最終更新日 : 2025年8月19日 宿泊業界に今後来る流れとして、大手不動産デベロッパーの参入がある。事実、弊社にも複数の大手デベロッパーからコンタクトがありました。今日は今後のホテル業界における不動産開発デベロッパーのあり方について解説します
不動産デベロッパーのホテルへの参入
具体的にはこのような形で参入してきています
インバウンドの盛り上がりに目をつけた不動産デベロッパーが
土地購入
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小規模ホテル建築(アパートメントタイプ)
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ホテル運営代行会社に運営を委託
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収益不動産として投資家に売却
私も以前、アパート建築の営業をしていたのでよくわかるのですが、土地活用のアパート建築は利益が出ません。相続税対策としては良いのですが、もう良い土地は活用され尽くして、さらに建築費の高騰もありかなり利益率が低くなっているのです。
それがインバウンドを主軸にした宿泊業であればアパートの何倍もの利益を叩き出す事ができます。
実際に弊社にも有名な大手デベロッパーから複数コンタクトがあり、沖縄に専門部署を立ち上げる話や、今後民泊、無人ホテルへ注力したいという声を聞きます。恐らく宿泊が見込める全国のエリアでホテル運営代行会社に同様の問い合わせが入っているものと思われます。今後ますますそのような物件が増えてくるでしょう。
今後の注意点
既存ホテルは競争激化に注目
アパートメントタイプの物件は一箇所に集中している分、あらゆるものが効率化でき、それが価格に反映されて競争力を持ってきます。戸建てリゾートはターゲットが異なるのであまり気にする必要はないかと思いますが、都市部のホテルや個人民泊オーナーはそういった中規模開発物件と戦っていく必要があるかもしれません。それが民泊、宿泊業界の次の流れではないかと見ています
どのような方向に行くかはそうなってみないとわかりませんが、流れを注視しながらしっかりとついていきたいと思います
投資家は利回りに注意
これからホテル投資を行ってみたいという投資家の方は利回りに注意してください
一般的にアパートでもそうですが、ホテルでも部屋を小さくすればするほど表面上の利回りが良くなり魅力的に映ります。その方が融資も通りやすくなるでしょう
ただし利回りがよく見えるため不動産デベロッパー側としては売りやすくなり、市場に似たような物件が溢れ返るのです。
そうなると閑散期には価格競争に陥り利益が出なくなってしまう恐れがあります。また将来的に何らかの危機が来てホテルからアパートに切り替えようとした場合ワンルームだと需要がそもそもなく入居付けにも苦戦します
ある程度の広さのあるファミリータイプであれば値下げしても競争力がありますし、大人数向けのインバウンドを狙うこともできます。コロナのような危機が来た時にアパートに業態変換する時もファミリータイプであればある程度の需要があるため切り替えがスムーズです
今年、来年にはこのような話が市場に多く出てくるかと思いますので、大手デベロッパーが開発した物件を購入する場合は表向きの利回りに騙されないようにご注意ください。
大手デベロッパーが全て悪だと言っているのではありません。 広さだけでなく、立地や購入価格も考慮してトータルでご検討頂ければと思います。
元Booking.com アカウントマネージャー。那覇オフィス立ち上げ時から数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。