最終更新日 : 2020年6月12日
数ある予約サイト、どこが一番集客力があるのか。みなさん気になる所でしょう。各予約サイトは細かい予約数を好評しているわけでは無いので誰もその詳細はわかりません。上場企業にしても全体の宿泊数は出していますが、地域別の細かな数字は一切好評されていないので尚更です。
そこで今日は、元OTA中の人が、沖縄県内主要予約サイトの知り合いと、県内数百以上に及ぶ宿泊施設へのヒアリングから導き出した、沖縄県における予約がよく入るOTAをご紹介します!
沖縄県で最も予約を動かしているOTA
地域差もあると思いますが、今回は沖縄県における集客力という前提でお話します。
能書きはいいのでさっそくご紹介!
OTA集客力ランキング
1位 ブッキング・ドットコム、 楽天トラベル
3位 アゴダ
4位 エクスペディア
5位 じゃらん
様々なヒアリングの結果、恐らくこんな感じになるのではないでしょうか。あくまでも沖縄県に来る旅行者の総予約泊数を各社がこんな感じで奪い合っているという事です。
少し解説を加えます。
各OTAの解説
同率1位 ブッキング・ドットコム、 楽天トラベル
夏休み等は日本人家族客が増える事もあって楽天トラベルの方が多く、冬場の閑散期はブッキング・ドットコムの方がやや強いという施設が多いようです。施設によっては通年を通して楽天が強い施設、ブッキング・ドットコムが強い施設ありますが、全体としてはほぼ同じ。恐らく総予約数も同程度動かしているものと思われます。多くのゲストにリーチするにはこの2社は必須。
3位 アゴダ
これは意外だった方も多いのでは無いでしょうか。実はアゴダは沖縄では結構強いんです。沖縄を除く九州全体の予約数と沖縄県だけの予約数は同程度だとか。1位と殆ど差は無い上、伸び率でいうと今回ご紹介するOTAの中ではダントツで一位。元々がタイ発祥のOTAだけあってアジアでの知名度は結構なものがあるようです。
バケーションレンタルの掲載に関しては少し使いにくい部分があるので民泊をしている方よりはホテル系の方に馴染み深いOTAです。ツインやダブル等、少人数の集客が強いかと思います。
4位 エクスペディア
エクスペディアはどちらかといえばハイクラスホテルに力を入れている印象。中小の施設にとっては、掲載は出来るけどそこまで強い送客力がある感じはしません
5位 じゃらん
日本人を取り込むなら楽天、じゃらんは必須ですが、じゃらんは掲載にあたりFAX必須の為断念する施設も多いかと思われます。日本人の取り込みは中小規模の施設であれば楽天、ブッキング・ドットコム、エクスペディアでまかなえるのではないでしょうか。ランキング的にも4位のエクスペディアと同程度。
Googleトレンドによる裏付け
上記はあくまでヒアリングベースの沖縄県における集客力ですが、実際に海外での知名度をグーグル先生に聞いてみました。グーグルトレンドを利用して上記5社が直近12ヶ月で世界のどの地域で検索されているのかを調べてみました。利用率では無くあくまでグーグルで検索されているかどうかが指標です。

沖縄に来る旅行者の大多数を占める台湾、中国、韓国、香港でアゴダがより多く検索されているようです。この事実からも沖縄でのアゴダの伸び率が高いのは納得ですね。
民泊・バケーションレンタル系と相性の良いサイト
あれ?エアビは?と思った方も多いでしょう。上記のランキングは純粋に予約泊数がどれくらい動いているかというもので、ホテルも民泊も含んだもの。ホテルは箱が大きい分、予約泊数も民泊とは比べ物にならないくらいの多さです。エアビは最近ホテル系にも進出しているとはいえ、民泊専門なので総予約数では少なくなるのです。
では民泊(旅館業民泊含む)のみとなるとどうでしょう。民泊だけとなると、恐らく下記のようになるかと思います。
1位 エアビーアンドビー
2位 ブッキング・ドットコム
民泊はエアビ、ブッキング以外のサイトにも掲載は出来ますが、この2社以外は民泊にはあまり力を入れていないような印象で予約も若干弱くなります。
海外系予約サイトの世界での人気度
そこで、海外系の予約サイトが全世界で過去12ヶ月でどの程度興味を持たれているのかを調べてみました。楽天、じゃらんは利用者が国内メインで規模が違う為省いています。

