公開日: 2020年9月22日
最終更新日 : 2023年5月23日
最近は撤退も増えてきた民泊代行会社。それでもまだまだ多くの代行会社が存在している為、どのような点に注意して選べば良いのか迷う所ではないでしょうか。そこで本日は現役の民泊運営代行会社が教える、代行会社を選ぶ際のポイントを整理してお届け致します。代行をしているからこそわかる抑えるポイントを惜しみなくご紹介致します!
尚、「民泊」と表記していますが、最近では旅館業を取得した一棟貸しも民泊と呼ぶ事が多い為、民泊新法のみならず、旅館業民泊の代行会社も含めた解説となります。
販売予約サイトを確認
運営代行会社といっても、全て自社でゲストを集めてくるのでは無く、集客には宿泊予約サイト(OTA)を利用しています。どこのOTAをどこを使って集客しているのかを確認しましょう。これ次第で集客に大きな大きな差が出ます。
一昔前まではAirbnbのみで集客している代行会社も多かったのですが、施設の規模によっては、Airbnbのみでの集客はかなり厳しいものがあります。Airbnb以外どこで集客するのかを確認する必要があります。
オススメOTAは
- 楽天トラベル
- じゃらん
- Booking.com
- Airbnb
- Agoda
- Expedia
あたりになります。複数の部屋があるアパートメントタイプのホテルではこれらで平行して販売している場合は安心です。各サイトごとの特徴は下記も参考にして下さい。
販売サイトを確認する際にご注意頂きたいのが「楽天バケーションステイ」です。バケーションステイは楽天の民泊予約サイトで、下記のようにバケーションステイに登録する事で他サイトにも掲載されます。
https://vacation-stay.jp/host.html
ただ、これが予約が全然入らないのですww 各サイトへの直接掲載では無い為、サイト内SEO対策やプロモーション等が打てないので対策しようが無いのも理由かと思いますが、各予約サイト側としても、普通に考えれば、提携企業のリスティングを売るより自社直接契約のリスティングを優遇するのは当たり前の話。
また、バケーションステイの手数料はたったの3%です。一般的なOTAでは10〜15%は取るので、安いと思ってしまいますが、逆を言えばバケーションステイとしてゲストの集客に使える予算が無いという事の裏返しでもあります。構造的に売れようが無いのですね。
代行会社が「楽天、Booking.com、Agoda、Vrbo他でも販売しています」という場合は、
「バケーションステイ経由」なのか「各サイト直接掲載」なのか
を必ず確認しましょう。前者の場合は候補から外した方が良いかと思います。
料金変更の頻度
設定する宿泊料金は基本的には代行会社にお任せしているかと思います。下手にオーナーが口を出すより代行会社に任せた方が予約が入るのでその方がオススメなのですが、代行会社の中には販売料金を全く変更しない代行会社もいるようです。
一旦設定するとその料金で販売し続けるだけでなく、予約が入らないのでオーナー側から値下げするよう依頼しても、なかなか料金を変更してくれない代行会社もあるそうなのです。(オーナーから聞いた実話)
これまでであれば、昨年の実績からどれくらいであれば予約がはいるのか概ね予想出来ましたが、コロナで業界がぐちゃぐちゃになった今、昨年までの料金や販売方法は全く通用しません。細かな予約の動きをみながら調整し続けていく事が必要になっているのです。
予約の動きが鈍ければ料金はどんどん変更して頂けるのか、オーナーの意向もある程度考慮してもらえるのかも確認しましょう。
ローカルマーケットに詳しいか
ローカルマーケット情報に詳しいかどうかもポイントです。例えば、東京や大阪の大手代行会社は大手だけあって業務が効率化されており、サポート体制も良いのですが、全国で展開している為、地方の細かなマーケット情報までは把握できません。
例えば、
- ナハマラソンの日程を値上げする
- 嵐の宜野湾コンサートが決まったので値上げする
- 今帰仁の景色の良いカフェを紹介する
- 恩納村のオススメのビーチを紹介する
等は、その土地に住んでいれば簡単な事ですが、遠隔サポートの場合にはハードルが高くなってしまいます。
