公開日: 2020年11月28日
最終更新日 : 2020年11月28日
全国のコロナ陽性者の増加を受けて、大阪市と札幌市発着の旅行を制限する動きが広がっています。大阪、札幌へ「行く」旅行だけの制限だったのが、両市を「出発」する旅行も制限するという事になってきている為、沖縄も他人事では無くなってきました。そこで本日はそうなった場合の沖縄観光への影響について検証します。
GoTo事務局発表の措置
事務局のウェブサイトからの引用です
旅行者の皆様におかれましては、下記の内容についてご理解の上、11月24日(火)以降、12月15日(火)までに出発する札幌市又は大阪市を目的地とする旅行について、Go Toトラベル事業を利用した新規の予約は控えていただくよう、また、既存の予約についてもキャンセルいただくよう、お願いいたします。
札幌市又は大阪市を目的地とする旅行に関する当面の措置について
札幌市又は大阪市に居住する方におかれては、新規の予約・既存の予約を問わず、それぞれの旅行に伴う感染リスクを慎重に判断し、12月15日(火)24時までに出発予定の Go To トラベル事業を利用した旅行を控えていただくようお願いします。
札幌市又は大阪市に居住する方のGo To トラベル事業の利用について
楽天トラベルでも既に大阪市、札幌市の宿泊施設はGoTo除外されています。
https://travel.rakuten.co.jp/special/goto/
このような事態になると、緊急事態宣言の時のようにキャンセルが多発しそうですが、実際にはどうなるのでしょうか。大阪は東京に次ぐ大都市なだけにマズいぞ!!!となる前に細かく調べてみました。
大阪・北海道からの入域数
では両市から沖縄へ来る観光客はどのくらいいるのか。市単位で数を把握するのは難しいのですが、おおまかな傾向として、関西発、北海道発の入域数をみてみます。
11月24日に10月の沖縄県入域観光客統計が発表されていますので、そこから数字を引っ張ってきます。
- 関西方面からの入域は全体の2割で73,000人
- 関西全体の人口が2,200万人で大阪市の人口が275万人
- 大阪市は関西全体の12.5%
- 上記のグラフ「関西方面」の73,000の12.5%は9,125人
- 9,125人は10月の全体入域数341,200人の2.7%
となっており、僅かな数となっています。
大阪市が除外されても沖縄観光にはそこまで大きな影響は出ない
といって良いのではないでしょうか。
北海道方面は直行便は「その他」で、多くは東京羽田経由となる為、「東京方面」に含まれるかと思いますが、大阪で2.7%ですので、北海道からはるばる沖縄まで来る旅行者はほぼ誤差程度の影響しかないものと推測出来ます。
以上から、今回の大阪市、札幌市のGoTo除外に合わせて慌てて料金を下げたりする必要は無いと言えます。
大阪・札幌以外の影響
両市以外の影響も考えてみます。
先日のブログでも触れましたが、最も怖いのは、各都道府県知事の動きです。政府もGoTo除外等の抑制策は「知事の意見を踏まえて」という事を言っていますので、もしデニー知事が「沖縄も除外!」等と言ってしまっては沖縄観光は終わります。
他にも、東京23区も感染が拡大してステージ3相当と言われていますので、油断は出来ません。
新型コロナ さらに感染増加すれば「緊急事態宣言が視野に」西村経産相 東京23区はステージ3相当
東京がGoTo除外されると、沖縄への入域の半数が除外される事になる為、影響は甚大です。
実際にどれくらいの影響が出るのか、これまでの自治体の抑制策と沖縄県への入域数を重ねてみると一目瞭然です。
10月はGoToの東京除外解除もあり
前の月より1.5倍の入域です。
東京凄い!
逆に再度除外されるとその数が一気に減るとも言えます。
以上から、今後鍵になるのは、沖縄県知事、東京都知事の動きでしょう。
(福岡市は感染拡大していない上に、高島福岡市長がしっかりしているので、変な対応はしないので安心)
前回のブログでも触れましたが、GoToトラベルと感染拡大には関係性が見いだせません。GoToトラベルで感染拡大しているわけでは無いのですから、GoTo止めたところで感染抑制は出来ないはずです。
それでも沖縄のデニー知事と東京の小池知事の判断次第でGoTo除外や独自自粛策が取られると、沖縄観光に大きな影響が出る可能性があるのです。
全国各地で冬になるにつれ陽性者数が増えていますが、特に東京の陽性者数の動きは注視する必要があるでしょう。
まとめると
- 大阪・札幌のGoTo除外は沖縄にはそこまで大きな影響は無い
- GoTo除外は感染状況関係無く、各知事の判断次第
- 東京の陽性者数に注意
となっております。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。