公開日: 2019年9月18日
最終更新日 : 2019年10月1日 みなさんはホテルや民泊等、宿泊施設を予約する時に重視するものって何ですか?料金、立地、アクセス等など、人によって違うかと思います。今日はそんな数ある基準のうち、世間の人々はどこを見て決めているのかを調査してみます!複数のアンケートを横断した結果なので個人の感覚よりは確かなはずです。販売の参考にしてみて下さい!
ゲストがホテルや民泊を予約する時の基準とは
「ここに泊まろう!」という基準って人によって基準は様々だと思いますが、ざっと思いつくだけでも
料金、立地、新しさ、古さ(古民家等)、ブランド、インスタ映え、アクセス、部屋タイプ(ツイン、ファミリータイプ等)、部屋の大きさ、禁煙・喫煙、駐車場、WiFi、クチコミ、食事、浴場、景色
結構出てきます。。。では、これらの優先順位ってどうなっているんでしょう?唯一の正解はありませんが、ある程度の傾向はあるはず!という事で、今日はいくつかの調査結果を合わせた横断調査(こういうのをメタアナリシスと言うらしい)で明らかにしていきたいと思います。宿泊施設というくくりで、ホテル、民泊問わず様々なアンケート調査を参考にしています。
では早速調査結果まとめから
調査母体 | 1位 | 2位 | 3位 |
宿研 | 料金41% | 写真28% | プラン24% |
CanCam | 衛生面40% | 利便性16% | チェックアウト時間8% |
エンタメRBB | 立地54% | 衛生面40.5% | 朝食無料35.6% |
オリジナルラボ | 料金31.7% | 立地28.3% | クチコミ20% |
Hotels.com | 料金86.5% | クチコミ63.2% | 特典41.4% |
エクスペディア | 料金92% | 立地88% | Wi-Fi 85% |
エアトリ | 料金75% | 立地71% | 安全性39% |
ホーム・アウェイ | 広さ69% | 衛生面61% | 無料朝食48% |
※調査詳細は各企業名をクリック
みての通り殆どの調査で料金がダントツ一位!なにわともあれ、皆さん料金ばかり見ているんですね。
調査母体ごとの傾向
調査母体が様々で各企業のポジショントーク等も入っているかとは思いますが、ターゲットの読者ごとに少しだけ傾向が見え隠れしています。
●女性向け
CanCamは女性向け雑誌だけあって、一位が衛生面。女性は特にきれいさを求めるのでしょう。また、女性だけあって安全を考慮して立地も重視しています。さらに、女性はよく寝る(偏見)ので、チェックアウト時間も気にするのでしょうか?
●ビジネス向け
エンタメRBBは主にビジネスパーソン向けのアンケートの為、立地が一位に。ビジネスパーソンはホテル代は会社が払ってくれるので、料金なんてあまり見ていない模様(笑)駅から近い等、すぐにゆっくり出来る立地が好まれるようです。
●民泊向け
民泊のホーム・アウェイでは広さが一位に。「3名以上で旅行する場合に重視するもの」という条件付きのアンケートですが、グループ旅行では広さは重要な要素のようです。
また、民泊は新しい形態で色々報道されている事もあり、「安全性」を気にする声も。そういう意味では大手に管理を委託していると安心かもしれませんね。
ゲストが重視するものランキング
先の表で一位=3点、二位=2点、三位=1点で点数をつけた結果をランキングにすると下記の順になました。
項目 | ポイント |
料金 | 15 |
立地 | 11 |
衛生面 | 7 |
クチコミ | 3 |
こう言うとなんだか寂しい感じがしますが、料金と立地で殆ど勝負が決まると言っても過言では無いでしょう。あと、意外と気にされているのは衛生面。クチコミよりも上位に来ました。宿泊前に衛生面をチェックする事は出来ないので、いかに写真でしっかりと魅せるかというのが重要かと思います。
ゲストはこれらの項目で絞り込んだ上で、その他の、例えば設備・アメニティ等を見て最終決定していく流れになるはずです。これらの主要項目が押さえられていなければそもそも選定の土台にも上がれないのです。土台に上がって始めてその他設備等が効いてくるんです。
設備やアメニティは後から追加できますが、立地は変えられないし、仕入れ値(物件の仕込み金額)が高すぎると後で料金を抑える事も難しくなるので、企画段階からいかに費用を抑えていくのが重要かがわかるかと思います。
いかに家賃と清掃費を抑えるかがカギというのは以前ご説明した通りです。
料金・立地以外で重要なものは?
料金と立地以外で重要なものって他にないの?という事ですが、こちらの調査では下記の項目が重視されていると紹介されています。
●無料Wi-Fi
早いWi-Fiには多少多く費用を支払う場合もある
多くのゲストにとってWi-Fiはあったらいいものでは無く、もはや必須のものである
By J.D.Power, Gallup
●納得感
多少料金が高くても、それが納得出来るものである事が重要。きちんとその価格に見合ったものが提供出来ていれば問題無い。
By Fast Company
●モバイルチェックイン・アウト
ゲストはチェックインに15分以上かけたくない。
トリップアドバイザーによると34%の旅行者がモバイルチェックインを必要としている
By TripAdvisor
●サービス
最近のサービスはテクノロジーで提供される事も多いが、人(スタッフ)によるサービスはまだまだ重要視されている。質の悪いサービスはゲストを最もがっかりさせる事の一つである。
By USA Today
●サステナビリティ
エコフレンドリーな取り組み等は評価される。Skiftによると62%の旅行者は予約時に環境への影響を考慮していて、17%はエコの為なら多少のコストは支払うと回答している。(エコフレンドリーは宿泊施設の経費削減にも一役買う)
By Skift
●感情的な繋がり
ゲストが宿泊施設を好きになってくれれば料金に関係無く宿泊してくれる上にフィードバックをくれたり、良いクチコミを書いてくれる。
By Callup
料金・立地以外を見直す場合はこれらの項目を参考にしてみて下さい。
無料Wi-Fiは導入しても一泊で元が取れるのですぐにでも導入をご検討下さい。
サステナビリティ等は日本人にはあまり無い発想ですね。
感情的な繋がりはフレンドリーなスタッフの対応等がカギになる筈です。
その他参考
最後に今回の調査に利用したアンケートの母数と調査年も下記に記載します。
調査母体 | 母数 | 調査年 |
宿研 | n=197 | 2016年 |
CanCam | n=? | 2016年 |
エンタメRBB | n=2000 | 2015年 |
オリジナルラボ | n=? | 2018年 |
ホテルズドットコム | n=1030 | 2014年 |
エクスペディア | n=? | 2019年 |
エアトリ | n=838 | 2018年 |
ホーム・アウェイ | n=400 | 2017年 |
母数表記の無い調査結果まで引用してすみません。。。一応、各項目の割合は記載されていたので、参考までに。あまり母数が多く無いので微妙ですが、トータル5,000名近くの意見だと思って頂ければと思います。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。
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