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ホテルと民泊の販売方法の違いとは!? 元OTAが教える両者のターゲット顧客と集客のコツ

最終更新日 : 2021年9月3日

ホテルと民泊(旅館業民泊含む)、同じ宿泊施設でも全く異なる仕様となる為、利用するゲスト層も違ってきます。そうなると当然違ってくるのが販売方法です。そこで本日は、ホテルと民泊の違いから、どのような販売方法が適しているのか、いないのかをご紹介。元OTAで多くのホテルへ販売方法をアドバイスしていた経験と、現在民泊運営代行会社を営む経験から詳しく解説します!

ホテルと民泊の違い 一覧

販売方法を検討するにはまず両者の違いを理解する必要があります。ホテルと民泊の違いを一覧にまとめてみました。

ホテル・民泊 相違点

項目ホテル民泊
部屋数複数1室
宿泊人数少人数大人数
清掃料
キッチン無し付き
洗濯機無し付き
立地都心寄りリゾート寄り
スタッフ有人無人

他にも様々な違いがあるかと思いますが、ざっくり分けるとこのような感じになるのではないかと思います。

ターゲットの違い

設備・仕様が違う為、狙えるターゲット顧客も異なってきます。

わかりやすいところでいうと、

ホテル

  • 立地が良い為、ビジネス顧客から需要がある
  • 清掃費が込みの為、1,2泊の短期ゲストでも宿泊しやすい
  • 1,2名の少人数向けがメイン

民泊

  • キッチン、洗濯機が付いている為、長期のゲストを取り込める
  • 別途清掃費がかかる為、短期の場合割高になる。逆に長期滞在の場合、1泊あたりの清掃費は微々たるもの
  • 長期滞在の多いインバウンドから人気
  • 大人数で旅行する事が多いインバウンドから人気
  • 一棟貸しが多くなる為、都心には少なく、リゾート地に多い傾向=観光客がメイン

となっています。

まとめると、

ホテル→ビジネス、単身・少人数観光客

民泊→長期滞在、インバウンド、グループ観光客

という層がメインターゲットとなります。

これだけ見ても、現在いかに民泊が苦しいかがわかりますね。

販売方法の違い

販売方法にもいくつか違いがありますので解説します。

料金変更

民泊では日が近づくにつれて料金を安くすればOKですが、ホテルで同じ事をしてしまうと、乗り換え予約が起こります。

例えば、2ヶ月前に1万円で販売していて稼働率30%の予約が入ったとします。

1ヶ月を切ってまだ空きがある為、料金を下げたとすると、

民泊の場合は基本的に1室なので,予約が入っていない日だけを値下げする事になるので問題ありません。

これがホテルだと、数十もある客室を値下げする事になるので、既に予約済みの日程でもまだ空きが十分にあります。

それを見た予約済みゲストが以前に取った高い料金の予約をキャンセルして安い方に乗り換えるのです。

そんな逐一料金チェックしているセコいやつなんていないだろうと思うかもしれませんが、それがいるのです!値下げした途端に乗り換えてくる慣れたゲストもいます。毎日料金チェックしているのかもしれませんね。。。

これを防ぐには早期予約ほど料金が安く、近づくほど高くなるレベニューマネジメントが必要になってきます。航空券をイメージするとわかりやすいですね。

口で言うのは簡単ですが、実際に競合の多い宿泊施設でこれをやるのは至難の技です。さらにはコロナでマーケット料金がグチャグチャになって昨年の料金が全く参考にならない昨今はなおさらでしょう。差別化のできない施設では非常に難しくなりますが、うまくやれば収益を最大化できるでしょう。

人数売り

「人数売り」とは、人数によって料金を変更する販売方法です。

逆に人数によって料金を変更しない売り方を「部屋売り」といいます。

これもホテルと民泊では勝手が違います。

ホテルだと例えばダブルの部屋ならベッドが一つなので、1名で宿泊しても2名で宿泊しても違いはせいぜいタオルとアメニティくらいでしょう。その為、1名、2名同一料金で販売しているホテルも多くなります。

これが民泊だとだと多いと10名くらい宿泊出来る施設もあります。そんな施設で部屋売をしてしまうと、常に10名料金で販売する必要がある為、非常に高額になります。10名で泊まれば1名あたりは安くなるのでしょうが、コロナで密が避けられる昨今、そんなグループは稀です。

そういった機会損失を避けて少人数でも取り込めるよう人数売りを採用している民泊が多くなります。

例えば、

  • 1〜4名 20,000円
  • 5名以降は1名増えるごとに追加5,000円

といった具合です。

これだと、

  • 5名の場合は 25,000円
  • 10名の場合は 50,000円

となり、中規模グループから大人数まで適正料金で取り込めます。

ホテルでもツイン、トリプル、ファミリータイプでは同様に人数料金を採用していますが、民泊の方がより顕著です。

追加人数設定の上限

この人数売りですが、OTAによっても設定出来る人数に上限があります。

民泊向きと言われるAirbnb等では追加人数代金を大人数まで設定出来るのですが、楽天じゃらんはそれぞれ5名、6名までしか設定が出来ません。上限以上の人数は最大人数の単価が追加されていきます。

