新型コロナウィルスが沖縄のホテル・民泊に与える影響はどれくらいか計算してみた

注意 当エントリでご紹介しているデータ自体に誤りはありませんが、予測が大幅にハズレている為、読み進める際はご注意下さい。甘くみておりました。偉そうな事言ってごめんなさい。自戒の意味も込めて削除せずそのまま掲載しておきます。2020年3月25日追記


中国政府がコロナウィルスの蔓延を受け、1月25日に国内の旅行会社に対し、すべての団体旅行を中止するよう命じました。韓国ショック+供給過多+ド閑散期のトリプルパンチで苦しかった12月、1月の宿泊施設冬の時期がようやく終わろうとしていたこのタイミングで追い打ちです。痛い。。。痛すぎる。。。 そこで今日は今回の禁止令が沖縄観光に与える影響を考えてみます。

中国政府の英断!でも観光業には痛手!

昨日1月25日に下記のような報道が出ています

中国政府は25日、国内の旅行会社に対し、すべての団体旅行を中止するよう命じた。中国国内の団体旅行は24日から中止しており、日本を含めた海外旅行も27日から中止する。中国政府は異例の対策で、湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が中国から世界に広がるのを防ぐ狙いとみられる。

中略

販売の中止を命じたのは団体旅行と、航空機とホテル宿泊をセットしたパック旅行商品。販売中止の期間については明らかにしていない。個人が個別に予約する場合などは規制の対象外とみられる。

中国、27日から海外団体旅行を禁止 新型肺炎拡散防止で 日本経済新聞 2020/1/25 


個人手配旅行は規制対象外とはいえ、全ての団体旅行が無くなる=需要が減る=マーケット全体の宿泊単価の減少となるのは明らかなので、団体旅行を取っていない中小規模の宿泊施設も影響は避けられないでしょう。

中国人観光客は沖縄観光にどの程度の影響があるのか数字で検証

沖縄では全体の30%が外国人観光客で、中国人は大きな割合を占める為、「えらいこっちゃ〜!」となるのは分かります。では今回の禁止令は沖縄宿泊業に具体的にどの程度の影響があるのでしょうか。直近に迫った2月を例に検証します。なんとなくの感覚では無く、しっかりと調べてやりました!

まずは入域客数から。今回も宿泊業と関連するのは空路の為、空路を中心にお話を進めます。

昨年2019年の2月の沖縄県入域観光客総数は約772,200人

参考)令和元年(暦年)沖縄県入域観光客統計概況

その内、中国本土からのクルーズ船を除く空路入域客は20,100人でした。

参考)平成31年(2019)2月入域観光客数概況

日本人は海路はほぼゼロなのか発表はありません。海外クルーズ船の海路を除くと、2019年2月の空路入域観光客(国内外総数)は

703,000人

になります。それらの数字で計算すると、

全空路観光客に占める中国人空路観光客の割合は2.9%(=20,100÷703,000)

でした。中国本土からの観光客は海路(クルーズ船)の方が多くて2月だと57,100人(全入域観光客の7.4%、海路全体の56.4%)だったので、そちらの影響の方が大きいでしょう。クルーズ船商売のバス会社や飲食店は打撃が大きいはずですが、宿泊業に至っては2.9%程。

「沖縄県入域外国人観光客」に占める中国本土からの観光客の割合は2019年2月で14.5%もあったので非常に大きな割合を占めるようにも見えますが、日本人も含めた総数で、かつ空路のみに絞って見ると、中国本土は全体の2.9%でしかないのですね。影響が無いとは言いませんが、想像しているよりは直接的な影響は軽微かもしれません。

東京や大阪は空路中国人割合が非常に大きい為、大きく報道されて大変な印象を受けますが、沖縄のこと宿泊業に関しては東京大阪程の影響は無いと数字は語っています。

中国人個人旅行の割合

今回の規制は個人旅行は規制対象外との事ですので、影響を受けるとるればツアー旅行です。そこで中国人の個人旅行とツアーの割合も調べてみました。中国最大のOTA Trip.com (旧Ctrip)によると、今年の春節のツアー旅行の割合は全体の65%だったそうです。

