最終更新日 : 2025年11月17日民泊代行の値下げ合戦が止まりません。以前は売上に対して20%という料金体系が主流でしたが、最近は固定で◯◯円という業者も増えてきました。そこで本日は民泊運営代行の値下げの功罪とその先にある未来について考えてみます。
民泊運営代行の料金体系
民泊運営代行会社の料金体系には大きく分けて2つあります。
①固定費用型(毎月定額で支払う方式)
②出来高(売上%)型(売上の一定割合を支払う方式)
以下でも詳しく解説していますので参考にしてください。
https://myzminpaku.com/archives/13423
値下げ合戦
そんな民泊運営代行会社の手数料は、最近は以下のような動きがあります
総売上の20%!
↓
総売上の15%!
↓
清掃費を除く売上の15%!
↓
固定で4万円ポッキリ!
↓
◯社限定3万円!
↓
業界最安2万円!
とドンドン下がってきている印象です
仮に2万円だと100社請け負っても月の売上200万円にしかなりません。
それでゲスト対応から販促まで100施設分やるって、引き合わないどころか手が回らなさそうです。。。
弊社も運営代行を専門としているのでその大変さが身にしみてわかります。
値下げで提供可能なサービス
代行会社目線で極度に効率化して費用を下げるとしたらこんな感じでしょうか
①料金変更はダイナミックプライシングに丸投げして手動対応は一切行わない
②OTAはAirbnb1本にする
・AIrbnbゲストは電話がほとんどかかってこない為、楽
・代行手数料の支払いもエアビ管理画面で按分自動支払いができ、精算業務を効化できる
・エアビ1本の為、サイトコントローラー、PMSも不要になり費用削減)
・エアビは操作しやすく、管理が楽
③夜間のメッセージ対応は翌朝対応
④電話対応も対応しない
とにかく手がかからないように自動化して請けるだけ請けまくれば利益も出そうです。ただし、業務全般のクオリティを下げる必要がある為、レビューが悪くなり売上も下がる可能性も。手数料削減したのに売上自体が下がっては元も子もありません。
宿泊費を下げすぎると変なゲストが来るのと同じように、運営代行費も下げすぎるとモンスターオーナーに当たって、
クレームだらけ→スタッフ疲弊→退職→サービスレベル悪化→さらにクレーム
という負のスパイラルに陥る事になるかもしれません。
高けりゃ良いというものでもありませんが、代行費用も宿泊料も値下げ合戦に巻き込まれないよう注意していきたいと思います。
民泊運営代行の今後
民泊運営代行を始めるには初期費用がかかりません。
参入障壁も低くなります。
Airbnbが素晴らしいシステムの為、素人でも簡単に運用できてしまいます。(個人民泊オーナーが多い点からもそれは明らか)
そうするとどうなるか。
個人で民泊を数件運営した方がその経験を元に民泊運営代行を始めるはずです。
自分で物件を仕掛けた方が儲けは出ますが、物件立ち上げにはお金も時間もかかります。それに比べ、運営代行の方はリスクなく代行物件数を増やす事ができる為、その分利益が増えるスピードも早いからです。
実際に最近は個人民泊から運営代行を初めた運営会社が増えてきています。
そのようなオーナーあがり運営代行会社には以下のような良い点、悪い点があるはずです
【良い点】
- メッセージ対応はめちゃくちゃ丁寧
- 経験を元に寄り添って相談に乗ってくれる
- めちゃくちゃ安い
- 固定型手数料
【悪い点】
- Airbnbだけの運用
- できてBooking .comまで
- 国内OTAはノータッチ
- 一人で対応している
- 深夜のメッセージ対応は不可
- 電話対応不可
運営代行会社を選ぶ際の注意点
24時間サポートまでは不要で、安い手数料体系を求める方はオーナーあがり運営代行がぴったりかと思います。費用を削減できます。高いレビューも維持してくれるかと思います。
物件自体に非常に魅力があり、高額でも集客に苦戦しない物件も手数料体系が安い方が利益が出るでしょう。
注意した方がいいのが、ホテルタイプ、アパートメントタイプのように客室数の多い民泊です。客室数が20も30もあるのにAirbnbだけの運用だととても稼働が埋まりません。
仮にAirbnbだけで埋まるとしたら、国内OTAも含めて5〜6OTAを利用すれば稼働が安定し、強気の価格設定で単価を上げる事ができて利益が増えます。
個人民泊オーナーは国内OTAの扱いはやったことがないので(国内OTAは民泊はほとんど予約が入らない為、民泊オーナーにとってメリットがなく、使った事がない)うまく集客できません。これは致命的です。
また、客室数が多いと深夜のチェックインや深夜の電話問合せも頻繁に来ます。一人では裁けなくなってくるのです。そうなるとサポート品質の低下からレビューも低くなり、売上げにも影響してきます。
人員を増やそうにも固定で安く請け負っている為、そのような余力も無く拡大できません。
しっかりとしたサポートを提供している運営代行会社は24時間のサポートだけでなく、国内OTAの販促も強く、手数料を支払っても結果的に手残りが多くなるのです。
運営代行会社の2極化
このようにして、運営代行も以下の2パターンに2極化していくものと思われます
◯最低限のサポートで安さをウリに定額制
◯サポートを手厚くし販促を武器に売上連動型
どっちが良い悪いではなく、前者を求めるオーナー様もいれば、後者の方が利益がでる物件もあるというだけの話です。
ただし、中には個人から突き抜けて運営代行物件を増やして個人オーナーあがり運営代行のデメリットを全て払拭したスーパー運営代行も存在します。
以上を参考にご自身の物件にあった運営代行会社を探してみてください!

元Booking.com アカウントマネージャー。那覇オフィス立ち上げ時から数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。



