理店を経由する分、案内が遅れたり、途中で止まったりすることがあります。代理店予約②では、送ったメールのURLがマスキングされてゲストが開けません。チェックイン方法を公式サイトやガイドのURLで案内している宿は要注意です。
Agodaの連絡まわりのクセは AgodaではURLや電話番号が伏せ字になる(他OTAとの違い) でも紹介しています。
■予約内容の食い違い・ノーショー
販売の段階が増えるほど、予約内容の連携に時間差やずれが生じやすくなります。2025年には、Agodaの予約で「宿に予約が届いていない」「予約が勝手にキャンセルされた」といったトラブルが相次いだと報じられ、背景として空室の転売が指摘されました。宿にとっては、到着しないゲスト(ノーショー)や、到着後の「予約がない」という行き違いのリスクになります。
■料金のコントロールが効かない
転売予約では、ゲストが実際に支払った金額を宿が把握できないことがあります。2025年に東横インが出した注意喚起では、宿の公式料金と異なる「割引前の価格」が表示されていた例などが挙げられていたと紹介されています。自社サイトや他のOTAの料金とのバランス(料金パリティ)が、宿の知らないところで崩れる可能性があるということです。
報道によると、観光庁は2025年3月にAgoda日本法人へ業務改善を申し入れ、Agodaは2025年6月26日に問題のあった第三者サプライヤー経由の在庫の取り扱いを停止したとされています。出典:関西テレビ(2025年6月)/トラベルボイス(2025年7月)/ゲストハウスはじまり 公式ブログ(東横インの注意喚起の紹介)。
当時の経緯は 2025年に観光庁の改善要請まで発展したAgoda転売問題 にまとめています。
転売予約のゲストへの連絡方法

POINT
代理店予約①はAgodaサポート経由の転送、代理店予約②は提供されたメールアドレスへの返信で連絡します。
■代理店予約①はAgodaサポート経由で転送してもらう
代理店予約①の予約者にはAgodaのメッセージ機能が使えないため、宿からメッセージを送ってもゲストには届きません。弊社の施設では、次の流れで連絡しています。
⚠️ 代理店からゲストへの転送がうまくいかなくても、Agodaでは対応できないとのことです
届いたかどうかを宿が確かめる手段がないため、到着日の直前ではなく、予約が入った時点で早めに連絡を始めましょう。
⚠️ 代理店経由の予約だけを止めることはできません
弊社がAgodaに確認した際の回答です。受け入れる前提で、連絡の段取りを整えておく方が現実的です。
Agodaのサポートには、管理画面右下の「Need Help」からのチャット・電話、または予約に関する問い合わせ先 biz@agoda.com(予約IDを添える)で連絡できます。出典(2026年9月確認):Agoda Partner Hub(Agoda support for property partners)。
■代理店予約②は提供されたメールアドレスに返信する
代理店予約②では、予約に記載されたメールアドレスに返信すれば、そのままゲストに届きます。
⚠️ URLはマスキングされ、ゲストは開けません
チェックイン情報にURL(地図、セルフチェックインのページ、ハウスガイドなど)が含まれる場合は、必要な内容を本文に直接書いて送りましょう。
宿側でできる転売予約への対策
POINT
止められない前提で、「すぐ見分けて、連絡手段を確保し、スタッフ全員で共有する」仕組みを作ります。
■対策1:予約が入ったらすぐに経路を判定する
Agodaの予約が入ったら、予約番号の先頭と、電話番号・住所をその場で確認します。判定を到着の前日まで後回しにすると、代理店経由の連絡が間に合わないことがあります。
■対策2:チェックイン情報はURLに頼らず本文に書く
住所、建物の目印、入室方法、暗証番号の案内タイミングなど、到着に必要な情報は本文だけで完結するようにしておきます。代理店予約向けの「URLなし版」の案内文をテンプレートとして用意しておくと、毎回あわてずに済みます。
■対策3:PMSのメモで「代理店予約」を共有する
AirHostなどのPMS(宿泊管理システム)を使っている場合は、予約のメモやコメントに「Agoda代理店予約①」「②」と残しておきましょう。清掃・鍵の受け渡し・問い合わせ対応の担当者が、連絡がつきにくい予約であることを一目で把握できます。
■対策4:到着前の確認ルールを決めておく
「到着の何日前までに返信がなければ、Agodaサポートに状況を問い合わせる」など、返事がないときの動き方を事前に決めておきます。無人運営の宿では、到着当日の連絡手段(インターホン、現地の案内掲示など)も用意しておくと安心です。
到着しないゲストへの備えは ノーショーを防ぐ事前決済の方法 も参考にしてください。
■対策5:料金は販売チャネル全体で見直す
代理店予約②のように、Booking.comなどに出している料金がAgoda上でも販売されることがあります。Booking.comは提携サイトへの掲載をやめられないと説明しているため、一つのOTAの料金だけを見て決めず、全チャネルの料金を並べて確認することが大切です。OTAごとの料金設定がずれていないか、定期的に点検しましょう。
