公開日: 2019年2月9日
最終更新日 : 2021年1月16日
先日突然、ねっぱんが有料化するというニュースが流れてきて、業界に衝撃が走りました。ねっぱんとは、宿泊施設の販売在庫を同期するシステムなのですが、これまで楽天トラベル加入の施設は無料で利用出来ていたという事もあり、かなり多くの特に小規模宿泊施設が利用していました。有料になるなら他を検討してみようという声もあるかと思いますので、今日は「現時点でねっぱんから乗り換えるなら」という軸でサイトコントローラーを比較してみたいと思います。新ねっぱんが始まってしばらく利用してみての追記がありますので、最後までご覧下さい。
尚、小規模ホテル・民泊・バケーションレンタル向けサイトコントローラーは下記でBeds24とAirhostを比較しています。ねっぱんは民泊よりもホテル向きの為、今回のエントリはホテル向けの記事になります。
【徹底比較!】Beds24 vs Airhost 小規模施設向けサイトコントローラー最強はどこだ!?
ねっぱん有料化のアナウンス!
下記が公式ブログによる案内です
ねっぱん!サイトコントローラーに関するお知らせ
「ねっぱん!」ご利用施設 各位
平素は、ねっぱん!をご利用いただき、誠にありがとうございます。
さて、このたび弊社では、「ねっぱん!サイトコントローラー」(以下、ねっぱん!)の無料サービスを2019年6月末日で終了し、後継サービスとして「ねっぱん!サイトコントローラー++(プラスプラス)」(以下、ねっぱん!++)を2019年7月1日より有料でご提供させていただくこととなりましたのでお知らせいたします。
https://neppan.blog.fc2.com/blog-entry-130.html
ちなみに新しい料金体系は
初期設定料 50,000円
月額利用料
5室以下の施設 5,000円
6室以上の施設 8,000円
料金
https://www.neppan.com/price-list/
という感じです。
乗り換えサイトコントローラー候補
サイトコントローラーってかなりたくさんあって選ぶのに苦労するかと思うのですが、シェアでいうと下記3社になるかと思います。
- ねっぱん
- 手間いらず
- TLリンカーン
ねっぱん利用=楽天トラベル加入済みの施設がほとんどだと思いますが、上記全て楽天トラベルとは連携しますのでご心配無く。尚、複数OTAを利用している施設で外せないOTAはアゴダ、エクスペディア、ブッキング、楽天、じゃらんあたりだと思われますので、この5つを全てカバーしているサイトコントローラーという前提で選んでいます。
一つづつ説明するのも面倒なので、いきなり比較表を出してみます。
サイトコントローラー料金・特徴一覧
名前 | 初期費用 | 月額料 | 特徴 |
ねっぱん | 50,000円 | 5室以下 5,000円
6室以上 8,000円 |
これまで利用している為、操作手順を新しく覚える必要が無い。 価格もそこそこ安い。 |
手間いらず | 50,000円 | 9,900円~
+月額通信料 |
シェア高く信頼のおけるシステム データ解析やCSV出力はオプションで別料金 |
TLリンカーン | 100,000円 | 15,000円〜 |
大手ホテルの多くが利用するほど高機能でその分高額。 ホテルは人材流動性が高い為、他のホテルから採用した人材がすぐにシステムを使いこなせるというメリットがある。 |
さすがねっぱん、考えていらっしゃる。既存サイトコントローラーに乗り換えにくい価格設定!
新しいねっぱんの新機能
値上げにあたり下記の8つの機能を強化するとされています。
- ノーショー対策
- プラン一括登録
- プラン自動延長
- サンクスメール
- 本部機能の強化
- サポート時間の延長
- 月イチ勉強会の開催
- ねっぱん!操作代行サービス
便利そうなのは1.ノーショー対策、8.操作代行サービスあたりでしょうか。
ノーショー対策はブッキングドットコムを意識した専用機能です。
他サイトコントローラーから乗り換えが急増するかも?
8の操作動向サービスは、テキトーなホテル運営代行サービスさんあたりは息絶えるかもしれません。
サイトコントローラーの操作が出来ない施設に対して、ホントに操作の代行のみを行っていたコンサル会社のようなものもあったので、そのあたりを駆逐するかもです。
結局乗り換えるべきか否か
結局どうしたらいいの?という感じですが、現在のねっぱんの同期スピード(約15分)で問題無いのであれば、急いで乗り換える必要もないかと思います。上記で上げた乗り換え候補先がねっぱんに勝る点は大きな点で言うと同期スピードくらいかと思われ。同期スピードに問題が無いのであれば、他から乗り換えるくらいに結構使えるサイトコントローラーかもしれませんよ。
下記が新しい機能のリリースタイミングです。参考にして下さい。
ノーショー対策 追記 2019年6月12日
そうこうしているうちにねっぱんからノーショー対策の具体的内容について公式発表がありました!
