公開日: 2021年8月25日
最終更新日 : 2021年8月25日
ホテル業界でよく利用される専門用語。業界の方なら当たり前の用語ですが、そうでない方にとっては少し聞き慣れない言葉があります。いずれも収益改善には見ておくべき指標です。そこで本日は基本に立ち返って、ホテル業界の専門用語の解説と、その値がどのくらいが適切なのかをご説明致します。
リードタイム
リードタイムとは、チェックインから何日前に予約されたのかという指標です。ブッキングウィンドウと言われたりもします。
一般的にはインバウンドはリードタイムが長く、日本人は短いという特徴がありますが、コロナ以降は全く様相が異なります。
例えば下記は2021年8月25日現在の過去30日間に入った那覇市内のリードタイムです。
那覇市内 リードタイム
参考)Booking.com アナリティクス
驚くかもしれませんが、約4割が前日・当日の予約です。3日以内の予約で約半分。
要因としては
- コロナで先が見通せない為、早期予約が減っている
- 直前で料金を落とす施設が多く、乗り換え予約が多い
等があげられるでしょう。
直前がいかに大切か、先々の予約が入っていなくてもそこまで心配する必要は無い点は覚えておきましょう。
尚、この数値はエリアによって大きく異なりますので、自施設のエリア状況をざっくり把握しておく事で販促の意思決定に役立つかと思います。
転換率(CVR・コンバージョンレート)
転換率とは、閲覧者が予約に至る割合の事。CVRやコンバージョンレートと言われたりもします。
100名の方が施設紹介ページを見て、3名の方が予約に至れば転換率3% といった具合です。
トップ施設は5%くらいになりますが、最低でも2%以上は目指したい所です。
予約数は閲覧数x転換率で決まりますが、それらはどのようにすれば増えるのかも解説します。
まず、閲覧数は主に掲載ランキングによって決まります。Google検索と同じですね。
掲載ランキングは、過去の販売実績、広告やプロモーション、料金調整で増やす事が出来ます。
そして肝心の転換率は、料金が魅力的かという点と、施設紹介ページの内容の充実度、特に魅力的な写真を多く掲載していると高くなります。
料金に関してはマーケット料金が常に動いているので、マーケットを注視し続ける事が必要になります。
写真撮影はプロにお願いする方が良いのですが、資金的に余裕が無い場合はスマホでも十分キレイな写真が取れますので、下記を参考に撮影してみて下さい。
【スマホ撮影】ホテル・民泊の写真撮影のコツ3選!素人でもこれを守るだけで見違える写真に!
レブパー(RevPar)
レブパーは稼働率x平均単価(ADR)で求められる指標。内容を言葉でごちゃごちゃ説明しても意味不明なので具体例で説明します。
例えば平均単価12,000円の施設で稼働率が60%だったとするとレブパーは7,200円 という具合です。
レブパーのメリット
レブパーを見るメリットは主に、収益改善です。稼働率を目標にすると、料金をひたすら下げて稼働率を上昇させる事が容易です。逆に平均単価を上げる事を目標にしてしまうと、高い料金で販売し続ける事になるので、稼働率が上がらず売上になりません。
そういう事にならないように、両方の指標をミックスしたレブパーが必要になるのです。
それなら売上で比較する方がわかりやすくて良いじゃないかと思われるかもしれませんが、単純にそうでも無いのです。
例えば、下記の2つのホテルがあったとします。どちらの方がうまく運営しているのでしょうか?
- Aホテル 月間売上367.5万円 客室数25室 平均単価 7,000円 稼働率 70%
- Bホテル 月間売上312万円 客室数20室 平均単価 8,000円 稼働率 65%
売上、稼働率でみるとAホテル
平均単価でみるとBホテル
となります。でもよく見てみると、そもそもの客室数が異なります。こうなるとパッと見どっちがうまく販売していたのかがよくわかりません。そんな時に便利なのがレブパーなのです。
計算すると、両ホテルのレブパーは下記になります。
- Aホテル 4,900円
- Bホテル 5,200円
一目瞭然、Bホテルの方支配人の方が優秀だという事です。
このように複数のホテルを運営していて、評価する場合には便利でしょう。
以上、ホテル業界でよく利用される指標をご紹介しました。弊社でもこれらの指標は常に確認しながら施設運営のお手伝いをしております。
弊社では言うだけのサポートでは無く、手を動かすコンサルティングを提供しております。実際に弊社で様々な部分を担当し、収益改善を実現します。
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