公開日: 2019年6月26日
最終更新日 : 2020年7月11日 予約サイトのランキング、結構気になる方も多いかと思います。ランキングが上位になれば閲覧者も増える為、予約も入りやすくなるので当然ですね。
そこで本日は予約サイトのランキングがどのように決定されてどう対策すれば良いのかという点をご紹介します。部屋数の少ない宿は覚えておきたい内容です。
今日は民泊も含みますが、どちらかといえば旅館業を取得した小規模宿泊施設向けの内容になります。
掲載ランキングが決まる要因
ランキングを上げる方法には予約サイトによっては広告や上位掲載プログラム、上位掲載プロモーション等もありますが、今回はそのような力技は置いておいて、純粋なランキングがどのように決定されているのかというのをご紹介します。
予約サイトによって若干の違いもある上、ランキングアルゴリズムは全てが公開されている訳ではありませんが、多くのサイトで最も大きな要因が「予約数」になります。予約が多い宿はランキングが上がりやすいという事です。予約数を上げるにはパリティと言われるウェブ上での他予約サイトとの価格差(価格差が無ければ無い程良い)や価格競争力、単価、キャンセル率、先々までの販売状況等も考慮されていますので、全ては密接に関係しているのですが、結果的に予約数が多い宿は上位にランキングされています。
「予約数」が多く入っている宿はゲストにとって魅力的なので、予約サイト側としても上位に表示してもっと効率的に予約に結びつけようと思うのは当然ですね。
ナゼ小さな宿はランキング上不利なのか
そうなると、1室しかない宿は数百室もあるリゾートホテル勝てないじゃないか!と思うかもしれませんが、そうです。勝てません。1棟貸しの宿はどんなに頑張っても1日1室が限界なのに対し、ホテルだと1日数十件の予約が毎日入ります。それはどうしようもありません。ホテルに勝つには宿の良さをアピールする事や一人当たり単価で勝負していく事が必要になってきます。
では小規模な宿に出来る事は無いのかというとそうではありません。同じ小規模宿泊施設でも勿体無い売り方をしている宿がちらほら見かけられるのでそれらをご紹介します。
掲載ランキングを上げるコツ
予約サイトを分散させない
小規模ホテル・民泊がまず意識してほしいのは
予約サイトを分散させ過ぎない
という事です。
多くの宿泊施設はサイトコントローラーを利用して複数の予約サイトを連携させて広く販売させているかと思います。これはもちろん良い事なのですが、度が行き過ぎると間接的にランキングがマイナスになる可能性もあります。
例えば稼働率が100%に近い宿があるとします。その状態で予約サイトを5つも6つも利用している場合は少し内容を見直してみて下さい。5つも6つも利用しているからこそ満室稼働なら良いのですが、実は3つの予約サイトでも満室になるような人気物件の場合には注意が必要です。限りある日数を少ない予約サイトに集約した方が各サイトでの予約数が増えるので、ランキング的にも有利という事です。
具体的には
5つの予約サイトで180泊販売したとすると1サイト当たり36泊
3つの予約サイトで180泊販売したとすると1サイト当たり60泊
後者の方が前者の場合より67%も予約が多いアカウントという事になります。これまた少しランキング的に上に行く事が出来ます。また、予約サイトが少ない程管理が楽でオーバーブッキングのリスクを減らせるというメリットもありますね。
予約サイトを分散させないのは小規模な宿泊施設は覚えておいて下さい。その判断は難しい所ですね。
同一住所の場合アカウントを分けない
例えば同一マンションの複数の部屋で旅館業を取得している場合、1室ごとにアカウントを分けている宿があります。Aマンションの5部屋を貸している場合にアカウントが5アカウントあるような場合です。Aマンション501号室、Aマンション502号室という売り方ですね。これは非常にもったいない。予約が5つに分散してしまっています。アパートホテル等でたまに見かけます。これを1つのアカウントにまとめて1アカウントで5室を販売すれば、別々の場合よりも5倍予約が入るアカウントに早変わり!先に紹介したランキング的に非常に有利になってきます。一般的な1室のアカウントより一歩抜きん出る事が出来るのです。
※住宅宿泊事業法上の民泊は法的に一アカウント一部屋が基本になりますのでこの法則は当てはまりません。
尚、この技が使えるのは基本的には同一住所である場合に限られますのでご注意ください。
1アカウントでまとめて管理した方が楽なのに何故別のアカウントで管理している宿が存在するのかというと、過去にAirbnbでは1アカウント1室が基本だった事が影響しています。ただ現在ではAirbnbもホテル分野も取り込んでいく動きを見せている事もあり、ホテルタイプを販売出来るよう1アカウントで複数の部屋を販売出来るようになっています。
もし旅館業を取得しているにも関わらず、アカウントを分けて販売している場合は、最も売れている、もしくは最もクチコミの高いアカウントに集約して他のアカウントは閉めてしまった方が良いでしょう。その方が管理も楽なのでおすすめです。
小さな事ではありますが、気をつけるだけで後々大きな違いになってきますよ。覚えておいて下さい。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。