最近、沖縄県全体の平均客室単価(ADR)が下落している原因が驚きの内容だったので公開する!

最近、「客室単価が下がったなー」って思った事はありませんか?その感覚は正しくて、沖縄県全体で下落傾向にあります。これだけ民泊、新築ホテルが乱立して来ているのでそりゃ下がるのもわかりますが、実は原因はそれだけではなかったんです!

 

今日は最近広がりを見せる、客室単価を下げる「ある問題」についてご紹介します。業界の方でも知らない人が多いかもしれませんので目をかっぽじって読め!!

 

どれくらい競合が増えているのか

 

まず競合がどれくらい増えているのかを見てみます。沖縄県発表の数字だと少し古いデータしか開示されていなくて2017→2018年で+3373室(+8%)です。直近の数字は県が発表していないのでおおよそですが、2018→2019年は+10%かそれ以上の増加です。

 

では入域者数はどうかというと、これまた県の発表で2018年は+4.7%の増加です。

 

単純に

 

需要の増加(+4.7%) < 供給の増加(+10%以上)

 

なので単価が下がって行くのは分かります。だからこそ、「単価下落はこれが原因か」で納得してしまい、それ以外の原因がある事は想像すらしないのだと思います。

 

客室単価を下げるもう一つの原因

 

でも実は客室単価を下げている要因がもう一つあったのです。それは意図しない「勝手にセール」です。民泊ではあまりみられませんが、ホテル等ではある特定の層に戦略的にセールを売ったりりして顧客を取り込んだりします。具体的には会員セール、国別セール、モバイルセール、ダイナミックパッケージ(DP)等です。国別セールについては以前にもご紹介しているのでこちらを参考にして下さい。ダイナミックパッケージというのは、飛行機とホテルを同時に購入した際に適用されるパッケージ価格の事です。会員セール、モバイルセールはその名の通りですね。

 

これらの戦略的セールは、公開にはなっていないので、クローズドセール等と呼ばれたりするのですが、これらのクローズドセールをホテルに内緒で勝手に全て公開して販売してしまうOTAがあるんです!!!ホテルは収益を増やす為に公開セール、クローズドセールを分けて販売してるのですが、それら全て勝手に公開されたのではたまったものではありません。しかも、提案する際には「会員向けです」「ダイナミックパッケージ用です」と営業しておいて勝手に公開で販売するなんて、もはや詐欺。。。大丈夫か???

 

ホテル側がOTAに提供している通常価格と違う価格が販売されているので、ホテルがそのOTAに問い合わせをすると、「割引額はウチで負担しているのでホテルに損はありません」という嘘をついてしまうのだから恐ろしい。。。それでもホテルが気づきにくいのは、そのOTAがクローズドセールがどれだけ売れたかの内訳を公開していないから。会員価格でどれだけ売れたか、ダイナミックパッケージで何件予約があったのかは分からないようになっている為、気づき難いのです。公開しちゃうと「全部クローズドセールでした」となって怪しまれてしまうのですから公開出来ないのでしょう。

 

ホテルは収益確保の為に、ある一定層には高い価格で販売しているつもりなのに、勝手に全て割引価格で販売されている。しかも沖縄県内の多くのホテルでこれが行われているのだから全体の客室単価に影響して来ないワケがありません。高く売れる夏の繁忙期まで勝手に安売り合戦にされているのです。なんだか沖縄県民の所得が食われているようで腹立たしい事この上無い。

 

恐怖の具体的スキーム

 

具体例を紹介します。

 

前提条件として、下記があるとします。

 

  • ホテルは全OTAに同一の公開価格を提供
  • ダイナミックパッケージ用料金をこれまた全OTAにに20%引きで提供

 

この条件があると仮定した上で、ホテルメタサーチで検索すると、全てのOTAが同一価格になるはずですが、下記のように1社だけ25%も安く表示されてたりします。

 

X社 10,000円

Y社 10,000円

Z社   7,500円

 

