作成日:2026年1月16日 / 最終更新日:2026年1月16日
今回は、実際に現場で起きた非常に悪質だと感じたクレーム事例を、注意喚起として共有します。
民泊・無人ホテルを運営している方にとって、決して他人事ではありません。
事の発端|突然の「水漏れ+返金要求」
ある日、宿泊中のゲストから次のような連絡が入りました。
「エアコンから水漏れしている!
床が水浸しで、下に置いてあった靴まで濡れた。
宿泊代は全額返金しろ。靴も高かったから弁償してほしい。」
かなり強い口調で、返金と靴代の支払いを要求してきました。
写真・動画での確認を依頼
まず事実確認のため、水漏れの様子がわかる写真の提供を依頼しました。
送られてきた写真は
- 濡れた床
- 濡れたゴム草履
- 床に置かれた濡れたタオル
のみで、エアコンから水が漏れている様子は確認できません。
なお、この部屋では
- 過去にエアコン水漏れの事例はなし
- チェックイン前の確認でも異常なし
という状況でした。
そのため、次に水漏れが確認できる動画の提供をお願いしました。
動画でも水漏れは確認できず
送られてきた動画でも、
- エアコンから水が垂れている様子は映っていない
- 濡れた床が映っているだけ
という状態でした。
そこで、現地確認のため入室の許可をお願いしました。
不自然な対応|入室を強く拒否
こちらから
「現場を確認したいので、お伺いしてもよろしいでしょうか」
と伝えたところ、ゲストは次のように返答。
「来なくていい!
不在時でも部屋には絶対に入るな!」
この時点で、正直かなり違和感がありました。
本当に水漏れしているのであれば、
- 部屋移動の提案
- 早急な修理対応
も可能なはずですが、入室を一切拒否されました。
深夜の再クレームと返金要求
念のため、
「設定温度が低すぎると結露で水が出る可能性があるため、少し温度を上げて利用してほしい」
と案内しました。
しかしその日の深夜、再び連絡が入ります。
「温度を上げても水漏れが止まらない!
他の靴まで濡れた!
どうしてくれるんだ、早急に返金しろ!」
翌日の入室確認も打診しましたが、これも断固拒否されました。
翌日も15分以上のクレーム
翌日、再び連絡があり、
「水漏れが止まらず、靴にシミまでできている!」
と15分以上のクレーム。
ただし、
- 靴のシミが確認できる写真は送られてこない
- 入室確認は相変わらず拒否
という状況でした。
途中からは、
「返金はもういいから、靴のクリーニング代だけでも出してくれないか」
と主張が変わりました。
こちらとしては、
水漏れの事実が確認できない以上、チェックアウト後に確認してから判断する
と伝えましたが、強い不満を示されました。
チェックアウト後の確認結果
最終日、ゲストは
- チェックアウト時刻を1時間以上超過
その後、部屋を確認しましたが、
- エアコンの水漏れは一切なし
- 床にシミや痕跡もなし
という結果でした。
最終的に、
返金・靴代補償ともに一切行わず終了
としました。
自作自演の可能性が極めて高い
状況を総合すると、
- 水漏れを確認できる証拠が一切ない
- 入室確認を徹底的に拒否
- 要求内容が途中で変わる
- チェックアウト後には痕跡ゼロ
これらから、
水を意図的に撒いて「水漏れ被害」を演出し、
無料宿泊+靴代請求を狙った可能性が高い
と判断せざるを得ない事例でした。
返金すべき?悩むオーナーも多い現実
正直なところ、低評価レビューを恐れて返金してしまうオーナーも少なくありません。
特に、
- Airbnbのみで集客している宿
- レビューが命の初期フェーズ
では、「返金した方が合理的」と判断してしまうケースもあるでしょう。
ただし、こうした対応を繰り返すと、
同じ手口の悪質ゲストが増えてしまう
という側面もあります。
おそらく本人は、それが詐欺行為だと自覚していない可能性すらあります。
まとめ|毅然とした対応も運営者の責任
すべてのクレームが嘘だとは言いません。
本当に設備トラブルが起きることもあります。
しかし、
- 証拠を出さない
- 確認を拒否する
- 要求だけ強い
こうしたケースでは、
感情ではなく事実ベースで冷静に対応することが重要です。
悪質な事例が増えないよう、運営者側も毅然とした対応を取っていきたいと改めて感じました。
元Booking.com アカウントマネージャー。那覇オフィス立ち上げ時から数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。