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パリティなんて古い?宿泊施設運営にまつわる都市伝説を徹底検証!

最終更新日 : 2019年10月1日 宿泊施設運営の専門用語に「パリティ」という言葉があります。一言で言うなら、予約サイト間の「販売価格差」の事。複数の予約サイトで販売している場合に、予約サイト間での販売価格に差をつけずに統一して販売する事を「パリティを合わせる」等と言ったりします。最近このパリティという考えがもう古いという噂を耳にする事があるのでそれについて詳しく検証してみたいと思います。そんな話を聞いた事があるという方はご一読下さい!

 

パリティとは

 

上記でも簡単に説明していますが、パリティとは、複数の予約サイトで販売する場合の予約サイト間の価格差の事をいいます。トリップアドバイザーなんかで簡単に確認する事ができますね。グーグルで宿泊施設名を検索した場合に右側に出てくるOTA価格比較も同様です。

 

電化製品を購入する場合なんかに価格ドットコムで価格を比較出来るのと同じです。同じ商品であれば少しでも安いところで購入出来る方がいいので、比較サイトを利用するゲストは多く存在するものと思われます。

 

このパリティを合わせるのがもう「古いですよ!」というのを最近ちらほらと聞くようになりました。ただ、よくよく聞いてみると、ある特定の一社のみがパリティ合わせるのは古い古いと言い回っているようです。それを聞いた宿泊施設が「パリティって古いんですか?」と拡散するのであちこちで聞くような印象を受けますが、元をたどると例外なくある一社が言ってましたとなります(笑)しかも、「パリティは古い!一社に注力する方が効果がありますよ!なのでうちに最安値を下さい!!!」という営業トークだそう。以下この一社をパ社と呼びます。

 

パリティという考えは古いのか?

 

そこで本題のパリティを合わせる事はもう古いのかという点についてです。色々な考え方があるので、多くの意見を参考に最終的にはご自身で判断して頂きたいのですが、マイズみんぱくとしてはパリティを合わせる事は以下の理由から必要だと考えています。

 

まず、宿泊施設運営では大きく3者の利害が絡んできます。宿泊施設、ゲスト、予約サイトの3つです。この3者の視点に立ってパリティを崩すとどうなるかを見てみましょう。

 

ゲストにとって

ゲストにとってはパリティが崩れていると、安いサイトから予約します。同じ宿泊施設であれば安い方から購入したいと考えるのが普通です。パリティがあっていればお気に入りの予約サイトで予約するでしょう。ただ、その宿泊施設を予約するかどうかは、パリティが合っているか合っていないかという事よりも、宿泊施設に魅力があるかという点と、相場と比較してその料金が魅力的かどうかというのが重要なのです。パリティがずれて一社を最安値にした所で、近隣宿泊施設の価格に対して、その価格に競合力がなければ意味がありません。競合は他予約サイトでは無く近隣宿泊施設だという事を認識しましょう。よって、ゲストにとってパリティは関係ありません。

 

予約サイトにとって

予約サイト側にとって、パリティを崩して最安値をもらうのは実は一番手っ取り早くて楽な方法です。他社よりも自分のとこだけ安ければ、多少サイトの使い勝手が悪くても価格で勝負出来るので、最安値をもらう為にそりゃパリティは古いって言いたくもなります。自社の事だけ考えれば、「パリティは古い!うちだけ最安値ちょうだい!」っていう方が楽なんです。

 

宿泊施設にとって

では宿泊施設にとってはどうでしょうか?まず、パリティをずらして一社にのみ最安値を出すと、当前ですが、その一社からの予約が爆増します。当たり前です。では他OTAはどうかというと、価格競争力が無くなって当然予約が激減します。掲載ランキングも大幅に落ちます。

 

宿泊施設にとっては、トータルで予約が増えていればいいという考えもあるのかもしれませんが、一社で予約が増えても、他が減ってトータルではマイナス、良くてプラスマイナスゼロに落ち着くかと思います。

 

百歩譲って他社からの予約が減っても一社が大幅に増えた為にトータルでプラスになった場合はどうでしょうか。その場合、予約の流入比率がいびつになっているはずです。一社からの予約が80%で他数社合わせて20%といった具合ですね。ビジネス的に言えば一社に頼りすぎるのはリスク分散の面から良い戦略とは言えません。「卵は同じカゴに入れるな!」ですね。その一社に何かあった時に立ち直れません。

 

別業界の例でいうと、アパート建築のレオパレスで複数アパートを建築していた人は破産ですが、レオパレスと大東建託、東建コーポレーションで分散して建築していれば、どうにか持ちこたえられるという感じでしょうか。

 

よって、宿泊施設にとってもパリティをずらして一社に肩入れするのは良い選択とは言えません。

 

それでも強行してパリティを崩した結果どうなるか

 

恐らくですが、パ社の言い分は「一社に注力した方が売れる→ランキングが上がる→さらに売れる」というサイクルが回りやすいという事かもしれません。予約サイトのランキングアルゴリズム的に「売れる→ランキングが上がる」は正しいので、「そうか、パリティは古いのか」と納得させられてしまいそうです。特に民泊のような部屋数の少ない宿泊施設はホテルとは違って一日の売れる数が限られてくるので戦略的に行う必要がありそうです。

 

もし「一社注力型ランキングアップ法」をそ狙うのであれば、パリティを崩すでは無く、「他社を売り止めにする」が正解です。他で売らずに一社でのみ販売するんです。そうする事で、当然ですが、販売可能室数の全てを一社で売れるので、この方法が最もその一社でランキングを上げる方法になります。

 

パリティを崩してしまうと、料金の高い予約サイトで予約が入らない、キャンセル率が高くなる等、注力していなサイトでのランキングにかなりの悪影響が出てしまい、いざその予約サイトに注力しようと思った時に、もう這い上がれない位にランキングを落としてどうしようも無い状態になっている可能性が大なのです。そういう意味からも、一社に注力するのであればパリティを崩すのでは無く、他では売らないという方がまだ懸命です。

 

ただ、そうしてしまうと一社でランキングは上がりますが、全室売り切れないはずです。だからこそ複数予約サイトを利用しているはずですからね。本末転倒です。

 

まとめると、

 

  • ランキングを上げる為にパリティを崩して一社に注力する = 他サイトでランキングが落ちて予約が減る = トータルで予約が減る

 

仮にうまくいっても、

 

  • リスク分散の面から良くない状態になってしまう。

 

なのです。

 

パリティなんて古い!という予約サイトは、サイト自体に魅力が無いので、価格でしか勝負出来ないサイトなのかもしれません。価格しかアピールポイントの無い予約サイトの顧客は価格しか見ないゲストで、最もクレームが多い類のゲストの可能性があります。後で苦労しそうですね。。。

 


 

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