最終更新日:2026年9月24日
「予約直後に、すぐ安い宿へ乗り換えてくるゲストがいる」——もし思い当たることがあれば、その背景にはGoogleの「ある機能」があるかもしれません。
宿泊客にとっては嬉しい、でも宿側からするとちょっと頭の痛い機能。今回は、できれば教えたくない「ホテル価格トラッキング機能」について、ホテル・民泊のオーナー様向けに、仕組みと宿側の対策までまとめます。
こんなこと、起きていませんか?
☑料金を下げた直後に、既存の予約がキャンセルされた
☑同じ日程・同じ部屋で、安い料金の予約が入り直していた
☑直前に値下げしたのに、予約件数はほとんど増えていない
☑ダイナミックプライシングの直前割引が、思った以上に深く入っている
夜間対応や日々の運営業務を一人で
抱えているオーナーの方へ
予約確認、問い合わせ返信、チェックイン案内、鍵の受け渡し、清掃手配、レビュー確認。
宿が順調に動いていても、それを支えるためにオーナー自身が動き続けている状態では、休まる時間がなくなります。
特に夜間対応まで自分で行っている場合、
精神的な負担は大きくなりがちです。
この状態を改善するには、問い合わせ対応やチェックイン、清掃調整などを仕組み化し、
自分が常に動かなくても回る体制をつくる必要があります。
マイズインバウンドに無料相談するメリット
- 夜間対応を含む日々の業務をどこまで減らせるか分かる
- 問い合わせ対応、鍵対応、清掃手配などを外部に任せる方法を整理できる
- 無人チェックインや自動メッセージ送信など、省力化の方法を確認できる
- 自社対応を減らしても運営品質を保つ方法を相談できる
- オーナーが現場に張り付かなくても回る仕組みを検討できる
宿の運営を長く続けるためには、オーナー自身が疲れ切らない体制づくりが欠かせません。
まずは無料相談で、負担を減らす方法を具体的に整理してください。
Googleの「ホテル価格トラッキング機能」とは
POINT
日程・エリア・条件を登録しておくと、ホテル料金が大きく下がったときにGoogleからメールが届く機能です。
Googleのホテル検索(地図とホテル一覧が並ぶ、いわゆる「Googleマップでホテルを探す」画面)で、任意のエリア・日程・フィルタ(人数、★の数、設備など)を設定しておくと、条件に合うホテルの料金が大きく下がったタイミングで、自動的にメール通知が届きます。
利用者側の手間はほぼゼロ。一度条件を登録しておけば、あとは値下がりを待つだけで「お得情報」が向こうからやってくる、という仕組みです。
■設定する場所
ホテル検索の画面で、検索条件(フィルタ)のすぐ下にある「料金をトラッキング」のスイッチをオンにするだけです。オンにすると表示が「料金をトラッキング中」に変わり、追跡中の日程と条件が小さく表示されます。

Googleアカウントにログインしている必要があり、通知はそのアカウントのメールアドレスに届きます。
■エリア単位とホテル単位の2通りがある
どちらも、表示されるのはOTAや公式サイトなど複数の販売先の料金です。つまりどの販売チャネルで値下げしても、通知のきっかけになり得るということです。なお、画面の文言や設定場所は端末や時期によって変わることがあります。
出典(2026年9月確認):Google Japan Blog(2025年4月)/Google The Keyword(2025年3月)/Skift(2026年4月)。通知が届く値下がり幅の基準は公表されていません。
Googleマップの価格比較の仕組みそのものは 自社予約が伸びない宿へ|Booking.comがGoogleマップで最安を取る仕組みと対策 で詳しく解説しています。
なぜ宿側にとって「ちょっと迷惑」なのか
POINT
予約した「あと」に追跡されると、値下げのたびに予約が他の宿や安い料金へ流れていきます。
■予約した「あと」に設定されると、乗り換えが起きる
問題はその使われ方です。
宿泊客がホテルを予約した「あと」にこの通知を設定しておくと、料金が下がるたびに、より安い宿へどんどん乗り換えられてしまいます。宿側からすれば、せっかく取った予約が、価格変動のたびに他社へ流れていくわけです。
「料金を変更した途端に、すぐ安い方へ乗り換えるゲストがいる」その背景には、この価格トラッキング機能が関係している可能性が高いと考えられます。
■客室が多い宿ほど「同じ宿での取り直し」も起きる
一棟貸しの民泊のように1室しかない宿なら、すでに予約が入っている日に同じ宿で取り直されることはありません。流出先は他の宿です。
一方、同じ部屋タイプが複数あるホテルでは、値下げした瞬間に既存の予約が同じ宿の安い料金に取り直されることがあります。予約件数は変わらず、単価だけが下がる形です。
その値下げで増えたのは、新しい予約ですか?それとも取り直しですか?
