公開日: 2021年2月6日
最終更新日 : 2021年5月18日
ホテル経営にはかかせないサイトコントローラーとPMS。一旦導入してしまうと、乗り換えが大変なので、慎重に選定したいところです。でも、どれを選んでいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで本日は、元OTA中の人が、数百の宿泊施設との商談経験を元に、選び方の基準を3つに絞ってご紹介!基準がわかれば候補も絞られて来るので選びやすくなるはずです!
サイトコントローラー・PMSとは
サイトコントローラー
サイトコントローラーは、異なる予約サイト間の料金・在庫を同期して一元管理するシステムです。連動させる事でオーバーブッキングを防ぐだけでなく、料金の変更も一括して行える為、業務効率化には必須のシステムです。
PMS
PMSはプロパティ・マネジメント・システムの略で、ホテルの顧客情報やその他情報を管理するシステムの事。ゲストのリクエスト関係をメモしたり、大手ホテルだと駐車場の管理や食事付きプランの為にレストランと連携したり幅広い機能があります。
中小ホテルではサイトコントローラーだけという施設も多いかと思いますが、PMSを導入する事で業務が効率化出来ます。施設規模によっては、人件費をPMS費用以上に削減出来る場合がある為、導入を検討してみても良いでしょう。
サイトコントローラーとPMSは別々でも導入可能ですが、最近では一体型のものも出てきている為、今回はサイトコントローラー・PMSという一括したくくりで選定基準を見ていきます。
基準1 接続OTA
ホテルの売上を上げる目的で導入するものですので、売上をあげられるOTAに接続出来るかどうかが最も大切な基準です。
小規模ホテルであればOTAだけで問題ありませんが、大手になると、リアルエージェントや自社サイトとの連携が必要になってくる為、最低限必要な連携先をカバー出来ているのかという点を見て下さい。
OTAの集客力は下記も参考にして下さい。
また、ここで注意してほしいのが、接続したOTAの料金と在庫の両方を同期できるかどうかという点です。中には在庫の同期は出来るけど、料金は同期出来ないというシステムもあります。料金の同期が出来ないと、その都度OTAの管理画面から料金を変更する必要があるので、ものすごく手間がかかる=人件費がかかって利益を圧迫します。
売上を上げながら経費を削減する為にも、料金も同期出来るシステムを選びましょう。
基準2 API連携
API連携とは、拡張機能の事。システムに備わっていない機能でも、APIを連携させて外部システムと接続し、業務効率化をはかれます。
API連携の代表的なものを少しご紹介します
メッセージ機能
OTAのメッセージ機能とAPIを接続して、ゲストとのメッセージのやりとりをPMS上だけで行う事が出来るようになります。この機能が無いと、毎回様々なOTAにログインして返信するという無駄が発生します。
このメッセージ機能は、特に海外OTAのセキュリティが厳しい事から、OTAによってはうまく連携していない場合もありますので、どの程度まで連携出来るのか事前に確認しましょう。
ボリュームの大きいOTAのメッセージが連携していないとかなりの手間になってしまいますのでご注意下さい。
メッセージ機能があれば、PMS上から即時に返信等が可能になる為、ゲストの満足度向上にも寄与して、良いクチコミが期待できます。
決済連携
大手ホテルであれば、自動精算機と連携させたり、無人ホテルであれば、クレジットカード決済と連携させたり出来ます。決済連携機能があると、チェックイン・アウトの業務効率化が可能な上、料金の取りっぱぐれもなくなります。
クレジット・カード決済と聞くと、数%の手数料がかかる為、導入を躊躇する方もいるかもしれませんが、フロントで現金決済する為の人件費と比べれば僅かな費用です。カード手数料をケチってより高い人件費を払っているとすれば馬鹿らしくなりますね。
スマートロック連携
最近増えてきたホテルのスマートロック。解錠番号をゲストに案内する為に、いちいちスマートロック管理画面に入って番号を確認していたのでは時間がいくらあっても足りません。
API連携させて自動でゲストに通知する為にも、API連携出来るスマートロックとPMSを選定する必要があります。
チェックインタブレット
最近ではチェックインもタブレットで行うホテルが増えています。チェックインをタブレット等で行う場合、チェックインシステムと顧客情報を連携する必要がある為、API連携しているシステムを選ぶ必要があります。
他にも自社ホテルで必要なシステムや機能と連携するのかという点を洗い出して行けば、連携出来るPMSはかなり絞られてくるのではないでしょうか。
基準3 操作性
これは以外かもしれませんが、操作性は結構大事!簡単に操作できる事で、頻繁に料金変更も行える為、料金の最適化が可能になります。操作性が悪いと、担当者がめんどくさがって、販売料金がマーケットと乖離したままになってしまい、大きな機会損失になってしまいます。
小規模ホテルであれば、担当者が一人という場合もあるので、管理画面がスマホやタブレットにも対応していると便利です。担当者がお休みの時や、外出時にも操作出来るとよいかと思います。
また、操作性と関連してくるのですが、クラウド型を選ぶのも忘れずに。最近では殆どのシステムがクラウド型ですが、中には未だにインストール型を採用しているシステムもあります。インストール型だと、システムがインストールされているパソコンでしか操作出来ない為、非常に操作しにくくなります。パソコンが壊れた場合も大変ですね。
以上、3つの基準でふるいに掛けると、10以上あったシステムが2,3個くらいまで絞られるのではないでしょうか。
あまり気にしなくて良い点
逆にあまり気にしなくても良いのは、料金です。使いにくいけど利用料金が安いシステムを選んでしまうと売上に大きな差が出てしまいます。システム利用料なんて各社違ってもせいぜい1万円程度。1泊5000円なら2泊でもとが取れます。
サイトコントローラー・PMSは毎日利用するものです。利益を上げる為の投資だと思って、料金だけを基準に選ぶのはやめましましょう。
下記でもいくつか具体例をあげて紹介していますので、参考にどうぞ。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。