参考)中国人旅行者の今春節休暇は日本が人気旅行先トップに

春節に限らず大体このような割合になるようです。ただ、沖縄はクルーズ船が大きな割合を占める為少し複雑ですので独自に計算してみました。

2019年2月の実績では中国人観光客の空路と海路を合わせた数は77,200人

その内訳は

空路20,100人

海路57,100人

仮に海路のクルーズ船を除いた空路入域数のみの20,100人を上記割合に当てはめると

中国人空路ツアー旅行人数(推定)は

13,065人 (=20,100人x65%)

になります。これは全空路入域観光客の1.9%です。

ですので、今回の新型コロナウィルスの沖縄県宿泊業への影響は

全体の1.9%〜2.9%程度  まあ、大体2%前後

と推測出来る訳です。

2020年2月の観光客数はどうなるか

以前にも2020年予測のエントリでご紹介しましたが、2019年入域観光客は

1月→2月で +2.5%増えた

今年は旧正月が

2019は年2月5日

2020年は1月25日

になるので、今年の2月は昨年よりも苦しい

2020年の沖縄の宿泊業界はどうなる?エビデンスを元に予測してみた

と予測していました。

今年はただでさえ旧正月が1月にズレ込む為、2月は苦しいのですが、旧正月の影響を抜きにしても、2月に増えるハズの2.5%程度の観光客が中国人のマイナスで帳消しになる事は確実です。その為、2月は過去例にない程苦しかった1月と同等かそれ以上の規模の厳しさが訪れるものと予想されます。

では今後どうなるのか?2月に推測される沖縄県内宿泊業の動きとしては、

本日1月26日以降、中国人団体ツアー旅行が一気にキャンセルになる

週明け月曜に県内各ツアー手配会社担当者が出社してビックリ!予約済みだったホテルにキャンセル連絡

ホテル担当者慌ふためく

直前でどうにかするにはOTAで安売りだ!

という事で中国人団体旅行を受け入れていた大手のホテルが直前で一気にOTAで安売り合戦を始めるはずです。そうなると、良いホテルが安く出ているのを見つけた利用者は既に予約済みのホテルをキャンセルして予約を乗り換え始めるハズです。

一般的にキャンセルポリシーは通常1日〜7日前まで無料に設定している施設が多いハズですので、乗り換えを止める事は出来ません。対策出来るとすれば、2月の料金を一気に落として逆に乗り換えを取りに行く事です。その場合、自施設ホテル内乗り換えのリスクもありますが、何もしないよりは良いでしょう。

ちなみに、沖縄県内ホテルが直前予約で利用するOTAにちゅらとくという沖縄県民向けのローカルOTAがあります。沖縄県民なら「明日予定空いたから泊まりにいく?」的な直前需要がある為、それを狙ったOTAで、利用者数はそこまで多くありませんが、県内大手ホテルも結構利用しています。

沖縄県民は、2月にちゅらとくを覗いてみると、結構安値で泊まれるかも!?!?(笑)宿泊施設を助ける事にもなるので是非どうぞ!

今後の影響を過去の事例を元に予測

今後は新型コロナウィルスの影響がどれくらい長引くのか皆さん気になる所かと思います。もちろん正確な予測というのは出来ませんが、過去の事例を元に推測してみます。

2002年から2003年にかけてSARSというウィルスが大流行して観光業に大打撃を与えました。まずはこれを参考にします。

重症急性呼吸器症候群は、SARSコロナウイルスによって引き起こされるウイルス性の呼吸器感染症である。2002年11月から2003年7月にかけて、中華人民共和国南部を中心に起きたアウトブレイクでは、世界保健機構 (WHO) の報告によると、香港を中心に8,096人が感染し、37ヶ国で774人が死亡したとされている(致命率9.6%)