Z社がダイナミックパッケージ価格をパッケージでは無いホテル単体で販売してしまっているのです。上記7,500円でホテルだけで予約出来るのです。

 

ダイナミックパッケージ料金が20%引きなのに販売価格が25%引きになっているのは下記のような内訳になっているからです。

 

7500円 = 8000円(10000円x20%引き)ー  500円(OTA持ちの割引)

 

500円の割引額をもってして、Z社はこれを2,500円全て自社で負担しているかのように説明して来ます。しかも、飛行機パッケージと言っていますが、そのOTAは飛行機予約機能を持っていないのですから恐ろしい。。。

 

一例としてダイナミックパッケージで説明しましたが、他にも

 

  • 会員向けセールを非会員に販売
  • 国別料金を全世界に販売
  • モバイル料金をデスクトップにも販売

 

という事例が確認されています。15%〜35%ほど意図していな料金が出ている場合は怪しいと思ってみて下さい。一度自社の宿泊施設をメタサーチで検索してみて、おかしいなと思ったら自分で予約してみてどのように通知が来るのか確認する事をオススメ致します。一発でわかります。

 

ちなみに、宿への予約通知は20%引きの8000円からOTA手数料分を引いた額で通知されます。例えばOTAの手数料が10%だったとしたら、先のケースでは8000円x0.9=7200円で予約通知が来ます。さらに気づき難い。ややこしや〜

 

ここでは説明を簡略化する為に料金や手数料、割引額を丸めた価格にしていますが、実際にはこれらは1円単位まで端数だらけの数字になる為、余計にややこしいのです。こういうのがまた問題を発覚しにくくしているのですね。

 

もう一つ確認されているのは、直近の2ヶ月はちゃんとした価格で販売しつつ、2ヶ月以上先のみこのような「勝手にセール」をやっちゃうというもの。これまたホテル側にバレ難くする為のスキームです。

 

「勝手にセール」を止めるにはどうするか

 

ではこれを止めるにはどうするか。そのOTAにこれらの事を止めるように依頼すると、下記のような回答が来たそうです。

 

「会員向けセールは会員にのみ販売するようにして下さい」

「ちゃんとしてますよ」とトボける

 

「国別料金は指定の国でのみ販売して下さい」

「確認します」  で連絡がつかなくなる

 

「モバイル料金はちゃんとモバイルでのみ販売して下さい」

「デスクトップも持ち運べるのでモバイルです」

 

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回答集はどこまで本当かわかりませんが、面白すぎる!

 

なので、これらの料金を止めるには以下の2つしかありません。

 

 

  • そのOTAのクローズドセール自体を全てやめる
  • そのOTAのみクローズドセールの割引分だけ元値を上げる

 

 

クローズドセール自体をやめれば変な価格は販売しようが無いので、万事OKですが、クローズドセールもある一定の露出増の効果はあるはずです。それを利用しつつ意図した料金で販売するには、元値を上げてしまえばクローズドセールが表に出て来ても通常料金と同じ料金になってかつ露出増の効果を利用出来るというものです。

 

先にも触れましたが、民泊ではそこまで多い事例ではありません。近隣のホテルの方がこのような事例に陥っています。もし知人にホテル関係者がいれば教えてあげて下さい。

 

しっかりと説明した上で戦略的にセールを打つ事は良い事だと思いますが、説明もせずに勝手に安売りしてしまうのは本当にタチが悪い。ヒアリングしたところ9割近くの宿泊施設が「勝手にセール」を理解していないのですから、そのOTAからの説明はされていないものと思われます。沖縄は観光立県なので、このような事をされて沖縄県民の利益が損なわれる事に苛立ちを覚える事例だった為、今回こうやって暴露させて頂きました。

 

ちなみに、この事例は沖縄県内だけかと思って他地域の関係者に確認したところ、全国各地で同様の事例がありました。SUGEEE!!!

 


 

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