具体的には下記3つ!
無効カードチェック!
クレジットカードの有効性を自動でチェックします
無効なカードであれば自動でキャンセルします
キャンセル料の自動徴収!
キャンセルが発生したらキャンセルポリシーに従って、
キャンセル料をねっぱん!++で自動徴収します
宿泊料金の自動徴収!
現地決済の予約がノーショーの場合でも、
宿泊料金をねっぱん!++で自動徴収します
これは使える!!!外資系OTAと記載していますが、もう完全にブッキング・ドットコムを意識した機能!(笑)ブッキングのノーショー、キャンセルに悩んでいる施設にはまたと無い機能ですね!
具体的な料金徴収の流れとしては下記の図のようになるようです。
今まではクレジットカードが無効でも自動キャンセルにはならず手動でキャンセルする必要がありました。
また、キャンセルポリシーにかかってのキャンセルも管理画面からカード情報を閲覧してスクエア等の外部サービスを利用して手動で課金する必要があり、実際には泣き寝入りする事もしばしば。これが全て自動になるなら数千円の利用料はもはや手間賃!
導入時の注意点
いい事ばかりに見えるシステムですが、ウェブサイトに記載が無い注意点も紹介しておくと、手数料です。
新型ねっぱんはストライプというシステムを噛ませて自動課金しているので、ストライプ側への手数料が課金金額の3.95%かかってきます。10,000円なら395円なのでそこまで大きくは無いのですが、いざ導入してみて「やられた!」とならないようお気をつけ下さい。
新ねっぱんの利用金額は月額5000円〜8000円で、ノーショー等で課金した場合はプラス手数料3.95%すが、1件ノーショーするとそれ以上の損害なので、実質無料以上の価値があるかと思われます。
という事で、「どこに乗り換える?」の結論は「ねっぱんから乗り換えるな!」が答えです!
ある一定層には非常に使えるサイトコントローラーになりそうです。逆に他から乗り換える方も出てくるかもしれません。
(だったのですが、しばらく利用して結論が変わっております。詳細は最後の追記をご確認下さい)
小規模ホテル・民泊用サイトコントローラー
小規模なホテルや民泊のサイトコントローラーとしてはBeds24やAirhost等があります。両者については下記でガッツリと比較していますので参考にされて下さい。
【徹底比較!】Beds24 vs Airhost 小規模施設向けサイトコントローラー最強はどこだ!?
新ねっぱんをしばらく利用してみた感想(2020年12月追記)
ねっぱんが有料化されてしばらく利用してみて、改めてねっぱんがどうなのかについて考えてみました。
結論から言えば、乗り換えもアリです。
理由としては下記があげられます。
- UIが悪く使いにくい
- データ分析機能が弱い
- 新機能は使わない場合がほとんど
まず、1のUIですが、管理画面の仕様が元々の無料版から特に変わった点が無く、他サイトコントローラーに比べ非常に使いにくいのです。料金の変更等も、各サイトへの反映が3ヶ月づつしか出来なかったりと、操作性が良いとは言えず、頻繁に利用するにはストレスになります。
2のデータ分析機能は、搭載されてはいますが、こちらも視認性が悪く、ぱっとみて現状を把握しにくいのです。ある程度の規模のホテルであればデータ分析は重要な部分になる為、ここが弱いのは辛い。
3のブッキング・ドットコムのカード自動決済は、当初は便利かなと思っていたのですが、小規模施設であれば別記事で紹介しているAirhostの方が便利で同等の機能を搭載している為、オススメ。中規模以上のホテルであれば、そもそもこの自動決済機能が不要な事が多い上に、2の分析機能が弱い為、手間いらずやTLリンカーン等の方が使い勝手が良いでしょう。
以上から、ねっぱんは小規模施設にも中規模以上の施設にも最適化されていない中途半端な位置づけになってしまった印象です。
当社では基本的には施設様が元々利用していたサイトコントローラーを利用継続していくのですが、乗り換えも含めて検討する場合は
- 大規模施設はTLリンカーン
- 中規模施設は手間いらず
- 小規模施設はエアホスト
をオススメしています。料金的にはいずれもねっぱんより高額になりますが、便利で使い勝手の良い方を利用した方が、差額以上の利益は上げられるものと思われます。
以上、記事公開時から真逆の結論になってしまいましたが、サイトコントローラー選定時の参考になれば幸いです。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。
結局、有料になってもねっぱんがコスパが良いですね。