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【違い】Googleトラベルとホテル広告(Google Hotel Ads) 両者の違いと利用時の注意点

最終更新日 : 2021年3月23日

先日、Googleトラベルがホテル予約リンクの無料開放を発表しました。早く対策せねば!というホテルもあれば、ホテル広告(Google Hotel Ads 通称GHA)と何が違うの??という方もいらっしゃるでしょう。そこで本日はGoogleトラベルの利用方法とホテル広告との違い、さらには利用する際の注意点まで解説していきます。

Googleトラベルとは

Googleトラベル無料掲載!という事で業界内がざわついています。

Googleトラベルでホテル予約リンクが無料掲載可能に、アフターコロナでの成長を見込んで

Googleトラベルに掲載するというのはどういう意味なのか。平たく言うと、ホテル名で検索した時にPC版だと右側に出てくる価格比較に公式の公式サイトを掲載するという事です。

↓こういうもの

通常は複数のOTAの価格が掲載されていますが、ここに公式サイトも無料で掲載出来ますよという取り組みです。

公式サイトをメタサーチに掲載する事で、直接予約を取り込むことが期待出来ます

Google Hotel Ads (GHA)との違い

上記のスクリーンショットを見て頂くと分かりますが、一覧に既に公式サイトが表示されています。実は、これまでもメトロブッキングやBeds24、ダイレクトイン等、ある特定のサービスを利用する事で公式サイトを有料で(成約金額の4%〜)掲載する事が可能でした。これはGoogleホテル広告やGoogle Hotel Ads (GHA)と呼ばれ、以前から存在します。

それが、今後はどのホテルも直接しかも無料でここに掲載できるようになりますよというのが今回の発表です。

では、GoogleトラベルとGoogle Hotel Adsとの違いは何なのでしょうか。

公式サイトには下記のように記載されています。

直訳すると

無料予約リンクは、ホテルの広告に似ているかもしれませんが、広告ではありません。

どのリンクがユーザーに最も適しているかを判断するために、さまざまなシグナルを使ってランク付けされています。

無料予約リンクのより良い配置を購入することはできませんが、広告主はホテル広告セクションでの上位表示に入札することができます。

広告は、ホテル予約モジュールの「広告」バッジで明確に表示しています。

Google Hotel Center ヘルプ

要は、

「無料で掲載出来るけど、一覧で上位掲載したいならお金払ってね」

という事です。無料のままだと、「View More Rates」を押さないと表示されないものと思われます。

Googleトラベル無料掲載方法

こちらのリンクから初期受付を開始した段階のようです。

Interest Formとあるように、申込みフォームでは無く「ご興味フォーム」となっています。こちらのフォームを入力して後日連絡をもらうという流れです。このフォームはOTAやPMSプロバイダ、単独ホテルいずれでも入力して送る事が出来ます。

Interest Formの入力内容によって後日届く案内が変わります。

Google Hotel Adsに接続出来無いPMSを利用していると入力すると、後日、「そのPMSではまだ接続出来ません」という回答が来ます。

PMSは利用していないので「ホテルを単独で掲載したい」と入力すると、下記のような添付ファイルと共にこれを参照せよというメールが届きます。

非常に難解な手続きで、実質まだ掲載は出来ないと思って良いでしょう。

今後、より簡単な方法で掲載できるようにするという事ですので、システムを鋭意開発中という事のようです。発表が若干フライングでしたね。続報を待ちましょう。

Googleトラベル利用時の注意点

今後、晴れて無料で掲載出来るようになった場合の注意点も解説しておきます。

Googleトラベルに掲載したいホテルは、公式サイトへの直接予約を増やしたいと思っているでしょう。

直接予約を増やしたい目的の裏にある本当のニーズは、「OTA手数料を抑えたい」という点です。

直接予約ならOTAに払っている10数%の手数料を抑えられるので、Googleトラベルを通して直接予約を増やす事で、

無駄な経費を減らす=収益を上げる

というのが本当の目的のはずです。

「公式予約を増やす」事自体が目的化してはいけません。

当たり前の事なのですが、これが案外実践に落とし込めていないホテルも多いのです。

どういう事か簡単に説明します。

先にご紹介した、ホテル名で検索した時に出てくるメタサーチ(価格比較)に公式サイトが掲載される際に、公式サイトの料金をOTA手数料以上に安くするホテルがあるのです。