ブッキング、エクスペディアはマーケットに知れ渡っているからでしょうか。成熟し過ぎてあまり興味を持たれてはいないようです。
エアビは夏以降下降気味。最近のエアビの予約の弱さと比例しているようにも見えます。逆にアゴダは引き続き伸び続けているのが見て取れますね。
各サイトの特徴一覧
最後に各サイトのメリット・デメリットを一覧にまとめてみました。
予約サイト | メリット | デメリット | 国内:海外比率 |
楽天 | 集客力があり、沖縄での予約数は1,2を争う | ゲストが日本人に偏る為、週末、祝祭日、夏場の予約に偏りがち平日や閑散期の集客に疑問が残る | 9:1 |
じゃらん | 日本人の集客には強み有り | ほぼ日本人楽である為、天トラベル同様、繁忙期に偏りがち | 10:0 |
アゴダ | 伸び率が高く、海外比率も高い。ホテル系で特に強みを発揮 | 民泊系ではシステム的に相性が悪く使いにくい部分がある。 | 2:8 |
ブッキング | 集客力があり、国内外比率のバランスが良い。ホテルタイプ、民泊タイプどちらも集客出来る。 | 全て事前決済にするには別システムを入れる必要があり手間と費用がかかる。民泊で事前決済が必要な場合には要注意 | 4:6 |
エクスペディア | 国内外バランスが良い。ホテル系に力を入れている | 全て事前決済にすると手数料が上がる。民泊は姉妹サイトHomeAwayを勧められる事有り | 4:6 |
エアビ | 海外比率が高く長期滞在、平日予約も多い。4名以上のグループ滞在の予約が多い | ゲストが殆ど海外の為、インバウンドがコケると一気に予約が減るホテル系に進出しているがまだまだホテル予約は弱い | 1:9 |
宿泊施設タイプ別オススメ予約サイト
以上を踏まえて、宿泊施設タイプ別にどの予約サイトで販売するべきかのモデルケースを考えてみました。
中規模以上のホテル(50室以上)
今回ご紹介した全てのサイトを利用するのがオススメ。部屋数が多くなると全サイトを使っての総力戦になる。大規模ホテルになると10個くらいの予約サイトを利用している施設もありますが、実質予約がしっかり入っているのは今回ご紹介したOTAになります。
おすすめサイトコントローラー : TLリンカーン、手間いらず、ねっぱん
中小規模アパートホテル(5-50室程度)
ここが一番難しい所。一見、予約サイトを多くすればするほど良いようにも思えますが、予約サイトが増えれば増える程、予約が各サイトにバラけて各サイト内でのランキングに良い影響を与えません。
例えば3つのサイトで充分な予約が入るのであれば、わざわざ5つも6つも掲載せずに、3つに集中して他サイトは切るという選択も必要です。そうする事で少ない部屋数の予約を3つのサイトに集約する事が出来、ランキング的に大手ホテルに対抗出来るのです。
例
100室÷10予約サイト=1サイトあたり10件の予約
40室÷3予約サイト=1サイトあたり13件の予約
予約サイト的には10件入るホテルより13件入るホテルの方がランキングも高く露出が増えるのです。
詳しくは下記をご覧下さい。
小さな宿がOTA(宿泊予約サイト)のランキングアルゴリズム上不利な理由とその対策
楽天、ブッキング、アゴダを軸にして、エクスペディア、じゃらんを入れるかは施設の状況によりけり。
オススメサイトコントローラー:ねっぱん、手間いらず
民泊、バケーションレンタル(1棟貸し、ワンルーム)
エアビ、ブッキングは必須。エクスペディア、アゴダはそこまで民泊に力を入れていない為、予約は多くは無いが、余力があれば利用するのも有り。
オススメサイトコントローラー : Beds24、Airhost
Beds24とAirhostに関しては下記で比較していますので、ご参考にどうぞ
以上、沖縄県における予約サイトの戦闘力ランキングでした!

元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテルのウェブ集客をお手伝いします。