最終更新日 : 2023年1月23日
今日は民泊の販売方法についての基礎講座。アパートメントタイプ等で客室を複数販売する際にAirbnbで1室づつアカウントを作成してバラ売りしている宿泊施設をたまに見かけます。実はコレ、物凄く効率が悪く、総売上に響きます。基本的な事なのですが、個人運営の方ほど意外と知らない点。そこで本日はバラ売りのデメリットと、在庫を統一して販売するやり方について解説します。
やってはいけない在庫のバラ売り

まず在庫のバラ売りについて解説します。
例えば同じ客室タイプが10室あるアパートメントタイプのホテルがあるとします。Airbnbアカウントを10戸作成してそれぞれで販売するのがバラ売りです。
これのなにがいけないかというと主に下記があります
- アカウント作成・管理の手間
- クチコミがバラける
- 予約実績がバラける
10戸のアパートメントタイプという前提で下記に詳しく解説します。
アカウント作成の手間
純粋に面倒ですよね。全く同じ客室なのに10個も同じアカウント作成するのは手間です。1つで十分です。
また、写真、内容の編集や料金変更も別々になる為、これまた手間がかかります。1つに集約すれば、修正、変更は1回で済みます。
クチコミがバラける
1つのアカウントで10戸の在庫を販売すれば、全てのクチコミがその一つのアカウントに集約されます。
バラ売りだと10のアカウントにクチコミがバラける為、1つに集約した方が10倍もクチコミが多いアカウントのできあがり。
クチコミが多い程人気がある証拠なので、新規の予約も入りやすくなるという良い循環が生まれます。
予約実績がバラける
これもクチコミと同じ原理ですが、1つのアカウントに集約した方がバラ売りよりも10倍予約が入るアカウントになります。
OTAの上位表示アルゴリズムは、どのOTAでも
予約が入る宿を上位表示
予約が入らない宿は下位表示
となる為、バラ売りよりも在庫統一販売の方が10倍有利です。
「予約のとれない人気宿」のアイコンも10倍早く付くはずです。

在庫統一販売

オススメする在庫統一販売とは、10の在庫を1つのアカウントに流し込んで販売する方法。
通常、1室ずつの販売だと、1室売れると売り切れになってしまいますが、10の在庫を統一すると、10室売れるまで販売が継続されます。10室売れて初めて売り切れとなるのです。
アパートメントタイプで無くても、例えば1棟貸しで同じ間取りが隣同士で複数並んでいる場合にもこの方法が活用できます。
ホテルでは当たり前の販売方法ですが、民泊初心者等、慣れていない方は知らない方も多いようです。
設定、写真の変更や、料金変更も1つで済むので手間も10分の1で済む上に売上もあがるのでやらない手はありません!
ただし、この在庫統一販売方法は、旅館業を取得した民泊でのみ可能です。住宅宿泊事業法上の民泊だと、1室づつの登録が義務付けられている為、この方法が取れないかと思いますのでご注意ください。
尚、この在庫統一販売はAirbnb単体では難しく、サイトコントローラーに接続している必要があります。
既にバラ売りをしている施設へのアドバイス

既にバラ売りをしてしまっている宿泊施設も方法があります。
現在バラ売りしているアカウントの中で最もクチコミが入っていて、かつ「予約のとれない人気宿」になっているアカウントを選んでください。
そのアカウントに在庫を集約して販売していくのです。他のアカウントに溜まったクチコミが無駄になってしまいますが、損切りと割り切って、新しく一つのアカウントを育てていきましょう。
ここで、必要なくなったアカウントを削除してはいけません。アカウントを非公開にしておくだけにしてください。

新しく集約したアカウントが何らかの理由で削除されてしまった場合のリスクヘッジとして機能します。
Airbnbではゲストからのクチコミが極端に悪い場合には自動でアカウントが削除されてしまう事があります。そうなってしまった場合にすぐに別のアカウントで再販売できるように利用しないアカウントでも残しておいた方が得策です。
ご自施設が旅館業取得済みで、同じ間取りが2室以上ある場合には今回の方法を試してみてください。手間暇が減る上に売上も上がるので良いことだらけです。
基礎的な内容ですが、新規クライアントと打ち合わせする中で意外と知らない方が多かった為今回のブログで取り上げました。
今後もテクニカルな内容から基礎的な内容まで網羅していきたいと思います!

元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテルのウェブ集客をお手伝いします。