例えば下記のような感じです

  • 公式サイト   8,000円
  • Booking.com  10,000円
  • Hotels.com        10,000円
  • 楽天トラベル   10,000円

これだと多くのゲストが公式サイトで直接申し込むでしょう。でもよく考えてみて下さい。OTAより20%も安くして直接予約を取り込むよりも、OTAだけから予約を取った方が収益があがります。OTA手数料は10%〜15%なのですから。

では割引率が逆転しないように下記のようにした場合はどうでしょうか。

  • 公式サイト   9,500円
  • Booking.com  10,000円
  • Hotels.com        10,000円
  • 楽天トラベル  10,000円

5%の値引きなのでOTA手数料よりは安いので先程の例よりは良いでしょう。ただし、ゲスト視点に立ってみると

  • 楽天ポイントが1%つくのでそこまで変わらないな
  • ホテルズドットコムなら10回泊まったら1回無料になるのでちょっと高いけどOTAで予約しよう
  • 聞いたことも無いホテルに直接予約するのも怖いので、安心の為にOTAで予約しよう

という声も出て来る為、5%程度では効果は限定的。難しい所です。

公式サイトを安くするデメリット

メタサーチで公式サイトに流入させるには料金を最安にするのが手っ取り早いのですが、そこに潜むデメリットも紹介しておきます。

デメリットその1 OTAランキングに響く

Booking.com等は、Googleやトリップアドバイザーからホテルの料金がいくらで掲載されていたのかのデータを購入しています。そのデータを元に、各OTA間の料金差異をサイト内ランキングに反映させています。

私もBooking.com時代にそのデータを日々分析していたので、それがどのようなデータだったのかも細部まで熟知していますが、本当に細かくて、例えば

他OTAと比較して前の週から料金が何%ズレた

というのがすぐにわかります。特定のOTAだけでセールをするとズレが大きくなる為、即バレます。

特に外資OTAはこの料金差異がランキングに与える影響が顕著ですので覚えておいて下さい。

また、直接予約が増える=OTA予約が減るという事にもなります。OTAの特性上、予約の少ないホテルのランキングは下がります。そうなると、集客の柱だったOTAでの売上が立たずにホテル全体の収益に響く可能性があるという点も注意が必要です。

デメリットその2 ブランディング

ハイクラスホテルなら、ブランディングの観点からも公式サイトもOTAも料金は一律にした方が良いでしょう。ブランド物の時計やバッグでも、公式サイト最安なんて言いません。高級ブランドになる程、公式サイト購入しても、代理店で購入しても基本価格は同じです。

直接予約を増やすには

直接予約を増やすには公式サイトの料金を安くするのがてっとり早いのですが、説明したように、公式サイトのみ料金を安くするとデメリットも大きくなります。

それを避ける為にも、Googleトラベルに掲載の料金は一律にして、公式サイト内でのみ提供する特典、例えば

  • 無料アップグレード
  • 無料朝食付き
  • アーリーチェックイン・レイトチェックアウト付き
  • 公式サイトのみの特別ルーム

等でアピールすれば、OTAに料金差異を検知される事無く公式予約も増やせるのでは無いでしょうか。

料金が同じだとメタサーチでクリックしてもらいにくいのは確かですが、例えばホテル名称を何かしらの特典がある事をアピールして下記のようにしてみるとクリック率が上がります。

  • ABCホテル 公式サイト特典有り 10,000円
  • Booking.com  10,000円
  • Hotels.com        10,000円
  • 楽天トラベル  10,000円

デメリットを避けつつある程度の流入も見込めるでしょう。

まだまだこれから詳細が決定していくGoogleトラベル無料掲載。内容が判明次第、随時アップデートしていきます。