公開日: 2018年7月28日
最終更新日 : 2018年7月28日 皆さん、自社ウェブサイトはお持ちですか?自社ウェブサイトを持っていないホテルは聞いた事がありませんが、民泊って恐らくまだほとんどが自社ウェブサイトを持っていないのではないかと思います。
ナゼなんでしょう?新しい業界だから?いや、民泊新法が新しいだけで、民泊自体は数年前からあります。ではナゼ民泊施設は自社ウェブサイトが無いのか。今日はそのあたりについて色々考えてみたいと思います。
民泊が自社サイトを持たない理由は2つ
理由はたぶん2つあります。
1つ目は持つ意味があまりなかったから
これまでの民泊って、ホテル等の既存の宿泊施設に対して、多くは値段で対抗していました。ワンルームマンションの一室で格安で!というのが一般的ですね。そういう場合って、Airbnb等の予約サイトに掲載すればとりあえず集客できたんです。ゲストも金額重視なので宿のスペックだったりコンセプトなんか詳細はどうでも良かったんですね。
自分が泊まる場合も、一泊数万とか数十万とかする宿になると、どんな宿かしっかり自社ウェブサイトチェックしますよね。実際、ホテル等でも高級志向の宿は一般の予約サイトからでは予約はほとんど入って来ません。高級であればある程、自社サイトからの予約が最も多いというのはよくはる話です。
具体例をあげると、一泊30万円もする宮古島のザ・○ギラさんの予約はほとんどが自社サイト経由か高級宿専門予約サイトの「一休」からの予約。それ以外の一般の予約サイトからはほとんど(年に数件程度も)入って来ないそうです。
2つ目は違法だったから
民泊は今年の6月15日以前までは、旅館業法に抵触する違法ビジネスでした。違法なので、自社ウェブサイトを持つ事で足がつくのを恐れたのがもう一つの要因です。足がつかないように、Airbnbでも予約が確定するまでは宿の住所、詳細場所は教えてもらえませんし、宿の名前も足がつかないように、「●●駅徒歩5分 WiFi無料 静かなお部屋」 とかどうでもいい名前がつけられています。行政にバレたら最後なので、ブランディングはしてはいけない事だったんです。全て違法なのを承知で摘発を回避する為の知恵だったんですね。
民泊のこのあたりって、今後どうなってくの?
では、今後どうなっていくの?という点ですが、以前にも民泊は新法以降、高単価に推移していくと説明しています。
[予言] 民泊は今後間違いなく高単価・低稼働に推移していく!という3つの根拠
180日制限があるので、低単価・高稼働 というモデルは実現しようが無い為、逆に高単価・低稼働にならざるを得ないというものです。高単価になると、安ければ良いという客層ではなくなるので、とりあえず予約サイトで値段で勝負!というのは長い目で見て通用しにくくなってくるはずです。
また、民泊新法により違法ではなくなったので、堂々と自社サイトを持ってもいいし、名前もテキトーな他と見分けがつかないような名前では無く、ちゃんとした宿として認識出来る名前も増えてくると思います。逆に、高単価な宿になると、他との差別化、ブランディング、自社の魅力を伝えるという意味でも、ちゃんとした名前で、ちゃんとしたウェブサイトを持っていないといけないんだと思います。そういう理由から、民泊の自社サイトからの発信は今後増えてくる思いますよ。
予約サイトで宿を見つけたゲストの約8割が、宿名を検索して自社サイトを訪れるという調査結果もあります。その時にウェブサイトが存在しない、もしくはテキトーなサイトだった場合、自社サイトで予約が発生しないだけでなく、元の予約サイトでの成約率も落ちて来ます。そもそも「駅5分〜 WiFi無料」なんていう名前だと検索にも引っかかってきません。そういう意味でも、今後は民泊であろうと、合法でやっているので、ちゃんとした名前をつけて、ちゃんとした自社サイトを持っている所が生き残っていくんだと思います。
自社サイトの重要性については下記記事でもわかりやすく解説していますので、参考にどうぞ!
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元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。