公開日: 2024年9月20日
最終更新日 : 2024年9月20日 アパートホテルは旅行者やビジネス客に人気がある新しい宿泊スタイルです。本記事では、その特徴やメリット・デメリット、そして具体的な例を挙げて解説します。
アパートホテルの基本情報
アパートホテルの特徴
アパートホテルは家具付きで自炊ができる宿泊施設です。キッチンだけでなく、食器類、調理器具、洗濯機、乾燥機等、生活に必要なもの全てが揃っています。サービスアパートメントとは異なり、一般のホテルよりも長期滞在に適しています。アパートホテルは、ホテルのようなフロントサービスや清掃サービスは提供されない場合が多く、長期滞在を前提とした、よりプライベートな空間を提供する宿泊施設と言えるでしょう。
投資家視点でみると、アパートホテルは一般賃貸用のアパートよりも利回りが良くなる点も特徴です。仮に50平米2LDKの部屋だと地域にもよりますが、月額賃料は7万円〜10万円程度です。これがホテルとして運営すると7割稼働で試算しても
1泊 15,000円x30日x稼働率70%=315,000円
と3倍の利益が出ます。ここから手数料等を差し引く形にはなりますが、うまく運営すれば賃貸よりも大きな収益となります。
都心部だと賃料は高額になりますがその分宿泊費も高額になる上、宿泊需要も高い為、収益は良くなるでしょう。
サービスアパートメントとの違い
サービスアパートメントは、ホテルのサービスと家具付きの部屋を組み合わせた宿泊施設です。一方、アパートホテルは基本的に自炊を前提とした滞在を提供します。サービスアパートメントでは、朝食やルームサービスなどのホテルサービスが提供されることが多いですが、アパートホテルではそのようなサービスは提供されません。そのため、アパートホテルはサービスアパートメントよりもリーズナブルな価格で利用できることが多くなります。
但し、近年は両者の垣根はなくなりつつあり、運営主体によってどのように呼ぶのか変わってきます。
アパートホテルのメリット
安価で長期滞在が可能
家具や家電が完備されているため、長期滞在でも快適に過ごせます。通常のホテルよりもコストを抑えることができます。ホテルでは、毎日清掃サービスが提供されるため、長期滞在すると料金が高くなってしまいます。しかし、アパートホテルでは、清掃サービスは週に一度程度、もしくはチェックアウト時に1回の場合が多く、料金を抑えることができます。
また、アパートホテルでは、キッチンや洗濯機などの設備が完備されているため、自炊や洗濯をすることができます。そのため、食費や洗濯代を節約することも可能です。
プライベート空間を確保
アパートホテルは部屋ごとに独立した空間が提供されるため、家族連れやビジネス客に最適です。ホテルでは、隣室の音などが聞こえてしまう場合がありますが、アパートホテルでは、部屋ごとに独立した空間が提供されるため、プライバシーを確保することができます。
また、アパートホテルでは、リビングやダイニングなどのスペースが確保されている場合が多く、家族や友人とゆったりと過ごすことができます。
安定した収益を期待
ホテルでは、短期滞在の宿泊客が多く、稼働率が不安定になることがあります。しかし、アパートホテルでは、長期滞在の宿泊客が多いため、稼働率が安定し、安定した収益を期待できます。特に長期滞在時には客室清掃が不要となる為、その分の経費を浮かせる事が可能になります。
また、アパートホテルは、規模が小さい為、大型ホテルよりも初期投資が低いため、経営者にとって魅力的なビジネスモデルと言えます。
業態転換
仮に宿泊業がうまくいかなくなったとしても、アパートホテルの場合は一般賃貸に移行する事ができ、リスクヘッジになります。ホテルの場合はキッチンがない為、賃貸への移行は難しくなります。
アパートホテルのデメリット
初期設備投資が高い
アパートホテルは、部屋の設備が充実しているため、初期投資が高額になります。家具や家電だけでなく、キッチンやバスルームなどの設備も必要になります。そのため、アパートホテルを経営する場合は、初期投資をしっかりと計画する必要があります。
騒音やトラブルのリスク
アパートホテルでは、長期滞在の宿泊客が多いため、騒音やトラブルが発生するリスクが高まります。特に、隣室の騒音や、共有スペースでのトラブルなどが発生しやすいです。そのため、アパートホテルを経営する場合は、騒音対策やトラブル対応をしっかりと行う必要があります。
セキュリティの問題
一般的なホテルに比べてセキュリティが弱い場合があります。特に、セキュリティシステムが整っていないアパートホテルでは、盗難や侵入などのリスクが高まります。セキュリティが弱い為、少ない人数で予約して予約人数以上が宿泊する人数詐欺も多くなります。そのため、アパートホテルを選ぶ際には、セキュリティ対策がしっかりと行われているかを確認する必要があります。
アパートホテルの主な利用者層
家族連れの観光客
プライベートな空間を必要とする家族連れに最適です。ホテルでは、家族連れでも部屋が狭かったり、騒音があったりする場合があります。しかし、アパートホテルでは、広々とした部屋やキッチンなどの設備が完備されているため、家族連れでも快適に過ごすことができます。また、広めのアパートホテルでは、ホテルよりも料金が安い場合が多いため、家族旅行にもおすすめです。
アドレスホッパー
場所を選ばず自由に生活するアドレスホッパーに人気があります。アドレスホッパーとは、仕事や生活の拠点を固定せず、様々な場所に滞在する人のことです。アパートホテルは、長期滞在が可能で、家具や家電が完備されているため、アドレスホッパーにとって最適な宿泊施設と言えます。また、アパートホテルは、ホテルよりも料金が安い場合が多いため、アドレスホッパーにとって経済的なメリットもあります。
ビジネス客
長期のビジネス出張に適しており、コストパフォーマンスも高いです。ホテルでは、長期滞在すると料金が高くなってしまいますが、アパートホテルでは、長期滞在でも料金を抑えることができます。また、アパートホテルでは、キッチンや洗濯機などの設備が完備されているため、自炊や洗濯をすることができます。そのため、ビジネス出張でも中長期になる場合は快適に過ごすことができます。
アパートホテルの将来性
一般的な賃貸アパートは人口減少する日本においては成長産業とは言い難いでしょう。それに比べ、今後インバウンド観光客が増え続ける状況を考えると、アパートホテルは非常に大きな産業といえるでしょう。
特にホテルのような大型投資ができない個人投資家の参入が見込まれます。
アパートでもアパートホテルでも、単身者・カップル向けの小さい部屋ほど利回りがよくなり、ファミリータイプの大きな部屋ほど利回りが悪くなります。それはつまり、小さい部屋ほど参入が増えるという事でもあります。
小さいワンルームアパートホテルは供給過多、ホテルとの競合により、低単価でいかに稼働率を高めるかが鍵になります。
大きなファミリータイプアパートホテルは戸建て民泊と競合しますが、清掃に効率的に入れるという点、立地が戸建て民泊よりも良いという点で戸建て民泊にも対抗できる為オススメです。
マイズインバウンドではアパートホテルの集客を得意としております。ウェブ集客の他、無人運営、運営代行のお手伝いもしておりますのでお気軽にお問い合わせくださいませ。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。