公開日: 2023年9月26日
最終更新日 : 2023年10月31日
「 ノーショーが多いので現地決済をやめて事前決済だけにした方がいいんでしょうか?」弊社でサポートするホテルからこのような相談がありました。無人運営の場合は選択肢が事前決済しかありませんが、フロントがあるホテルだと事前決済、現地決済の両方を併売しているのが通常です。そこで本日は事前決済のみに移行する場合のデメリットについてご紹介します。
相談内容
「昨日またノーショーが出ました。。。ノーショーになるのは外国人で現地決済の方がほとんど。海外サイトは事前決済のみにした方がいいのでしょうか? 知人のホテル経営者もそのように言っていました」
フロントのある小規模ホテル 支配人
このホテルはフロントのある有人ホテルで、以前より事前決済と現地決済の両方を販売していました。最近までコロナでインバウンドが殆どいなかった為、ノーショーは滅多にありませんでしたが、最近からインバウンドが増えてきた事もあり、外国人ノーショーが増えてきています。
このようなホテルは、はたして海外サイトのみを事前決済にした方がよいのでしょうか? 検証してみます。
事前決済のメリット・デメリット
事前決済には下記のメリットとデメリットがあります
メリット
- ノーショーしても問題無し
- キャンセルポリシーにかかってのキャンセルも問題無し
- 現金管理の手間が減る
デメリット
- 現地決済ゲストの減少
- 手数料が2%程度上がる
メリットがデメリットを上回るのであれば事前決済オンリーにすべきですし、そうでなければ事前、現地決済両方を走らせる事になります。
実際の数字から判断
このホテルの海外OTAはBooking.comでしたので、Booking.comを前提に解説します。
実際にこのホテルのある一定期間のデータをみたところ、下記になっていました
金額 | |
事前決済 | ¥900,000 |
現地決済 | ¥90,000 |
合計 | ¥990,000 |
これを事前決済オンリーにすると、現地決済の90,000円分がなくなる可能性が出てきます。
合わせて、事前決済オンリーのBooking.comペイメントにすると事前決済手数料として2.3%手数料が高くなります。
900,000円x2.3%=20,700円
の追加費用が発生していた計算です。
合計すると
90,000円+20,700円=110,700円
この金額以上のノーショーが出ていれば事前決済オンリーのBooking.comペイメントに移行すべきですし、そうでなければ現状維持にした方が売上があがります。
シミュレーションの結果、ノーショーはそこまで大きな金額では無かった為、現状の事前、現地決済併売を継続する事になりました。
Booking.comペイメントに関しては下記をご参照ください。
事前決済手数料
せっかくですので、主要OTAの事前決済手数料もご紹介します
OTA | 合計手数料 |
ブッキングドットコム | 通常12% プリファード15% プリファードプラス 20% Booking.comペイメント(事前決済縛りでの販売)+2.3% |
エクスペディア | 事前払い縛り15% 事前・現地払い併用13% |
楽天トラベル | 一人利用 8.64%-10.64% 二人以上9.99%-11.99% 事前払い +2% |
じゃらん | 一人利用 8%-10% 二人以上10%-12% 事前払い+1.5%+15円 |
※Airbnbは事前決済のみ
特殊なのはBooking.comです。
事前決済オンリーのBooking.comペイメントを使用していなくても、事前決済での予約は入ってきますが、その場合は+2.3%加算されないのです。
にも関わらず、事前決済での予約が9割くらいになります。つまりお得なのです。
ノーショーを無くす対策
ではどうすれば良いのでしょうか。
最も良いのは、事前、現地決済併売モデルを継続しつつ(追加2.3%かけずに)、現地決済分はクレジットカードで事前に徴収、怪しい予約は強制キャンセル です
クレジットカード事前徴収はゲストが現地決済を選んでも、事前にゲストにクレジットカードで払ってもらうようにポリシーを変更するのです。
やり方にはいくつかあります
- PMSで自動徴収
- 支払いリンクを送ってゲスト側で支払い
- カード情報を手入力してホテル側で決済
最も手がかからないのは1ですね。弊社でサポートする多くの無人ホテルも1を採用しています。
2、3はSQUAREやSTRIPE等の決済サービスで利用可能です。
決済代行会社に決済額の数%の手数料がかかりますが、現地決済が選択されたその予約分のみとなります。
Booking.comペイメントに移行した場合は全ての予約が+2.3%になる為、大きな違いです。
稀にゲストが登録したカードが利用できないカードの場合は管理画面から無効カードを報告→48時間経ってもカードの更新がなければホテル側から強制キャンセルが可能です。
そうする事でノーショーもなくなり、かつ無駄な2.3%の手数料を払う必要も無くなります。
以上、ホテルを悩ませるノーショー対策について解説しました。
そもそも民泊等は無人運営で事前決済が前提ですが、フロントのあるホテルは現地決済も併売していて悩ましい所でしょう。
今回の内容を参考にノーショーを減らす対策を取ってみてください!
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。