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航空便の運航率から未来の需要を先読み!プロの予測をうまく利用すべし

最終更新日 : 2022年2月10日

本日は宿泊需要の先読みについて。通常であれば、前年同月を参考に需要を予測して料金を決めるかと思いますが、ここ2年程は前年の数値が全く参考にならなくなっているのは周知の通りです。そこで、需要を予測するのにプロの手を借りてしまおうという発想です。ご自身で値決めをしている方は参考になるでしょう。

沖縄県入域観光客統計

当ブログでもよく取り上げている統計で、「入域観光客数」というのがあります。

【暦年】令和3年入域観光客統計概況(令和4年1月25日)

県が発表するもので、非常に正確で信憑性が高いのですが、発表が翌月末となる為、過去の振り返りには利用出来ても将来の予測には利用出来ません。

例えば、昨年12月までの数値が1月末に下記のように発表されたのは皆さんもご存知かと思います。

  • 2021年の観光客数は、301 万 6,700 人
  • 対前年比 △71 万 9,900 人、△19.3% 

これだと、

「去年は一昨年より厳しかったね。」

「グラフを見ると後半は大分回復傾向だったね」

で終わりです。

この先どうなるかという情報は含まれていないのです。

航空旅客輸送実績

もう一つ似たようなデータで、航空旅客輸送実績 というものがあります。

入域観光客数同様、過去のデータがエクセルでダウンロード可能です。

これも県が発表する数値で、旅客機の運送実績、提供座席数が公表されています。

航空機マニアくらいしか見ないんじゃないのかというマニアックな資料ですね。

このデータも過ぎたデータなので、将来を示すものではありません。

入域数x提供座席数

入域観光客と航空旅客輸送実績の2つの数をグラフにしてみました。

沖縄だと旅客機が観光客を運んで来るので、当然ですがリンクしています。

相関係数は0.79で統計学的には「かなり強い相関がある」に分類されます。

ここで注意したいのは、

座席数が増える→観光客が増える

では無く、

観光客が増える→座席数を増やす

が正解です。

逆に観光客が減れば、座席数も減らされます。

航空会社は需要の動向を見ながら座席数を調整しているのです。だからこそ両者には相関があるのです。

これが観光客がいないのに便を増やしたら大赤字になりますし、観光客が多いのに便を飛ばせていなかったら大きな機会損失です。需要と便数をマッチさせるのは航空会社の収益のキモとなる部分なのです。

間違いなく、しっかりとしたデータアナリストが社内にいて、需要動向を元にどれくらいの便を飛ばす、飛ばさないというのを解析しているはずです。

運航率を参考にしてみる

紹介した数字は両者共に過去の数字で、公表までにタイムラグがあります。素人が見ても先の予測なんてたてられません。

そこで、プロのデータアナリストが需要を予測して、決定、公表している運航率を参考にするという方法があります。

運航率とは、計画していた便数に対してどれくらい運航するのかという指標

例えば、航空会社が需要予測を立てて、3月は100便飛ばします! と発表したとします。

これが、2月末に蔓延防止措置が延長されたので、20便減便します。

となった場合、運航率は予定の100便のうちの80%となる為、運航率は80%となります。

他にも「定時運航率」等もありますが、それはまた別の指標です。

今回参考にするのは年度計画比の運航便の割合である運航率ですのでご注意ください。

具体的には下記のように減便、増便があるごとに報道されます。

日本航空は2月9日、国内線を減便すると発表した。2月15日から28日まで36路線170便を追加するほか、新たに3月1日から17日まで82路線3971便を減便する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によるもので、2月の運航率は1ポイント悪化し67%に、3月の期間中は72%となる。

JAL国内線、3月に82路線3971便減便 2月運航率67%に

マーケットの動向を見て、当初立てていた予定便数を減らしているのです。まさに、プロが行う需要予測そのものです。これを参考にする事で、今月、来月の先の観光客の動き=宿泊需要がある程度わかるのです。

沖縄だと県外からの観光客はほぼ100%航空便利用の為、この予測が宿泊需要に直結するのです。

事前にこういった予測を参考にしていれば、

「今年のプロ野球キャンプは有観客だからこれからホテル予約が増えるかも!」

等と淡い期待を抱く事無く、「2月は厳しくなるのは確実なので一気に価格を落として稼働を取りに行こう!」という意思決定が迅速に行えるわけです。

ホテルのレベニューマネージャー等、慣れた方ならうまく対応できますが、需要予測はよくわからんという方は、航空会社の運航率を参考に先の料金を変動させてみてはいかがでしょうか。

なんとなくでやるよりも、正確な先の需要が把握できるかと思います。

今すぐGoogleアラート「運航率」を追加して運航率関連のニュースを見落とさないようにしましょう!