公開日: 2024年8月8日
最終更新日 : 2024年8月8日
Booking.comとAirbnbが2024年の第2四半期(4-6月)決算を発表しました。両社の最新の経営状況はどうなっているのか!?株価への影響はどうなるのか? 将来的な宿泊業界を見通す上で重要な指標になってきます。本日は両社の最新決算を昨年同期比と比較して伸びを見てみたいと思います
比較対象
Booking.comは単体では業績を公表していない為、Booking.com、Agoda等を含むBooking Holdings全体の数字となります。
Booking.comとAgoda以外はシェアがわずかである点と、Booking.comとAgodaは内部でつながっているので結局同じ。わかりやすくする為に今回はBooking.comとして表記しています
$1=¥140円換算で円に直して表記しています
【売上 Revenure】単位 億円
Bookingが前年同期比7%増加
Airbnbは10%の増加です
この規模になってもまだまだ成長を続けるのは驚異的です。
Bookingの方がAirbnbの倍以上の数字となっています
【純利益 Net Income】単位 億円
利益はBookingは18%増
Airbnbは15%減という結果に
Bookingが売止の+7%に比べて利益が多きくなっているのは為替差益、その他収入、金利・配当収入等が寄与している為です。
Airbnbが大幅に利益を減らしているのは「昨年は特別な税金の調整で一時的に利益が増えた一方、今年はその影響がなくなり、通常の税金支払いが戻ってきたため、純利益が減少した」と記載があります
ともに理由があっての一時的な増減です。経営の結果両社の業績が全く真逆になったという分けではありません。
特別な理由がなければ両社同等の伸び率を記録していたでしょう
【販売泊数】単位 万
宿泊予約サイトですのでどれくらいの泊数の実績があったのかという指標も重要です。
Bookingが2億8,700万泊
Airbnbが1億2,510万泊
両社同じくらいのイメージだった方もいらっしゃるかもしれませんが、Bookingの方が2倍以上の実績です
地域別で違いはあるかと思いますが世界全体で見るとまだまだBookigの強さが伺えます
伸び率的にはAirbnbの方が若干伸びていました。
【フリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)】 単位 億円
フリーキャッシュフローは両社ともに11%の増加
現金を多くもっている事で経営の打ち手も増えます。
Bookingの方がAirbnbよりも5倍お金持ちのようです
【株価】 2024年 8月8日時点
世間が見る目はどうなのか。株式市場から両社の株価の動きを見てみます。
Booking
Airbnb
両社共にここ数日の株式市場全体の大暴落の煽りを受けて大幅に下げています。マーケット要因によるところが大きい為あまり参考にはなりません
暴落前までの傾向をみると
Bookingは上昇傾向
Airbnbは横ばい
という感じでした。
Booking.comとAirbnbの2024年Q2決算比較
売上(Revenure)
- Booking.com: 前年同期比7%増加
- Airbnb: 前年同期比10%増加
純利益(Net Income)
- Booking.com: 18%増加
為替差益、その他収入、金利・配当収入が寄与
- Airbnb: 15%減少
昨年の特別な税金調整が影響
販売泊数
- Booking.com: 2億8,700万泊
- Airbnb: 1億2,510万泊
フリーキャッシュフロー(自由に使えるお金)
- Booking.com: 11%増加
- Airbnb: 11%増加
Bookingの方がAirbnbよりも5倍多くの現金を保有
株価(2024年8月8日時点)
- Booking.com: 上昇傾向
- Airbnb: 横ばい
両社共に最近の株式市場全体の大暴落の影響で大幅に下げ
総括
- Booking.comは売上、純利益、販売泊数、フリーキャッシュフローでAirbnbを上回る
- Airbnbは売上の伸び率でBooking.comを上回るが、純利益は減少
- 株価は市場全体の影響で大幅に下落しているが、Booking.comは上昇傾向、Airbnbは横ばいだった
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。