例えば下記は楽天トラベルの管理画面ですが、6名以上は設定が出来ない為、1名増えるごとに設定可能な5名料金と同じ5,940円が追加されるという事になります。(サイトコントローラー上は3,500円で設定している為、AirbnbやBooking.comでは最大収容人数まで1名追加は3,500円)

※料金は一名あたり料金

これが理由で大人数を収容出来る施設は、楽天トラベル、じゃらんだと割高になってしまい、あまり予約が入りません。

清掃費

また、楽天トラベル、じゃらんはもともとホテル向けに開発された事もある為、清掃料という概念が無く、設定自体が出来ません。

その為、民泊の場合は清掃料を含んだ料金を設定する必要があるのですが、そうすると泊数が増えると清掃費も泊数分かかってきます。長期滞在向きなのに長期ゲストに優しくない矛盾をかかえてしまいます。

また、人数関係無く料金が統一の「部屋売り」なら楽ですが、人数売りだと人数ごとに清掃費を按分計算してそれぞれに入力する必要がある為、とんでもない手間になってしまいます。それが理由で民泊を部屋売りにしている施設も多いでしょう。

そうしてしまうと、楽ではありますが、先に説明したように大人数以外の中規模グループには割高になってしまい、予約の取り込みがしにくくなります。

そういう意味からも楽天トラベル、じゃらんは民泊にはあまり向いていないのです。OTA側もあまり力を入れていない為、予約の入り具合もあまり良いものとは言い難いでしょう。

人数売りで清掃費をうまく入力するコツについては過去に解説していますので参考にどうぞ

【裏技】Airhostで楽天トラベル・じゃらんに清掃費を反映させる方法

OTAアカウント

OTAのアカウントにもホテルと民泊の違いがあります。

民泊は元々1棟貸しが多い為、1施設1アカウントが基本ですが、ホテルには複数の部屋があります。通常は1つのアカウントで複数の部屋を販売していくのですが、民泊専門の運営会社は部屋数分のアカウントを作成して、1室づつ販売している代行会社さんがあったりします。

これは、元々が民泊最大手のAirbnbが1室1アカウントだった為にそうせざるを得なかった頃の名残りなのですが、現在ではAirbnbでも1アカウントで複数の部屋を販売可能です。サイトコントローラーもそのように販売出来る仕様に変わってきています。

1室づつ別アカウントで販売すると予約とクチコミが分散してしまい、OTA内でのSEO的に悪い影響しかありません。手間もかかって大変です。

OTAの掲載ランキングは基本的に売れている施設が上位掲載される為、複数の部屋があるホテルタイプの場合は、全ての部屋を同じアカウントで販売する事で、予約を集約して上位掲載を狙う事が出来るのです。

OTAの向き不向き

以上ご説明した点と、OTAの知名度、集客力を総合的に考慮すると向き不向きは下記になります。

  • 民泊(旅館業民泊含む)→ Airbnb、Booking.com
  • ホテル → 楽天トラベル、じゃらん、Booking.com、Agoda、Expedia

もう少し詳しくOTA別に解説すると下記

Airbnb

民泊では最も集客力がある。

近年はホテルの掲載も増え、集客可能。最近は複数在庫の登録が出来るサイトコントローラーも多く、ホテル集客でも主力たりうるOTA

Bookingl.com

民泊、ホテル共に集客可能。インバウンド、国内ゲストのバランスも良く総合型

楽天トラベル

ホテル向けOTA。国内ゲストの集客ではNo.1

プラン作成、セールへの参画を頻繁に行える作業量を確保出来れば予約が増える

じゃらん

ホテル向けOTA。

楽天トラベル同様、プラン作成、セールへの参画を頻繁に行う必要有り。

良くも悪くも広告を最大限活用出来る大手にとっては力強い集客源

掲載写真を規定の5枚以上掲載するには別途サポートパック(月額3万円)に加入する必要がある等、中小ホテルにはお財布的に厳しいOTA(しかもサポートパックは途中解約不可!)

Agoda

インバウンドに強い為、コロナ中はあまり集客が期待出来ない。

日本人ゲストも若干いるが、Booking.comと連携しており、Booking.com経由でAgodaゲストにリーチ出来る為、個別で販売しなくてもOK

Expedia

ホテル向けOTA。以前は旅館業があれば一棟貸しも掲載できたが、現在は一棟貸しは姉妹サイトVrboを案内される

大手ホテルに的を絞って運営している印象があり、中小ホテルの集客はあまり期待出来ない。

まとめ

ホテルと民泊を比較してきましたが、最近ではその中間に位置するアパートホテルも増えています。1,2名がメインで都心にありつつキッチン・洗濯機付きのコンドミニアムタイプです。

それも含めて一覧にしたのがこちら

項目ホテルアパートホテル民泊
部屋数複数複数1室
宿泊人数少人数少人数大人数
清掃料込・別
キッチン無し付き付き
洗濯機無し付き付き
立地都心寄り都心寄りリゾート寄り
スタッフ有人無人無人
ターゲット短期滞在
ビジネス
観光客
短期滞在
長期滞在
インバウンド
ビジネス
観光客
長期滞在
インバウンド
観光客

アパートホテルは販売方法もホテル、民泊の両方を参考にする必要があるでしょう。そうする事で両者のいいとこ取りが出来ます。

以上を参考にして施設タイプに適した販売方法を決めてみて下さい!