沖縄コンベンションビューローが出す観光客予測値がどの程度正確かおせっかいにも検証してみる

沖縄コンベンションビューロー(以下 ビューロー)という沖縄の観光関連の財団法人があります。ざっくり言うと、沖縄観光を盛り上げる団体なのですが、観光の専門集団だけあって観光業界に勤める方は参考にしている方も多いと思います。その沖縄コンベンションビューローさんがが2017年5月に、2030年までの入域観光客推移の予測を出していました。そこで今日はビューローさんの予測値がどの程度なのか考察していきます。

昨年書いたエントリ「那覇空港第二滑走路の完成以降、観光客はどれくらい戻るのか!?データを元に推測!」とも比較してみて下さい。最近状況が目まぐるしく変わっている為、参考になるでしょう。

沖縄コンベンションビューロー入域予測

まずは2017年に発表されたビューローさんの予測値がこちら

<全体概要>

・2017年度における沖縄県の目標値は950万人(国内観光客685万人、外国人観光客265万人)

・沖縄県への入域観光客数年平均成長率は過去20年が4.3%、直近5年については10.3%と順調に増加。

・2030年度までの推移は、那覇空港第二滑走路の共用開始の2020年度の伸び率を,直近5年の平均成長率(10.3%)を上回る11.5%と想定。その他の年度は、過去20年の年平均成長率4.3%前後の水準(2021年度まで+6.5%/2021年度以降+4.2%)と予測。

OCVB 2030年度までの沖縄入域客数見通し

グラフは2016年までが実績値で、それ以降は目標値並びに推測値になっているという事です。

沖縄県発表の実績値

お次は沖縄県が発表している実績値と比べてみます。

沖縄県 入域客数

2016年まではビューローの数字も実績ですが、数字がズレているのはビューロー予測は年度で3月締め、沖縄県実績は年で12月締めの為です。

2017年以降に注目。みて頂いて分かる通り、両者に大きな違いはありません。

2017年以降の各年の誤差率も出してみました。

ビューロー予測沖縄県実績誤差率
2017950.00939.62-1.09%
2018985.001000.431.57%
20191,029.001016.39-1.23%

単位:万人

2%以下の誤差なので、2017年の発表時点で2019年の数字は概ね見通せていたという事でしょう。

各年の成長率は下記

国内海外
20174.95%22.10%9.09%
20182.18%18.04%6.47%
20193.29%-2.36%1.60%

ビューローは成長率を下記のように予測していました。

・2030年度までの推移は、那覇空港第二滑走路の共用開始の2020年度の伸び率を,直近5年の平均成長率(10.3%)を上回る11.5%と想定。その他の年度は、過去20年の年平均成長率4.3%前後の水準(2021年度まで+6.5%/2021年度以降+4.2%)と予測。

2019年実績は韓国の政情が絡んでいるのでインバウンドが減って全体で1.6%増に落ちていますが、それがなければ2018年同様概ね6.5%前後に落ち着いていたものと思われます。2年先位は大体予測出来ていたという事です。さすが観光専門集団。なかなかの確度です。

2020年はどうなるのかビューロー予測を元に推測

では2020年はどうでしょうか。2019年に韓国ショックがあったので、2020年も2019年同様の+1.6%の成長だと仮定すると2020年観光客は

① 1016.39万人(2019年実績)x101.6% = 1032.7万人

こちらのエントリで試算したコロナウィルスの影響の最大値マイナス2.9%を考慮すると、

② 1032.7万人x97.1%=1003万人

ちなみに昨年末からの増便減便は現時点で

新規就航 +9便

減便・運休 −14便

トータルでマイナス5便となっています。

来月に迫った第二滑走路の新規就航があまり決まっていない点はビューローさんも予想外だったかと思われます。コロナウィルスのマイナス影響よりも、新規就航がなかなか増えない点の方がはるかに大きな影響になりそうですね。

以上から、悪い方向にブレると2020年のビューロー予測の+11.5%は難しく、2019年よりも少ない②の1003万人が妥当なラインでは無いかと思われます。

良い方向に行くとすれば、新規就航が今年後半から増え出して、さらにオリンピック特需で巻き返すという予測でしょう。そうなると2020年着地はビューロー予測の1148万人に近い数字になって来る可能性も残されています。

コロナウィルスが流行る前に弊社が書いた2020年予測は下記。ご参考にどうぞ。オリンピック特需についても言及しています。

2020年の沖縄の宿泊業界はどうなる?エビデンスを元に予測してみた

長期的にはどうか

ではもう少し先々までの予測はどうでしょう。ビューローは2030年までに1742万人と予測しています。那覇空港第二滑走路を見越しての数字なのですが、試算によると離発着は最大で現在の1.8倍まで増やせるという事です。最大でです。

昨年の観光客を1.8倍すると

1016.39万x1.8倍=1829.5万人

若干ですが予測値の1742万人までまだ余力がありますね。不可能では無いようにも見えますが、気になるのは日本人観光客の予測。毎年、日本人客、外国人客順著に伸びて2030年予測では国内客・外国客割合がちょうど半々になっています。ただ、日本人も伸び続けるという予測は、今後の人口減少を考えるとかなり厳しいかなと思います。10年後には外国客の方が日本人客よりも多くなっているでしょう。

まとめ

まとめると

  • 沖縄コンベンションビューローの予測はそこそこ正確
  • 2020年観光客は第二滑走路が期待ハズレの場合マイナス成長で1003万人、オリンピック特需で埋め合わせ出来た場合予測値の1148万人に近くなる可能性もある。
  • 2030年には日本人観光客よりインバウンド観光客の方が多い

という風になるのでは無いでしょうか。最近インバウンドに逆風が吹き荒れていますが、長期的には必ず日本人客とインバウンドは逆転します。その点は強調しておきたいと思います。


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