公開日: 2024年1月3日
最終更新日 : 2024年1月3日
2024年、元旦から石川県を震源とする能登地方で大きな地震が発生。直後1月2日には羽田空港で航空機接触による大きな火災が発生。とんでもない2024年の幕開けとなりました。このような災害は現地でなくても全国の宿泊業界にもキャンセルという形で派生します。ただし、キャンセルだけでなくあるリクエストも激増します。そこで本日は毎年のように台風被害の対応に追わている著者が、災害時における宿の対応について解説します。
災害時のホテルへの影響
まずハッキリと現れるのは、被災地ゲストからのキャンセルです。これはわかりやすいでしょう。このような場合にはたとえキャンセルポリシーにかかるような当日キャンセルであっても無料キャンセルで受け入れるべきです。被災者の足元を見てはいけません。人として。この点は説明しなくてもご理解いただけるかと思います。
もう一つ重要な影響は、災害による当日予約です。
チェックイン当日に「フライトキャンセルの為急遽宿泊したい」という当日予約が多く発生するのです。
出発地空港が閉鎖されて出発できないケースだけでなく、到着地空港が閉鎖されて便がキャンセルされる事もあります。
羽田火災のケースだと、羽田から出発できないというケース(羽田周辺の宿に影響)と、羽田に帰れないというケース(全国各地の宿に影響)です。
予約が増えるのは宿泊事業者にとって嬉しいことなのですが、ここで注意が必要なのが、滞在中のゲストへの延泊対応。滞在中ゲストもフライトキャンセルの為延泊したいと言ってきても、タイミング次第で当日予約で満室になってしまっていると受け入れる事ができないのです 。
そのような状況が事前に予測できる場合には、当日予約を売止にしたり、単価を高くして予約が入りにくいようにする等の対策が必要でしょう。
値上げは被災者の足元をみるという意味ではなく、あくまでも予約数をコントロールして一気に予約が入らないようにし、滞在中ゲストが延泊できるようにする事が目的です。
便乗キャンセルに気をつけよ
災害時のキャンセルで気をつけたいのは、便乗キャンセルです。具体的には、被災してもいないのに被災者ぶっって直前キャンセルを依頼してくるゲストが増えてきます。
信じられないかもしれませんが、台風の時にそこそこの頻度で発生します。特に多いのが
「(台風反れてるのに)台風だからキャンセルしたい」
というものです。
本当に被災したのであれば無料キャンセルも当然ですが、ゲスト都合のキャンセルを、被災をネタに嘘ついてまで無料キャンセル依頼する神経がトンデモ無いですね。そのようなゲストの本音は、「直前で安い宿がみつかったので、ワンチャン無料キャンセルを狙って安い宿に乗り換えよう」というものでしょう。そんな輩はハッキリとキャンセル不可で案内しましょう。
今後、自分の宿の地域が地震、台風等の自然災害に見舞われる事もあるでしょう。そのような場合の参考にされてください。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。