吉村大阪市長のヒゲ裁判に見る顧客視点の重要性

 

最近、大阪のヒゲ裁判が物議を醸しています。内容を簡略化すると

 

地下鉄運転士「ヒゲ伸ばさせてーや!」で市役所を提訴

裁判所が「ヒゲくらい伸ばさせたらええがな!」で市役所敗訴

市長が「納得いかん!」で控訴

 

というものです。なかなか見られない面白い話題だったので取り上げてみます。

 

賛否両論あるかと思いますが、宿泊施設にも通ずる何かがあると思いますのでどうぞ!

 

ヒゲ裁判概要

 

記事によると

 

「当時の大阪市営地下鉄の50代の運転士ら2人は、ひげを剃らなかったことが原因で人事評価を下げられたのは、不当な人事考課にあたるなどとして大阪市を相手に損害賠償を求めていた。
大阪地裁は1月16日、ひげを生やす権利について「個人的自由に属する」と認定。ひげを主要な原因に人事評価を減点したのは違法だとして、市に慰謝料など計44万円の支払いを命じた。」
「なんだこの判決」大阪市の吉村市長 ひげで人事評価マイナスの訴訟で控訴へ

 

2012年当時50代という事は現在恐らく60代。いいオッサンがヒゲ生やしてああだこうだ言ってるのも面白い(笑)高校生か!

 

ヒゲ裁判を顧客視点から考えてみる

 

年齢とかは置いといて、記事のポイントを整理してみると、

 

ヒゲおじさん側の主張

「ヒゲは個人の自由だ!」

 

市役所側の主張

「ヒゲ禁止は乗客に好感を持ってもらうなどの目的」

 

という対立です。どちらが正しいか。

 

顧客の立場に立って考えてみると簡単に答えが見えてきます。

 

よく言われる

 

オシャレは自分の為、身だしなみは相手の為

 

を思い出せば明確だと思います。ヒゲおじさんは、「個人の自由!」と主張している時点で相手はどうでも良いと思っているのです。ヒゲおじさんは地下鉄の運転士。地下鉄の顧客は誰か?主に市民です。不特定多数の市民に見られる仕事。不特定多数の方が持つヒゲに対する印象を考えてみれば明白です。

 

たとえばこちらの記事ではヒゲに対する印象を

 

男性のヒゲをあまりよく思わない女性の割合というのは85%と高い数値です。

 

としています。中には整っていれば良いという意見もありますが、整ったヒゲの基準は人それぞれ。悪印象を持たれる可能性があるのであればヒゲは伸ばさないというのが顧客視点というものです。市民全員がヒゲに対して悪い印象を持たないというのは考えにくいですよね。

 

また、別の記事で、裁判に対するコメントで特に秀逸だなと思ったのはこちら

 

「職員試験や面接にもヒゲで臨んだのかな?
その時は剃ったとすれば、なぜ剃ったのかな?
自分自身でわかっているのだと思います(笑)」
https://newspicks.com/news/3603507?ref=pickstream_165174

 

就職面接での自身の身だしなみを考えれば自ずと答えは見えてきますね。

 

顧客視点を意識した身だしなみ規制の例 沖縄編

 

実はこういう規制ってとある有名企業にも存在するようです。不動産建築で有名な、大東建託です。

 

沖縄って、夏になるとかりゆしウェアと呼ばれるアロハシャツを着て仕事をするのですが、このかりゆしウェアの「黒っぽい色のかりゆしウェア」が大東建託では禁止されているそうなのです。理由は黒いかりゆしウェアだとチンピラっぽく見えて顧客に良い印象を与えないから だそう。

 

相手を考えた規制ですね。顧客に良い印象を持ってもらえない=営業成績にも影響するので、死活問題なのでしょう。

 

ヒゲ裁判と宿と何の関係が?

 

民泊サイトとヒゲ裁判、全く関係無いように思えるのですが(笑)顧客視点という点で共通しています。では、今度は少し視点を変えて考えてみます。

 

皆さん、ネットで買い物しますか?アマゾンや楽天で買い物した事がある人は多いと思いますので、ネットでのお買い物を例に取ってみます。

 

例えばプロテインを購入しようとしたとします。(なぜプロテインなのかは想像にお任せする)購入する商品が決まっていて、商品名で検索すると、

 

アマゾンだとこんな感じ↓

楽天だとこんな感じ↓

どちらも「ザバス プロテイン 1050g ココア」で検索

 

購入したいのは、金色のパッケージの「SAVAS」と書いてある商品なのですが、どちらが購入しやすいでしょうか。

 

中身を見てみると、アマゾンのは、「景品付き」や「2個セット」などを除けば、単品で購入出来る選択肢は3つ。中でも価格が安くかつ「Amazon’s Choice」のロゴが付いているアマゾンお墨付きなので迷わず購入出来ます。

 

楽天の方は多すぎて見るのも嫌になってきます。

 

ジャムの実験

 

こういう選択肢の多さが意思決定に及ぼす影響を調査した有名なジャムの実験というのがあります。概要は

 

「スーパーで、6種類のジャムと24種類のジャムの試食を用意し、人々がどれだけ試食するか、また、その結果どれだけの人々がジャムを購入するか、を検証する実験です。
結果は、24種類のジャムの方が多くの人に試食されましたが、実際に購入した人は6種類のジャムの方が多く、それは24種類と比較して約6倍も多かったのです。この結果は、選択肢は多ければ良いというものではないことを証明しています。」
シーナ・アイエンガーのTED〜選択をしやすくするためには〜が面白い

 

選択肢が多いと人は選択しないのです。アマゾンと楽天の例でも明らかにアマゾンはこのジャムの理論を分かってウェブデザインに取り入れていますね。アマゾンの方が楽天よりも伸びているもは、配送網等よりもこういったウェブデザイン等の方が優れているのではないかと思います。

 

顧客を迷わせない為に宿側が気をつける事

 

顧客を迷わせない為に、宿としてはどうするのか適切か。てっとり早いのはプランを削る事。よくクオカード付きプランやらバースデープラン等、意味不明なプランを多く設定している宿がありますが、多すぎると選んでもらえません。宿なので、顧客の目的は泊まる事。素泊まりと朝食付きがあれば十分です。

 

また、民泊では殆どありませんが、リゾートホテル等では部屋タイプが10種類以上もあるホテル等がありますが、あれも多すぎて選び難くなります。スタンダード、スーペリア、デラックス、スイート程度で良いでしょう。

 

部屋のグレードも一般的に

 

スタンダード < スーペリア < デラックス < スイート

 

の順で世界共通なので、こういったスタンダードな部屋名を利用する方が顧客にとってわかりやすいのです。思いの強い宿泊施設は、自分の施設でしか通用しない固有の部屋名をつけたりしますが、あれは顧客からしたら良い部屋なのか普通の部屋なのかがわからず、迷わせる原因にもなります。また、部屋名が長くなってしまい、スマホで見た時に部屋名が尻切れトンボになったりするリスクもあり、やはりオススメ出来ません。自分の思いを優先し過ぎた結果とも言えます。

 

こういった点は顧客視点に立てばすぐに分かる事なのですが、冒頭のヒゲおじさんのような思考になるとどうしても思いつかないものです。気をつけたいですね。

 

ヒゲ→大東建託→アマゾン・楽天→ジャム

 

と、読み続けるべきかと途中で読者を悩ませる内容ですがww 要は顧客視点は重要ですよというエントリでした。


 

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