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平均客室単価 (ADR) の上げ方のコツと陥りがちなワナについて解説!

最終更新日 : 2020年6月12日 沖縄は安い!特に閑散期はそう思われている宿泊施設も多いかと思います。観光客数でハワイと同程度にも関わらず平均客室単価はハワイの三分の一なのですから安いと思われても仕方ありません。なぜこんなに安売り合戦になってしまうのか。どうやったら安売り合戦から抜け出せるのか。答えは「無駄に値段を下げすぎない」事です。今日はその具体的方法を解説していきます。

値引き合戦の特徴

大体どこでも似たような動きをするのですが、宿泊施設の料金は直近になるに従って安くなる傾向があります。特に閑散期の競合が多いような場所で顕著で、予約を取り込む為にドンドン金額を落としにかかります。

具体例として例えば冬場の那覇市内は下記のような値動きをするホテルも多々あるかと思います。

那覇市内の平均客室単価(ADR)の推移 例

※金額は実際の金額ではありません

半年前には9,000円位で販売していた部屋が一ヶ月を切る頃には慌てて7,000円位まで落としてさらに直前では一泊5,000円まで落としにかかるというもの。

これだと、半年前に9,000円で取り込んだ予約が直近になってキャンセルされて同じホテルで取り直しなんて事も多々あるはずです。せっかく取り込んだ予約をキャンセルされるという事はキャンセル率が高くなってしまいランキング的にもマイナス。先に予約したゲストも騙されたようで良い事はありません。

最初から金額勝負の宿泊施設でどこよりも安く!という宿であればそれもまた一つの戦略ですが、ブランドを確立していたり、立地が良い、内装にこだわりがある等、他と差別化出来ている宿がわざわざ安売り合戦に参加する理由はありません。

料金コントロールはどうするべきか

例えば航空業界。競合の数等、状況は違いますが航空運賃は空席があっても絶対に値下げしません。先に予約した方が安くて直近程高い。これはレベニューマネジメントと言われる収益コントロールがしっかり出来ているからです。データに基づいてこの時期ならこれくらいの料金で売れるというのがわかっていて販売開始時からコントロールしているからこそ出来る技です。

宿泊施設はとりあえず1年先も販売しておいて、大体2〜3ヶ月前になると料金をいじりだす宿が多い。「日も近づいてきたし、そろそろ値下げして取り込もう」という、なんとなく感覚です。これだと近隣の料金につられて上記のグラフのように値下げせざるを得ないのです。

大手ホテルや、中規模のホテルでもしっかりとレベニューコントロールが出来ている宿泊施設は存在します。そういった宿の特徴は先々ほど安く、直近程高い。先のグラフの真逆になります。ある程度マーケットの影響は受ける為、全ての宿がそう出来るとは思いませんが、目指すべき良い例だと思って下さい。

平均客室単価(ADR)を上げるコツ

前置きが長くなりましたが、本題の単価を上げる方法です。単価を上げる為に重要なのは、「単価を下げ過ぎない」というのが一つのヒントになります。リノベーション等で純粋に値段を上げる場合もありますが、今日からいきなり値段を上げられる宿は少ないもの。そこで出来る事といえば料金の下げ過ぎをコントロールする事です。

例えば、あなたが予約を取り込む為に宿泊料金を下げた場合、隣のホテルはあなたの販売価格を見ています。隣のホテルが負けないようにさらに料金を下げてきたら、途端にあなたの宿は予約が入らなくなります。それでも予約が欲しい場合、あなたはさらに値下げします。それを見た隣のホテルは 以下省略

こうなると値下げスパイラル。必要以上に値段は下がり続けます。これを食い止める必要があるのですが、具体的にはどうするのか。それは一般には公開されていないクローズド価格を利用して予約を取り込む事で実現可能です。そうする事で隣のホテルにバレる事無くしっかりと適度な値下げで予約を増やせるのです。

クローズド価格の代表的な例だと、バレにくい順に

  • 国別セール
  • ダイナミックパッケージ価格(DPと言われる、航空券とセットの場合に適用される価格)
  • シークレットセール(会員向け価格)
  • モバイル料金

等があります。これらを駆使して表に出ないように値下げする事で予約を取り込みつつ先に上げたような過度な値下げスパイラルに陥る事を防げるのです。

ここでご紹介したクローズド価格は、バレやすいセールも存在します。隣のホテルがモバイルで料金チェックしないとは限りません。隣のホテルが会員では無いという保証もありません。よりバレにくくしたいのであれば、国別セールやダイナミックパッケージ価格を利用する方が確実ですね。

OTAにもよりますが、これらのクローズド価格が全体の半分を占めている場合もあります。効果的に利用する事でしっかりと料金をコントロールしたい所ですね。

クローズド料金の注意点

このクローズド料金ですが、うまく使えば効果的に料金をコントロール出来ますが、ワナにはまらないように注意が必要です。以前に下記でもご紹介したのですが、

最近、沖縄県全体の平均客室単価(ADR)が下落している原因が驚きの内容だったので公開する!

クローズ料金が嘘のOTAもあるんです。全然クローズドじゃなくて、完全公開価格。もう、値下げスパイラルまっしぐら!こうなってしまうと騙された者同士値下げ値下げで底の見えない戦いを繰り広げる事になってしまいますので、ご注意下さい。

これらのコツを意識して販売単価を下げ止める事で単価を上げていきましょう!


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