各OTAの手数料や性格の違いは OTAの手数料と特徴まとめ で比べています。
Agodaの販売設定や代理店への販売の扱いについて気になる点があれば、Agodaのサポートに直接確認するのが確実です。
転売予約は「止める」より「すぐ見分けて備える」。
転売予約に備えるチェックリスト
Agodaの予約が入ったら確認すること
✔予約番号が1から始まる10桁か(違えば代理店予約①の可能性)
✔電話番号・住所が固定の内容になっていないか(代理店予約②の可能性)
✔代理店予約①なら、Agodaサポートへの転送依頼を早めに出したか
✔代理店予約②なら、記載のメールアドレスへ返信したか
✔チェックイン案内をURLなしの本文だけで送ったか
✔PMSのメモに「代理店予約」と残し、スタッフと共有したか
✔到着前に返信がないときの確認ルールを決めているか
まとめ|Agodaの転売予約は「見分けて備える」
この記事のポイント
✔Agodaの予約には、直接予約と代理店予約(転売予約)の2種類がある
✔代理店予約①は予約番号、代理店予約②は固定の電話番号・住所で見分けられる(弊社施設での実例)
✔代理店予約①はAgodaサポート経由で転送、代理店予約②は提供メールアドレスへの返信で連絡する
✔代理店予約②ではURLがマスキングされるため、チェックイン情報は本文に書く
✔代理店経由の販売は止められない前提で、判定・連絡・共有の手順を決めておく
転売予約は、宿の意図とは関係なく入ってくるものです。仕組みを理解したうえで、Agodaとうまく付き合っていきましょう。
Agodaのメリット・デメリットについては、下記の記事でまとめています。
沖縄で民泊運営代行を検討されている方へ。
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よくある質問
Agodaの転売予約(代理店予約)とは何ですか?
ゲストがAgoda以外の予約サイトや代理店で予約し、その代理店がAgodaの在庫を仕入れて販売している予約のことです。また、Agodaが他の予約サイト(Booking.comなど)の代理店として販売するケースもあり、この場合は宿がAgodaと契約していなくてもAgoda上で販売されます。
Agodaの直接予約と代理店予約は、宿側でどう見分けますか?
弊社の施設では、Agodaの予約番号(予約ID)が1から始まる10桁なら直接予約、それ以外の番号(例:4から始まる番号)なら代理店経由の予約でした。Agodaが代理店になっている予約は、電話番号「+886 2035640799」、住所「30 08 Prudential Tower, 19 Cecil St bangkok 049712」という固定の内容で届きます。番号の体系はAgodaが公表しているものではないため、迷ったらAgodaのサポートに確認してください。
代理店予約のゲストにAgodaのメッセージが届かないのはなぜですか?
代理店経由の予約ではAgodaのメッセージ機能が使えないため、宿から送ったメッセージがゲストに届きません。Agodaのカスタマーサポートに転送を依頼し、Agodaから代理店、代理店からゲストへと転送してもらう流れになります。代理店からゲストへの転送がうまくいかなくても、Agoda側では対応できないとされています。
Agodaと契約していないのに、Agodaから予約が入るのはなぜですか?
Booking.comなどの予約サイトと提携しているAgodaが、その予約サイトの在庫を販売しているためです。宿からは無断掲載のように見えますが、Booking.comは公式ヘルプで、掲載施設はAgodaなどの提携サイトにも表示されることがあり、その掲載をやめることは現状できないと説明しています。
代理店経由の予約だけを止めることはできますか?
弊社がAgodaに確認した際は、代理店経由の予約だけを止めることはできないという回答でした。止められない前提で、予約が入った時点で経路を判定し、連絡手段を確保する運用を整えておくのが現実的です。販売設定について気になる点があれば、Agodaのサポートに直接確認してください。
転売予約のゲストにチェックイン案内を送るときの注意点は?
Agodaが代理店になっている予約では、提供されたメールアドレスに返信すればゲストに届きますが、本文中のURLはマスキングされてゲストが開けません。地図やセルフチェックインのページなどURLで案内している内容は、必要な情報を本文に直接書いて送りましょう。
Agodaの予約トラブルについて、宿側はどこに問い合わせればよいですか?
Agodaの管理画面(YCS)右下の「Need Help」からチャットや電話で問い合わせできます。予約に関する問い合わせは、予約IDを添えて biz@agoda.com にメールで連絡する方法も案内されています。
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現在は沖縄県を中心に200室以上の宿をサポート中。
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