公開日: 2022年6月28日
最終更新日 : 2022年11月15日
楽天トラベルの新しいインバウンド向けサイトが2022年7月4日にリリースされます。今後のインバウンド再開に向け、サイトを刷新して集客を図っていくという方針です。楽天側からも頻繁に登録案内が届いていますが、果たして今急いで登録する必要があるのでしょうか?本日はそのあたりを深掘りしていきます。
楽天 新インバウンドサイトとは
楽天トラベルが推し進める新しいインバウンド向けの予約サイトの事
今後はインバウンドは新しいデザインにして、国内サイトとは別で集客を図っていくという事です。
現時点でも管理画面にインバウンドに販売する場合に✔を入れる箇所があります
ここと切り離して、インバウンド専用の管理画面を作成して管理していくものです。
在庫も料金もこれまでの管理画面とは別となる為、サイトコントローラーに新たに接続する必要があります。
簡単にいうと、インバウンド用の新しいOTAをつくりました!というイメージです。
それに伴い、現行のインバウンド販売画面は閉鎖されます。
現行インバウンドサイト ※予定 サイト直販売:7/3(日)まで販売可能、7/4(月)以降販売終了
提携先販売:7/4(月)以降も販売可能
新インバウンドサイト ※予定 7月4日(月) リリース
現時点で接続出来るサイトコントローラーは
- TLリンカーン
- 手間いらず
- ねっぱん
- らく通
という事です。他は追って対応していくそうです。
急いで登録する必要は無い理由
リリースがまもなくという事もあり、楽天側からは頻繁に料金在庫を登録するようメール、電話で案内が来ます。
ただ、そこまで急いで登録する必要はないと思っています。
その理由を以下で解説します
①リリース直後は不具合が多い
これが急ぐ必要が無い最も大きな要因です。どんなシステムもそうですが、リリース後はしばらくは不具合が続きます。
今回のインバウンドサイトも初期は様々な不具合が予想されます。具体的には在庫が連動せずにオーバーブッキング等も想定されます。
というか、不具合のテストが今回の趣旨でもあるように感じられます。
だからこそ
登録期限を設ける
↓
テストする為の 想定の数に達しない
↓
期限延長
という事になっているものと思われます。そうでなければわざわざ期限を設ける必要もありません。
不具合に振り回される可能性を考えると、急いで登録する必要はありません。
多くの施設の不具合の上に成り立つであろう安定したシステムを利用するというのも選択肢です。
②インバウンド予約がそもそも無い
次の理由は、現段階でインバウンド予約がそもそも無いという点です。
インバウンド全盛であれば、多少の不具合を受け入れて登録・販売を急ぐのもありですが、ご存知のように現時点ではまだインバウンドの個人旅行は解禁されておらず、添乗員付きの旅行が少し始まった程度。急いで楽天の新しいインバウンドサイトで集客するほどのものではありません。
インバウンドが戻ってくる頃にはBooking.comやAirbnbで集客が可能です。楽天がインバウンドという土俵で両者に勝てるとも思えない為、急ぐ必要は無いのです。
楽天側に確認したところ、新インバウンドサイトで販売されるのは旧インバウンドサイトで販売されていた国々(主に台湾、韓国、中国等)という事ですので、楽天でこれまであまり入っていなかったインバウンド予約が新サイトになったからといって劇的に増えるというものでもなさそうです。
③繁忙期で忙しい
どの施設もこれから夏に向かって非常に忙しくなってきているかと思います。そんな中、システム不具合でオーバーブッキング等を起こしたら現場が混乱します。
現場が忙しい中、
- 不具合の可能性が高く、現場が混乱する可能性がある
- インバウンド予約は見込めない
そんなメリットが少なく、デメリット多めな作業に費やす時間は無いと思うのです。
リリースするなら、コロナど真ん中でどの施設も暇な時期にしてほしかったですね。
国内・インバウンドサイトの統合
現在の国内版も今後はインバウンドサイトに統合していくとの事ですが、すぐに統合せずに予約数の少ないインバウンドを先に走らせる点からも、テスト感が伺えます。
インバウンドサイトで不具合がなくなってから、数の多い国内版を移植していくはずですが、それもいつになるかはわかりません。
というのも、楽天トラベルのサイト刷新が発表されたのが2018年。海外OTAに似たシンプルなサイトにすると発表されていましたが、4年以上経った現在もまだ刷新は行われていないのです。
発表された新サイトの例
楽天トラベル新サイトが創る新しい旅行体験 2018/03/07
まだしばらくは
国内は楽天・じゃらん等の国内OTA
インバウンドは海外OTA
で集客しても問題は無いものと思われます。
新インバウンドサイトに登録するメリット
期限までに新サイトに登録するメリットは
- 初期登録の一部を楽天側が代行してくれる
- 施設紹介ページに掲載
という点との事です。
初期登録はプラン作成等、ほとんどは自社で行う必要がありますが、若干の簡単な作業を楽天側で少しだけお手伝いしてくれるそうです。(直接確認済)
施設紹介ページへの掲載は、セール参加時に紹介ページに掲載されるイメージかと思いますが、そもそも今インバウンド来れないので、紹介してもらっても。。。というところです。
期限までに登録しなくても販売ができなくなるわけでは無い為、やはり今急いで登録する必要は無いのかなと感じました。
楽天トラベル 新インバウンドサイトまとめ
- 新しいサイトは不具合が多い
- 新サイトは不具合テストの位置づけ
- インバウンド予約自体まだ少ない
- インバウンドは海外OTAで集客可能
- 夏で現場は忙しい
- 国内・インバウンドサイト統合はいつになるか不明
以上から、新インバウンドサイトは急いで登録する必要はないかと思われます。
実は多くの施設はこれに気づいていて、登録が非常に少ないが為に、楽天側も電話で何度も何度も登録をプッシュしてくるのでしょう(当ブログを書いている間にも2回、登録を急かす電話がありました)
ではいつ登録するかというと
- 夏が終わって現場にも余裕ができ
- 多くの不具合が出尽くして
- システムが安定して
- インバウンドが戻ってきて
- 新サイトでインバウンド集客多い!
という話を聞きはじめてからでもよいかなと思われます。(来ないかもしれない)
以上、楽天側にみつかったらクレームが来そうな内容をお届けしました。
これが多くの施設の本音かもしれません。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。