公開日: 2024年4月24日
最終更新日 : 2024年4月24日
「実は今月でホテル辞めるんです」とあるホテル担当者の言葉だ。激務でやってられないのだとか。実はこのような話は過去に何度も聞いたことがある。今日はそんなホテルスタッフが辞める、とある理由についてスポットを当ててみます。辞めてしまう前に早めの対策を!
ホテルスタッフ退職理由
辞める方から話を聞いてみるとこうだ
- そのホテルは夜間無人ホテル(昼間はフロントスタッフがいて、夜になると無人)
- 夜の対応は基本電話とメッセージ対応
- 夜間はスタッフが持ち回りで会社携帯に電話を転送し対応
しかも残業代や深夜勤務代は出ない。つまりスタッフは帰宅後も常時電話が取れる体制で、場合によってはホテルに駆けつける必要がある。夜間はタダ働きの24時間勤務です。はっきり言って、違法です。
スタッフが多数いれば夜間の電話転送も持ち回りで対応できるので、対応も週に1,2日程度になるでしょう。それならまだ許容できるとしても、小規模ホテルではスタッフは少ない。私が話を聞いたホテルも、当初は3名だったので週に2日程度だったのが、一人辞め、また一人辞めとなり、最後の3ヶ月はたった一人で毎日夜間電話対応をしていたそうです。そりゃ激務で辞めてしまいます。
激務による負の側面
そんな状態が続くと何が起こるか。スタッフは予約が増えると忙しくなるだけで給与は増えない。そうなると意図的に宿泊料金を高くしたり、一部サイトのキャンセルポリシーを特別厳しくしたりして(表向き分かりにくくして)予約が少なくなるように設定します。だって忙しくても給料あがらないんですもの。しかも予約が増えると無給の深夜対応も増える。やってられません。
経営者は経費削減のつもりがそもそもの売上が下がって、利益も出なくなる。
それが続いた先に従業員の退職があったり、急にスタッフと連絡が取れなくなったりして慌てだすのです。 実際にある日突然スタッフに連絡がつかなくなって慌てるオーナーにも会った事があります。
無人運営の闇の側面です
小規模な宿を運営する際には人件費削減は重要ですが、削減する場合には
「夜間時間帯の対応をどうするか」
これを必ず考えるようにしましょう。そうでないと意図的に予約を減らされ、売上が下がった上で退職されて詰みます。そうなる前に対策を!
対策方法
対策は2つ。規模拡大か外注です。
規模拡大
小規模ホテル1つだと、スタッフを何人も雇用すると人件費でパンクしてしまいます。
ホテルが複数あれば数人雇用して、夜間対応を手当を払って数名で持ち回りすればどうにか回ります。電話対応やメッセージ対応は遠隔で一人で回せるので、ホテルの数は多ければ多いほど利益率が良くなります。
外注
規模拡大がすぐに難しい場合は運営代行会社に委託すればこの問題は解決します。
手数料がかかりますが、代行会社の手数料は売上連動型なので、意図的に予約を絞ったりする事はありません。全力で売上をあげにかかります。
下手に自社スタッフに任せて売上を抑制されるより、手数料を差し引いてでも代行会社に任せた方が手残りが多い事もあります。特に自社スタッフがウェブ販売にあまり詳しくない場合は代行会社に任せる方が遥かに大きな売上になる事もあります
自社の置かれた立場からどちらにするか検討してみてはいかがでしょうか
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。