公開日: 2018年12月11日
最終更新日 : 2018年12月11日 民泊新法施行から約半年。ようやく落ち着きを取り戻している民泊ですが、今日はそんな沖縄県の民泊の受理件数をまとめてみたいと思います。
意外と少なかった、多かった市町村もあるかと思いますが参考にしてみて下さい。
後半では、今後ホテル側が取るであろう戦略と、民泊が対抗出来る戦い方にも触れています。
沖縄県 市町村別民泊受理件数 2018年11月30日現在
沖縄県と那覇市発表の資料なので、かなり正確な数字になっているかと思います。能書きはいいので早速ご紹介!
合計676件で、最多は那覇市の72件。申請方法が厳しすぎると官公庁に叩かれたりと色々あった那覇市ですが、なんだかんだで最多!需要を考えるとまだまだ増えてもおかしくありません。先日の官公庁からの指摘で今後那覇市の申請は加速すると考えられますので、爆増すること間違い無し!今後は那覇市の競争がさらに激しさをましていくでしょう。意外と読谷村が多いのも気になるところ。
20件未満の市町村は「その他」でまとめてありますが、少ない市町村もまとめてグラフにするとこんな感じ
円グラフだとゴチャゴチャし過ぎるので棒グラフにしています。美ら海水族館が近い為、需要はあるのに民泊が少ないのは本部町、今帰仁村の各6件。理由としては、北部保健所は旅館業の許可が取り易い為、住宅宿泊事業(民泊)より旅館業を取得する施設が多いのが要因です。ちなみに恩納村は中部保健所なので、恐らく北部保健所より旅館業の審査が厳し目なので民泊が多いかと思われます。宜野座村、金武町も中部保健所管轄ですね。
表にもまとめておきます。コピーしてご自由にお使い下さい
市町村 | 受理件数 |
那覇市 | 72 |
読谷村 | 67 |
恩納村 | 65 |
浦添市 | 61 |
北谷町 | 48 |
石垣市 | 47 |
南城市 | 37 |
金武町 | 35 |
沖縄市 | 32 |
うるま市 | 30 |
糸満市 | 29 |
名護市 | 23 |
豊見城市 | 22 |
宜野湾市 | 15 |
宜野座村 | 14 |
中城村 | 14 |
宮古島市 | 12 |
八重瀬町 | 11 |
北中城村 | 9 |
本部町 | 6 |
今帰仁村 | 6 |
竹富町 | 6 |
嘉手納町 | 4 |
与那原町 | 3 |
南風原町 | 3 |
伊平屋村 | 2 |
国頭村 | 1 |
座間味村 | 1 |
西原町 | 1 |
今後のホテル VS 民泊 の戦い方
民泊が増える程、既存のホテル等にも価格下落圧力がかかって利用者にとっては良い影響があると思われます。ただ、単に価格勝負だとホスト側は辛いだけ。そこで両者の立場に立って今後どのような戦い方があるのかを考えてみたいと思います。
ホテル側の戦い方
民泊とホテルで大きく違うのは、清掃費用。民泊の清掃費は
- 清掃費が宿泊費と別でかかる
- 清掃費は人数や泊数に関係無く、1滞在あたりにかかってくる
- 清掃費は外注が殆どの為、安く出来ない
- 180日制限があるので、構造的に高単価・低稼働の物件が多い
という特徴があります。その為、泊数を少なく民泊を利用すると清掃費のからみで割高になってしまったり、宿泊人数が少ない場合も一人あたりの金額が高くなり、不利に働きます。ホテルが民泊に対抗するには少人数で勝負する、もしくは1泊や2泊等、少ない泊数で勝負するという戦略が取れますね。大人数向けの施設より、ツイン、ダブルの少人数向け施設が強みになるでしょう。但し、その分野にはミスター金城さんというキングコングがいるので、対象顧客をズラして、ちょいラグジュアリーな少人数向け=カップル向け、高齢夫婦向けの施設なんかはが今後は増えてくるのでは無いでしょうか。
民泊側の戦い方
逆に民泊側は清掃費のデメリットを補える連泊狙いが必要になります。連休等は真ん中の1泊だけ予約が入ってしまうと連泊が取れなくなるので、連泊制限をかけておく等の設定が必要ですね。得にグループが多い夏休みや連休等は前もって連泊設定をかけておく必要があるでしょう。
ただ、連泊制限は、かければかける程予約が入りにくくなるので、平日や閑散期は連泊制限を外す等の、需給を見ながらの調整も同時に必要になりますのでご注意下さい。
もう一つ考えられるのが団体需要。ただし、民泊は大型施設が多いのでファミリー向けに向いているかというと、少し考える必要があります。例えば両親と小さいこども2名の4人家族だと、通常のホテルでは未就学児(6歳以下)は無料というホテルが多い為、大人2名料金で泊まれてしまうんですね。結構安く泊まれるんです。大人数に強い民泊がその値段に対抗すると苦しくなってきます。両親とおじぃちゃんおばぁちゃんの6名利用なら民泊もありですが、そこまで多い形態では無い気がします。。。
その為、年間通してファミリーを狙うよりも、ファミリーにこだわらないグループに嬉しい設備、例えばBBQ設備や洗面所が2つ等を備える方が需要にマッチしているかと思われます。
以上を参考にしてみて下さい。
参考資料)
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。