公開日: 2022年4月18日
最終更新日 : 2022年5月14日
昨年からBooking.comにおいてプリファードプラスという販促プログラムがスタートしています。これまで存在したプリファードプログラムの上位互換という位置づけの為、興味のある施設も多い事でしょう。そこで本日は複数の施設でプリファードプラスを数ヶ月に渡って走らせた検証結果と利用時の注意点をご紹介します。プリファードプラスを検討していた方もまだその存在を知らない施設も参考になるでしょう。
プリファードプログラムとは
プリファードプラスの前にまずプリファードプログラムを説明します
プリファードプログラムとは、Booking.comがホテルに対して下記のようなおすすめマークを付けて上位表示させるプログラムです。
上位表示される為、露出が増えて予約も増えます。
参加条件は
- 料金パリティ(他OTAとの料金差が少ない)
- パフォーマン(Booking.com内での売上がよい)
- クチコミ
参画するとBooking.comへの手数料が3%アップして15%になります
元々は同一市町村内で30%程度という基準がありましたが、現在では多くの施設が参加しています
プリファードプラスとは
プリファードプラスは、プリファードプログラムに参画中の施設の中でも、さらに販売実績の高い一部の施設のみが参画できるプログラムで、宿泊施設に対して上記のオススメマークが表示されて、露出が最高レベルでアップします。
参画できるのは上位10%にも満たないとの事。
2022年4月18日現在確認できたのは
- 那覇市内で2施設
- 恩納村で7施設
程度でした。(他市町村は未確認)
さらにゲストはプリファードプラスの施設を利用する事で、Booking.comで利用できるポイントを獲得する事ができる為、予約が入りやすくなります。
Booking.com手数料がさらに5%上がって、20%になります。(高っ!!!!!!)
参画はBooking.com管理画面の下記の場所から可能です
両者の違い
公式発表の両者の違いは下記になります
プリファード | プリファード・プラス | |
検索結果での表示順位アップ | 表示順位アッププリファード施設は検索結果での表示順位が上がります。その結果、全世界のユーザーからのページ閲覧数が平均で65%アップします。 | 表示順位が最高レベルでアップ検索結果でのさらなる露出アップ効果が期待でき、またページ閲覧数においては、通常のプリファード・プログラム参加による上昇に加えて平均でさらに74%の増加が見込めます。 |
予約数 | 予約数の増加プリファード施設はページ閲覧数が増えるため、予約数が平均して増加します。 | 最大30%の予約数増加プリファード・プログラム参加によりすでに予約数がアップしているところから、さらに最大30%の予約数増加が見込めます。 |
ブランディング | 優良施設の目印上質なサービスを適切な料金で提供していることがBooking.comおよびゲストに認められている証として、貴施設には親指のマークが表示されています。 | 他施設との差別化貴施設にはプリファード・プラスの印がつくようになり、当サイト上で他施設と差をつけられます。 |
参加対象 | 一部施設限定一部施設のみが招待されます。貴施設のエリアでプリファード・プラスに参加できるパートナー施設は10%にも満ちません。 | |
ゲストへのポイント付与 | 貴施設のゲストはポイントを獲得追加のインセンティブとして、貴施設を予約したゲストにはBooking.comよりポイントを付与します。当サイト上で今後の予約に使えるポイントを得られることで、潜在顧客にとって貴施設がより魅力的になります。 |
プリファードプラスの効果検証
では実際にどれくらいどれくらい露出が増えるのかを検証してみます。
(以下のグラフは全て2022年月18日時点でのグラフです)
下記は那覇市内のホテルで実際にプリファードプラスを走らせた結果です。
表示回数
参画前に50,000前後だった表示階数が10月の途中で参画した途端に急上昇し、11月には参画前の約7倍にもなる350,000回の表示となりました。
3月中旬に脱退した途端、急激に表示回数が減っています
脱退前後のグラフをもう少し細かすると下記
Booking.com営業担当者によると、沖縄県内平均でも5倍〜7倍の露出増効果があるそうです。
表示回数だけでなく、予約数がどれくらい動いたのかも見てみます。
予約数
参画後は予約数が倍くらいまで伸びています
脱退が3月中旬ですが、3月はそこまで減ってはいません。蔓延防止措置が終了になって3月から需要が回復してきた為でしょう。継続していれば大きく伸びていたはずです。
まとめると
- 参画後は約2倍の予約数
- 3月の脱退後は需要回復期にも関わらず横ばい
といったところでしょうか。
プリファードプラスのデメリット
予約が2倍になるほどの破壊力があるのですから、招待された施設はプリファードプラスをやらない手はありません。
そこで気になるのが手数料です。先にご紹介している通り、通常のプリファードプログラム参加の15%にさらに5%追加で20%もの手数料が持っていかれるのですから、少し考えてしまうかもしれません。
そんな時には、Booking.comのみ料金を5%上げるのをおすすめします。
そんな事したらパリティにうるさいBooking.comでは予約が入らなくなる!と心配されるかもしれませんが、ご心配なく。上記で紹介した数字は全てBooking.comのみ5%値上げした料金でのデータになります。
試験的に参画と同時に5%上げてみましたが絶大な効果が持続したため、継続しました。脱退と同時に5%の値上げは取りやめて他OTAと同一料金に合わせましたが、予約数は急減しています。
プリファードプラスの注意点
恩納村の別の施設でも走らせてみましたが同様の結果が得られました。
しかし、豊見城市の別の施設では思った程の効果が得られなかったのです。
具体的には、表示回数は参画後、それほど増えず、脱退後に急減しています。
表示回数
また、予約数にはほとんど影響がなかったのです。
予約数
1,2月の期間中走らせていたのですが、1月は上がって2月下がる。
脱退しても3月は上がる
という状況でした。1,2月は特に蔓延防止措置と重なったのも要因かとは思いますが、この施設では稼働率が80%程度という事もあり、手数料に20%も払うメリットは無いと判断し脱退しています。
以上から導き出される仮説は
- 那覇市や恩納村等のホテルの多いエリアでは絶大な効果を発揮する
- 豊見城市のようなホテルが少ないエリアでは効果が限定的
という事かもしれません。
非常に大きなインパクトの販促ですので、招待された施設は是非試してみてください。
ただし、参画しっぱなしではなく、効果を検証して、手数料以上の効果が得られないのであれば取りやめる決断も必要です。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。