また、マーケットごとの予約の動きも遠くから見ていると把握しにくく、料金調整等に迅速に反映しにくいでしょう。特にそのマーケットの詳細なデータ等は調べるだけでも手間なので、全国くまなく分析するというのは現実的ではありません。
マーケットごとの細かな動きやホスピタリティはあえて切り捨てるという選択肢もありますが、収益性やクチコミにこだわるのであれば検討してみても良いでしょう。
ちなみに弊社ではどこよりも冲縄のマーケット情報を調べて分析しています。(宣伝)
どのような分析かは下記ブログを覗いてみてください。
予約状況がオープンになっているか
自分の宿の予約状況がリアルタイムに確認できるのかも重要なポイントです。例えば先日破綻した大阪の民泊運営代行の「ハンドグローイング」社ですが、この代行会社では「部屋の予約状況をチェックできる専用サイトを公開していた」という事ですが、「専用サイト」の予約情報自体が架空のものだったそうです。
民泊投資大手が事業停止 宿泊実績水増しして勧誘、実態ない物件も
実際に予約が全く入っていなければ代行会社の乗り換え等も検討出来ますが、ウソの予約情報を知らされては手の打ちようがありません。
例えば弊社では下記のような管理システムの予約カレンダーをオーナー様と共有しています。実際の物件の9月の予約カレンダーです。
※個人情報が含まれる為、モザイクをかけています
予約情報だけでなく、ゲストとのメッセージのやりとりも閲覧出来るようになっています。自社開発のシステムでは無いので、架空の予約情報を加工する事も出来ません。
このように管理がオープンになっているかもチェックポイントとして確認しましょう。適正に運営されているかが分かります。
費用・手数料
運営代行会社の費用もピンきりですが、相場は
売上金額の20%前後
です。20%より大幅に高い場合はご注意下さい。特別なサービスが含まれていない場合はただ高いだけかもしれません。
逆に20%より大幅に安い場合はサービス内容がかなり制限されている可能性がありますので納得の上でご契約下さい。
以前は固定で月額◯万円というのもありましたが、最近では売上連動型の手数料が主流になっています。コロナで売上が見通せない中、月額固定というのはあまりオススメできません。
また、代行会社によって違いはありますが、手数料以外でかかる費用としては
- 月額維持手数料
- サイトコントローラー費用
- PMS費用
- 清掃料金
- 予約サイト登録費用
等がありますのでどこまでかかるのか確認してみて下さい。
選定時にあまり気にしなくても良いポイント
逆にそこまで気にしなくても良いポイントもご紹介しておきます。
法人化しているかどうか
法人化している方が安心という感じがしますが、法人化している場合、組織としてはしっかりしていますが、運営担当者が新人だったり、コロコロ変わったりして物件概要を把握していない可能性も否定出来ません。
逆に個人で営業されている方の方が場合によっては大手代行会社から独立して経験豊富である可能性もあるので、法人化している事を選定条件にするのはもったいなでしょう。
もちろん、個人の方だと、その方が撤退してしまった場合に一から代行会社を探すのが大変なので最初から大手に任せたいというのも分かりますので、そこはどちらを取るかですね。
代行会社選定のポイント
以上をまとめると
- 販売する予約サイトを確認する
- 料金変更の頻度
- マーケットに詳しいか
- 予約状況はオープンになっているか
- 手数料の相場は20%
となります。重要度が高い順に並べておりますので、これらを中心に確認してみて下さい。
弊社ではお陰様で開業からわずか1年で100室を超えるお部屋をサポートさせて頂くようになりました。多くのお問い合わせを頂くようになりましたが、オーナー様の満足のいくサポートが出来そうにない場合や、十分なご送客を出来そうに無い場合は、ご迷惑をおかけする前にお断りするようにしております。無理な勧誘等も行っておりませんので、気になる方はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。
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