重症急性呼吸器症候群  Wikipedia 

今回の新型コロナウィルスの被害はまだまだ拡大しそうなので同列に語る事は出来ませんが、現時点では

中国の保健当局によりますと、新型コロナウイルスの肺炎による患者の数は、武漢を中心に1975人、死亡した人は56人に上っています。

新型肺炎 武漢市長「患者数は近く1000人前後増える可能性」 NHK News Web

致命率は2.8%で今の所はSARS程の影響は無さそうです。

ではSARSが大流行した2003年(H14)〜2004年(H15)の沖縄県入域客数の推移をみてみます。

前の年2001年(H13)に9.11アメリカ同時多発テロがあった関係でSARSが流行った2002,2003年は上向いています。これは非常に分かりにくい。。。

年単位だとややこしい為、もう少し詳しく月別の推移をみてみます。

平成16年入域観光客統計概況

月別で見ても、SARSの影響で大幅に入域客数が減っている様子は見えません。当時はインバウンド観光客がほとんど無かったのも幸いしたのかと思います。

流石に9.11があった翌月2001年(赤グラフ)10月は大幅に減っていますが、それでも前年比で入域が減っているのは発生後4ヶ月後の2002年1月までで、2月以降は前年を超えています。9.11同時多発テロ程のインパクトであっても、影響があったのは発生後4ヶ月間(大きな影響があったのは3ヶ月間)までで、それ以降は通常運転ですね。

以上からも、新型コロナウィルスの沖縄への影響はそこまで無く、最悪のケースでも3ヶ月後位(2020年4月)まででは無いかと推測出来ます。

逆にアジア諸国から中国への渡航が敬遠されて、行き先を変更した観光客が日本に来る可能性も無くは無い。沖縄は中国の影響は前述の通り2%前後なので、そういったお流れ観光客というポジティブ要素の方が大きくなってくれると嬉しい。

まとめ

以上をまとめると

  • 中国新型コロナウィルスが沖縄県宿泊業に与える影響は全体の2%前後
  • 2月に増える分の観光客は中国人のマイナス分で帳消し
  • 2月は団体旅行を受け入れていたホテルがOTAで安売り合戦を始める
  • 今回の騒動を割り切って消費者として「ちゅらとく」で享受するのも手(笑)
  • 今後影響があるのは最悪のケースでも2020年4月位まで
  • 運がよければアジア諸国からの旅行者が中国から流れてくる可能性アリ

という感じです。中国人観光客の直接的な影響は少ないのですが、旅行マインドが下がって全体的に影響がある可能性もある為、注意が必要です。

禁止令がいつまで続くのかも現在は未定ですが、早期に解除される事を願います。

追記分

感染者さらに増える!  2020年1月31日追記 

感染症例は9692件に増え、1527人が重症と中国国家衛生健康委

WHO「緊急事態」宣言、新型ウイルスで-中国の死者は213人に

中国のみですが、感染者、死者が増えて致命率は2.2%

SARSの9.6%に比べるとまだマシな方ですね。感染者は大分増えていますが、致命率は2%台で推移している為、今後致命率が大きく跳ね上がる事は無いかと思われます。感染者はどこまで増えるか想像出来ません。

那覇ー中国便大幅減便! 2020年2月1日追記 ⬇

中国で感染者が広がる新型コロナウイルスの影響を受け、中国の航空各社が31日以降、那覇と杭州や重慶などを結ぶ5路線で、運休や減便することが30日、分かった。30日時点で、最大週14便(提供座席数約2350席)が欠航する見通し。

新型肺炎 沖縄観光にも打撃 那覇-中国5路線で運休・減便 最大で週14便欠航 沖縄タイムス 2020年1月31日

うわー!という前にじっくり数字を見てみます。週で最大2350席という事は月間でおよそ1万席。マックスで1万人です。1万というと、2019年2月の空路入域観光客の1.4%です。割り算すると思っていたよりも少ない事に気づくのでは無いでしょうか。

先に試算した中国人空路ツアー旅行人数/月(推定)が


13,065人 (=20,100人x65%)

でしたので、大分近い数字になってきましたね。報道されている1万からもう少し増える可能性があるという事でもあります。次に減便の報道が出てきた時には「ホレ見た事か」と、ドヤ顔で解説します(笑)

今後も最新のニュースがあれば読み解いていきます。


弊社ではホテルの収益改善のお手伝いと旅館業民泊の運営代行を行っております。こちらで提供サービスのご紹介をしていますので、気になった方はお問い合わせ下さい。


コメントする