公開日: 2022年1月26日
最終更新日 : 2022年1月26日
楽天トラベルで設定出来るポイント還元率が最大10%から20%まで拡大されました。昨年末の改定の為、まだ設定していない施設も多いかと思います。そこで本日は、ポイント20%を設定するメリットと利用シーン、さらには設定する場合の注意点まで開設していきます。
楽天ポイント還元率10%→20%
管理画面にも表示があるのでお気づきの施設も多いかと思いますが、昨年12月22日から、楽天ポイントの設定が最大10%から20%まで拡大されています。
20%ポイントを付与するより20%値引きした方がインパクトがあるんじゃないのか?と思われるかもしれません。確かに予約へのインパクトとしてはダイレクトに値引きした方がいいのですが、ポイント還元には直接値引きには無いメリットもありますので、解説していきます。
ポイント20% 利用シーン
1.出張族狙い
まず代表的なのが出張族狙いのポイント還元です。
出張の場合、一般的にはホテル代は会社が負担します。ただし、楽天ポイントは個人への還元となる為、多少値段が高くてもポイント還元率の高いプランを選んで頂ける事があるのです。
宿泊料を高くすると言ってもいくらくらいに設定するのが適切なのでしょうか。
Google検索で「出張 ホテル代 相場」で検索した上位5つのサイトを調べてみたのが下記となります。
国内出張時のホテル代の相場はいくら?|4つの職位別でみるホテル代の相場
上限額は9,800円程度
8,000~9,000円前後
8,000~9,000円
旅費はどのくらいが相場?経費削減と成果につながる出張費の金額とは
8,700円程
【地方出張】ビジネスホテルの相場と予約するときに抑えたいチェックポイントは?【地域別】
福岡の場合 3,000円~7,000円
役職別に料金は異なりますが、「一般社員」の場合の相場を記載しています。
概ね8,000円〜9,000円が相場のようですが、出張者目線に立つと
「最大の9,000円だと経理部から何か言われるから8,000円くらいに抑えとくか」
となるはずです。
そこで出張者は宿泊代金が8,000円でポイント還元率が最大のホテルを検索するという行動が推測できます。
ホテルとしては、8,000円前後の代金でポイント20%を提供する事でこのような出張族を取り込む事ができるのです。ホテルの利益としては8,000円x80%=6,400円ですが、コロナのせいで平均単価が下落している昨今ではこの金額でも充分利益を確保出来る施設も多いかと思います。
エリアによっては宿泊費を10,000円にしたり12,000にしたりしてもよいでしょう。
検索で下記のような機能も提供されているので露出も増えます。
出張は基本的に平日となる為、平日限定でこのプランを出して、週末や繁忙期は販売しないという形にすれば、さらに良いかと思います。
2. パリティ維持
ポイント20%のもう一つの使い方としては、パリティの維持です。パリティとは、異なるOTA間で販売代金を維持する事を指します。
例えば、楽天トラベルで8,000円 Booking.comで10,000円で販売している事を「パリティが崩れている」という言い方をします。
パリティを維持するメリットは、海外OTA(特にBooking.comとExpedia)の予約向上にあります。海外OTAはGoogle Hotel Adsやトリップアドバイザー等のメタサーチから料金比較データを購入して、パリティの良し悪しを掲載ランキングに反映させています。
パリティが崩れている施設はランキングが下がって予約が減るのです。
そこでパリティは極力維持する必要があるのですが、何らかの理由で楽天トラベルの予約を増やしたい場合等にポイント還元率を大幅に上げる事で、パリティを維持しつつ予約を増やす事が可能になるのです。
「何らかの理由」とは、例えばあまりにBooking.comに予約が偏りすぎていて他OTAの予約を意図的に増やしたい、でもパリティを崩して主力のBooking.comの予約は落としたく無い といったような場合です。
ポイントはメタサーチに反映されない為、パリティを維持する事が出来ますし、他OTAユーザーにはバレにくいので、他OTAからの予約の乗り換えも発生しにくくなります。
3. ADR維持
ポイント20%はADRを維持したい場合にも効果的です。特に高級宿等ではあまり料金を値下げするとブランド価値の毀損になる為、閑散期といえど値下げは極力したくないホテルも多いでしょう。そのような場合にポイントで還元する事でADRを維持しながらゲストへ実質料金を還元する事が可能になるのです。
ポイント20%還元時の注意点
ポイント20%は色々なシーンで利用出来ますが、注意点もあります。
ポイント還元は、景品表示法上の「総付(そうづけ)景品」にあたります。
購入者にもれなく提供されるものの事です。その還元率は下記のように定められています。
取引の価額 | 景品類の最高額 |
1,000円未満 | 200円 |
1,000円以上 | 取引の価額の10分の2 |
今回の楽天トラベルのポイント20%は景品表示法の最大還元率になるというわけです。
その為、ポイントと合わせて他にも何かしらの景品を提供する場合は景品表示法違反となります。代表的なのが、Quoカードを提供する場合等です。
このようなプランでポイント20%としてしまうと、アウトです。
また、オリオンビール付きプランや栄養ドリンク付きプラン等も金額が低いとは言え、これもアウト。
このあたりに注意しながらスポットの需要喚起策としてプランを作成してみてください!
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。