公開日: 2024年9月12日
最終更新日 : 2024年9月13日 近年、ホテル業界ではセルフチェックインシステムの導入が進んでいます。この記事では、セルフチェックインシステムの基本的な説明から、そのメリット・デメリット、さらに導入手順までを詳しく解説します。ホテル運営の効率化を目指している方はぜひご参考ください。
セルフチェックインシステムとは
セルフチェックインの基本概念
セルフチェックインとは、宿泊客が自ら端末やスマホを使ってチェックイン・チェックアウトを行うシステムです。このシステムにより、ホテル側の業務効率化が期待できます。
導入されている主要なセルフチェックインツール
セルフチェックインシステムには、キオスク端末やスマホアプリなどさまざまなツールが利用されています。各ツールの特徴についても見ていきましょう。
どんな施設で利用されているか
セルフチェックインシステムは、大規模なホテルだけでなく、民泊やビジネスホテルでも広く導入されています。
セルフチェックインのメリット
スタッフの業務効率化
セルフチェックインシステムを導入することで、スタッフの業務を軽減し、より重要な業務に集中することができます。例えば、チェックイン・チェックアウトの手続きは、従来はフロントスタッフが対応していましたが、セルフチェックインシステムを導入することで、宿泊客が自分で手続きを行うため、スタッフは他の業務に専念できます。
これにより、スタッフの負担を軽減し、より質の高いサービス提供に繋げることが期待できます。また、夜間や早朝など、フロントスタッフが不在の時間帯でも、宿泊客はセルフチェックインシステムを利用してスムーズにチェックイン・チェックアウトを行うことができます。これは、宿泊客の利便性向上にも繋がるだけでなく、ホテル側にとっても人件費削減や24時間対応の実現といったメリットがあります。
宿泊客にとっての利便性
宿泊客はチェックイン手続きが迅速になり、待ち時間が短縮されるためストレスが軽減されます。セルフチェックインシステムを利用することで、宿泊客はフロントで長時間待つ必要がなくなり、スムーズにチェックイン・チェックアウトを行うことができます。
但し、端末の数が少ないとチェックイン開始時刻は逆に混み合う事もある為、客室数に見合った端末を設置する必要があります。
これは、特に旅行などで時間がない宿泊客にとって大きなメリットです。また、セルフチェックインシステムでは、宿泊客が自分のペースで手続きを進めることができるため、時間に余裕を持ってチェックイン・チェックアウトを行うことができます。
時間に敏感なビジネス客や、ゆっくりと休暇を過ごしたい観光客にとって、ストレスなく滞在できる環境を提供します。さらに、セルフチェックインシステムでは、多言語対応や音声案内など、宿泊客のニーズに合わせた機能が充実している場合もあります。これにより、海外からの観光客や、日本語に不慣れな宿泊客でも、安心して利用することができます。
人件費の削減
フロント業務の人員を減らすことで、人件費の削減が見込めます。特に夜間のフロント業務において大きな効果があります。セルフチェックインシステムを導入することで、フロントスタッフの数を減らすことができます。これは、人件費の削減に大きく貢献します。特に、夜間や早朝など、宿泊客の数が少ない時間帯では、フロントスタッフを常駐させる必要がなくなり、人件費を大幅に削減することができます。
また、セルフチェックインシステムは、無人でのチェックイン・チェックアウトを可能にするため、夜間や早朝など、フロントスタッフが不在の時間帯でも、宿泊客はスムーズにチェックイン・チェックアウトを行うことができます。これは、ホテル側にとって、人件費削減だけでなく、24時間対応の実現にも繋がる大きなメリットです。
セルフチェックインのデメリット
システムの導入コスト
高額な初期導入費用が必要となることが多く、小規模ホテルでは負担が大きくなる場合があります。セルフチェックインシステムの導入には、システムの購入費用、設置費用、運用費用など、さまざまな費用がかかります。特に、高機能なシステムや、多くの端末を導入する場合には、初期導入費用が非常に高額になることがあります。特に現金支払システム一体型のシステムだと1台200万円近くもする為、小規模施設には導入が難しいでしょう。
しかし、近年では、タブレットを利用した低価格なセルフチェックインシステムも登場しており、導入しやすい環境が整いつつあります。また、クラウド型のセルフチェックインシステムであれば、初期費用を抑えることができる場合もあります。
小規模施設は全て事前決済にした上でタブレットを利用したセルフチェックインシステムにすれば、タブレットの代金は5万円前後、システム利用料は1室あたり1,000円〜1,500円程度と安価に利用する事が可能です。
全て事前決済にすると現金払い希望のゲストを切り捨ててしまうと心配になる方もいるかもしれませんが、近年はキャッシュレス化が進んでおり、今後もその流れは加速していきます。事前決済のみにしても問題無く予約は取り込む事ができますのでご安心ください。
現金払いを無くす事で、現金管理の手間、セキュリティ問題も不要になります。
トラブル発生時の対処
