公開日: 2019年8月12日
最終更新日 : 2019年8月18日 クチコミ、気にしてますか?ウェブ上のクチコミはゲストの予約決定に大きな影響を及ぼすので、結構クチコミ対策を気にされている宿泊施設も多いかと思います。今日はそんなクチコミのトレンドと注意点についてご説明致します!
各サイトのクチコミ数
クチコミというと、皆さん予約サイト(OTA)のクチコミかトリップアドバイザーのクチコミしか見ていないかと思いますが、実は世界のトレンドは大きく変わってきているのをご存知でしょうか。
世界的なクチコミの数は現在このようになってるのです。
サイト別クチコミ数
単位:100万
参考)The 2019 Hotel Reputation Benchmark Report is Here!
既にGoogleが数で他を圧倒しているんですね。Googleのクチコミというのは、Google マップ等でホテルを見た時にホテルと紐付いて掲載されているこんな感じのクチコミです↓
適当に那覇市内のホテルで検索したので、ホテル名と投稿者名は黒塗りにしてあります。1週間前のクチコミなので、結構ゲストは利用しているんだなという印象ですね。
この投稿はGoogleアカウントと連動しているので、Googleアカウントにログインしていないとクチコミは書けないのですが、逆を言えばアカウントさえあれば宿泊していなくても書く事が出来るのは微妙な所です。
予約サイトの場合は実際に宿泊した人にのみクチコミ用のリンクが送られてクチコミをかけるので信憑性という意味では予約サイトに軍配ですが、ゲストはそんなの知らないし気にしてないかと思われます。よって、Googleを無視するわけにはいかないのが現在のトレンドです。
現在のクチコミ数は分かった。ではこのクチコミ、昨年と比べた場合に各社どの程度伸びたのかというのがこちらです。
クチコミの増加率
参考)The 2019 Hotel Reputation Benchmark Report is Here!
これまた面白いグラフになりました。Googleが去年から今年にかけて一気に伸ばして首位を獲得。Googleがトップになったのは2019年からなんですね。
そしてクチコミで有名なトリップアドバイザーはまさかのマイナス!!クチコミ数が前年から20%も減るってどういう事なのかよくわかりませんが何かが起こっているのでしょう。
こういった具体的な数字を見ると、未だにトリップアドバイザーに注力している宿泊施設は時代に乗り切れていないという事かもしれません。
クラス別のクチコミ点数
他にも、クラス別のクチコミ平均点数等も掲載されていました。
ラグジュアリー
(超高級リゾート) |
4.5 |
デラックス
(高級ホテル) |
4.3 |
アップスケール
(ちょっと良い感じのホテル) |
4.2 |
ミッドスケールバ
(ビジネスホテル) |
4.2 |
バジェット
(アパートホテル) |
4 |
エコノミー
(ゲストハウス等) |
3.8 |
参考)The 2019 Hotel Reputation Benchmark Report is Here!
カッコ内は当サイトにて追記
クチコミ点数が10点満点の予約サイトは数字を2倍にして計算して下さい。
ご自身の施設のクチコミがこれ以下の場合は要注意!平均以下という事です。
ちなみに民泊は新しい形態だけにどこに属するかは各宿によって違うかと思います。
一棟貸しのお高め民泊なら「アップスケール」、アパートの一室なら「バジェット」あたりになるかと思います。
クラス別の返信率
クチコミに対してどの程度返信しているのかという返信率まで調査されていました。
参考)The 2019 Hotel Reputation Benchmark Report is Here!
概ね4割前後が返信しているのですが、エコノミーに関しては一気に返信率が下がります。最低限の人員で回して忙しいので返信なんてしてられないのだと推測。逆を言えば、返信さえすれば他との差別化になるかもしれません。
クチコミへの返信はクチコミを書いた人に対しては何の効果もありませんが、後々そのクチコミを見る人に対しては誠実さのアピールや、改善しようという姿勢を見せる事が出来て成約率アップが期待出来ます。
全てのクチコミに返信するのが難しい場合は、悪いクチコミに対してのみフォローの意味で返信すれば大分印象が変わるので覚えておいて下さい。
民泊のクチコミの問題点
民泊って結構自社サイトを持っていない宿も多いですよね。名称も「●●駅徒歩●分 Cozyなんとか Wifi無料」という感じで、どの宿なのか特定出来ない所が多い。元々民泊自体が違法なものだったのでバレるのを回避する為の苦肉の策だったのですが、現在ではAirbnbを始め許認可番号が無いと掲載出来ないサイトが多くなっています。特定し難い名称は覚えてもらえない上に自社サイトも作れないし、ひいてはGoogleにもひっかからずクチコミ云々どころでは無いかと思います。デメリットの方が大きいかと思われ。
あえて隠れ宿みたいなブランディングなら良いのですが、今後はちゃんと覚えてもらいやすい名称にして自社サイトもしっかり作り込んでGoogle (Map)に認識してもらう方が良いのでは無いかと思う次第です。
クチコミと合わせて検討したい
クチコミと合わせて大きな影響力を持つもう一つのGoogleサービスがGoogle Hotel Adsと言われる比較サイトです。ホテル名で検索した時に検索結果の右側に表示されるこんなやつです↓
こちらもトリップアドバイザーが同様のサービスを行っていますが、今やGoogle Hotel Adsからの流入の方が多いので無視できない存在となっています。
ご覧の通りOTAの比較サイトなのですが、ここに自社サイトを乗せるサービスが最近増えてきています。上の画像の比較一覧に「公式サイト」とありますが、こんな感じで自社サイトに誘導出来るんです。この場合も、施設名称で検索されるのが前提なので、民泊に多いヘンテコ名称では話になりません。やはりちゃんとした認識出来る名称をつけるのは必須だと思います。
こういったサービスは色々なものがあるのですが、最近「メトロブッキング」というサービスが沖縄のホテルにも結構営業に来ているようです。手数料4%なのでOTA経由よりは大分お得になりますが、メトロブッキングさんは聞いた所によると初期費用20万円で、対応サイトコントローラーが手間いらずとTLリンカーンのみなので、小規模施設には手を出し難いかもしれませんね。
ねっぱんやBeds24あたりに対応する同様のサービスが出てくる事を祈っております。
クチコミトレンドのまとめ
ごちゃごちゃしてきたので、クチコミのトレンドをまとめるとこんな感じになります。
- トリップアドバイザーの時代は終わり、Googleのクチコミが重要になってきている
- 今後はその傾向がさらに加速していく
- 全体的に6割の宿泊施設はクチコミに返信なんてしていない
- 忙しい場合は悪いクチコミに対してだけでも返信すべし!
- 宿泊施設名称はちゃんとしたものをつけて自社サイトを作製してGoogleに認識してもらおう!
- 合わせて自社サイトをGoogle Hotel Adsに掲載するのも今後のトレンド
という感じです。ご参考にされて下さい。尚、トリップアドバイザーは存在感が無くなって来ているとはいえ、まだまだ多くのアクセスを持つサイトです。完全に無視しろという意味では無く、どちらかに注力するならGoogleですよという意味です。トリップアドバイザーも合わせて注力出来るならその方がより効果的ですので、誤解しないようご注意下さい。
尚、紹介したデータは下記リンクよりダウンロード可能です。他にも面白いデータが紹介されていますので、ご興味ある方はどうぞ!
参考)The 2019 Hotel Reputation Benchmark Report is Here!
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。