システム上のトラブル発生時には、スタッフが対応する必要があり、そのための訓練も必要です。セルフチェックインシステムは、システムトラブルが発生した場合、宿泊客が自分で対応することが難しい場合があります。そのため、ホテル側では、システムトラブルが発生した場合に備え、適切な対応策を準備しておく必要があります。例えば、トラブル発生時の対応マニュアルを作成したり、スタッフにトラブル対応の研修を実施したりすることが重要です。また、システムの安定稼働を確保するためには、定期的なメンテナンスやアップデートも必要となります。
また、遠隔で対応する場合でも結果的にスタッフの人件費が発生してしまうのもデメリットの一つです。
デジタルデバイスに不慣れな宿泊客への対応
高年齢層やデジタルデバイスに不慣れな利用者にとっては、セルフチェックインが負担となる場合があります。セルフチェックインシステムは、デジタルデバイスの操作に慣れている人にとっては、非常に便利で使いやすいシステムです。しかし、高齢者やデジタルデバイスに不慣れな人にとっては、操作が難しいと感じることがあります。
そのため、ホテル側では、デジタルデバイスに不慣れな宿泊客に対して、適切なサポートを提供する必要があります。例えば、フロントスタッフが丁寧に操作方法を説明したり、操作が難しい場合は、代わりに手続きを行ったりすることが重要です。フロントを無人化する場合でも電話やチャットで対応できるスタッフを遠隔で配置しておく必要はあるでしょう。
また、セルフチェックインシステムの導入前に、宿泊客に対して、システムの使い方を説明する資料や動画などを用意しておくことも有効です。
セルフチェックインシステム導入の手順
導入するシステムの選定
各ホテルのニーズに合わせて、最適なシステムを選定することが重要です。システムの特徴や機能を比較検討しましょう。セルフチェックインシステムを導入する際には、まず、ホテルの規模や宿泊客層、サービス内容などを考慮して、最適なシステムを選定することが重要です。システムを選ぶ際には、以下の点を考慮する必要があります。
- 機能: チェックイン・チェックアウト機能に加え、予約管理機能、決済機能、顧客情報管理機能など、ホテルのニーズに合った機能が備わっているか。
- セキュリティ:宿泊客の個人情報やクレジットカード情報などのセキュリティ対策が万全であるか。
- 操作性: 宿泊客が簡単に操作できるインターフェースであるか。（非常に重要 操作性が悪いと問い合わせが増えてセルフチェックインの意味がなくなります）
- 価格:導入費用や運用費用が予算に合っているか。
- サポート:システム導入後のサポート体制が充実しているか。
これらの点を考慮して、複数のシステムを比較検討し、ホテルにとって最適なシステムを選びましょう。
見積取得および契約
選定したシステムメーカーから見積もりを取得し、納得のいく契約を行います。サポート体制もしっかり確認しましょう。システムを選定したら、システムメーカーから見積もりを取得します。見積もりには、システムの購入費用、設置費用、運用費用などが含まれていることを確認しましょう。また、契約内容をよく確認し、サポート体制が充実しているかどうかも確認しましょう。サポート体制が充実しているシステムであれば、導入後も安心して利用することができます。
システムの設置とテスト運用
システムを実際に設置し、一定期間でテスト運用を行います。その際に発生する問題点を洗い出し、改善策を講じます。システムを設置したら、実際に運用を開始する前に、テスト運用を行います。テスト運用では、システムが正常に動作するか、宿泊客がスムーズに利用できるかなどを確認します。テスト運用中に問題点が見つかった場合は、改善策を講じ、システムを修正します。
スタッフの研修
スタッフがシステムの運用方法を熟知するための研修を行います。宿泊客への対応方法もこの期間で確立します。セルフチェックインシステムを導入する際には、スタッフがシステムの運用方法を熟知していることが重要です。そのため、システム導入前に、スタッフに対して、システムの操作方法やトラブル対応方法などの研修を実施する必要があります。
また、宿泊客がセルフチェックインシステムを利用する際に、困っていることがあれば、スタッフが適切なサポートを提供できるように、対応方法についても研修しておく必要があります。
まとめ：セルフチェックインシステムの活用はホテルの効率化に貢献する
セルフチェックインシステムの導入は、ホテル運営の効率化に大きく寄与します。システム選定から導入までのプロセスを正確に踏むことで、そのメリットを最大限に引き出すことができます。
セルフチェックインシステムは、ホテル運営の効率化に大きく貢献するシステムです。しかし、導入する際には、システムの選定、導入、運用など、さまざまな課題があります。これらの課題を克服し、セルフチェックインシステムを効果的に活用することで、ホテルはより効率的に運営することがでるでしょう
弊社では今回ご紹介したようなセルフチェックインを利用した無人運営ホテルのサポートを行っております。気になる方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。