■乗り換えが起きやすい予約の条件
乗り換えには「元の予約を無料でキャンセルできること」が欠かせません。つまり、キャンセル無料期限までの期間が長い予約や、事前決済なしで押さえられる予約ほど、乗り換えのリスクを抱えています。逆に、返金不可の予約やキャンセル料がかかる期間に入った予約は、値下げしても動きにくくなります。
視点を変えると、悪いことばかりでもない
とはいえ、考え方次第です。
■他の宿に流れるより、自宿で取り直してもらう方がいい
他の宿に丸ごと乗り換えられてしまうくらいなら、同じ宿で予約を取り直してくれる方がまだありがたい、という見方もできます。値下げに反応して動くゲストの存在を前提に、自宿で受け止める設計にしておく、という発想です。
■値下げに反応するゲストは、売り残りを埋めてくれるゲストでもある
価格を追跡しているゲストは、裏を返せば「条件が合えばすぐ予約するゲスト」です。売れ残りそうな日程の値下げが、通知を通じて早く届くとも言えます。
大切なのは、値下げで新しく埋まる予約と、取り直しで下がる既存予約の単価の両方を見て判断することです。次の章で、具体的な対策をまとめます。
宿側の対策|乗り換えられにくい料金とプランの設計
POINT
値下げの「やり方」と、キャンセル条件・販売チャネルの設計で、乗り換えの損失は小さくできます。
■対策1:値下げは直前に、段階的に行う
販売開始から早い時期に大きく値下げすると、その後の予約だけでなく、すでに入っている予約にも取り直しのきっかけを与えます。値下げは「売れ残りがはっきりしてきた直前の期間」に絞り、一度に大きく下げず、段階的に行うのが基本です。
値下げ幅は、「この値下げで新しく何件埋まりそうか」と「既存の予約が取り直された場合にいくら単価が下がるか」を比べて決めます。同じ日にすでに予約が多く入っている部屋タイプほど、取り直しで失う額が大きくなるので慎重に判断します。
■対策2:既存予約のある部屋は下げず、別の部屋・プランで売る
複数の部屋タイプがある宿なら、売れ残った上位の部屋をそのまま値下げするのではなく、下位の部屋タイプの販売数を増やして売り、当日にアップグレードで案内する方法もあります。上位の部屋の料金は動かないので、既存予約の取り直しが起きにくくなります。
具体的なやり方は マズイ!部屋が結構売れ残った!そんな時に直前で料金を下げずに売り切る裏技 で紹介しています。
■対策3:キャンセルポリシーの無料期限を見直す
取り直しができるのは、キャンセルポリシーで定めた無料期限までです。期限がチェックインの直前まで続く設定だと、その分だけ長い期間、値下げのたびに乗り換えのリスクを抱えることになります。
立地や客層によって適切な期限は変わりますが、値下げをしがちな直前の期間が、無料キャンセル期間と重なっていないかは一度確認しておきたいところです。
日程変更を使ったキャンセル料回避への備えも含めたポリシー設計は 「日程変更してキャンセル」への宿の備え方|キャンセルポリシーと対応ルール にまとめています。
■対策4:返金不可プランを併用する
通常プランとは別に、割安な返金不可プランを用意しておくのも有効です。返金不可の予約は、その後に値下げしても無料で乗り換えることができません。
返金不可プランを事前決済にしておけば、取りっぱぐれもありません。「安さを優先して早く決めたいゲスト」には返金不可、「柔軟さを優先したいゲスト」には通常プラン、と選んでもらう形です。
■対策5:公式サイトを「取り直しの受け皿」にする
乗り換えるゲストに、他の宿ではなく自宿で取り直してもらうには、Googleのホテル検索に自宿の公式サイトの料金も並んでいることが前提になります。
公式サイトの料金をOTAより高くしない(ベストレート)ことに加えて、公式サイト限定の特典など「公式サイトで予約する理由」を用意しておくと、取り直し先に公式サイトを選んでもらいやすくなります。OTA手数料がかからない分、同じ取り直しでも宿の手取りは残りやすくなります。
■対策6:ダイナミックプライシングの値下げ判定を点検する
PriceLabsなどのダイナミックプライシングは便利ですが、自動で直前に値下げする設定がそのままになっていると、需要がある日でも深く下げてしまい、取り直しを招くことがあります。
ダイナミックプライシングで確認したいこと
✔直前割引(PriceLabsのLast Minute Discountなど)の割引幅と開始日が、エリアの需要に合っているか
✔最低価格が空欄のまま、際限なく下がる設定になっていないか
✔すでに予約が多く入っている日まで、自動で値下げされていないか
✔PMSなど他のシステム側の最低価格設定と競合していないか
設定の落とし穴は ホテルのダイナミックプライシングで失敗する5つのパターン|PriceLabs設定の落とし穴 で、実際の失敗例とあわせて解説しています。
料金設定は「OTAの外側」まで見て
客室数が増えれば増えるほど、料金コントロールは複雑になっていきます。OTAの管理画面だけを見て価格を決めていると、こうした外部機能の影響を見落としがちです。
GoogleマップをはじめとするOTA以外の動きも把握したうえで、料金設定を組み立てていく。価格戦略を考えるうえで、押さえておきたい視点のひとつです。
■Googleのホテル検索で、自宿の見え方を定期的に確認する
ゲストと同じ画面を見るのが一番の近道です。自宿を検索して、どの販売先がいくらで並んでいるか、公式サイトは表示されているか、近隣の宿と比べて価格がどう見えるかを、繁忙期の前などに確認しておきましょう。自分で価格トラッキングを設定して、周辺の値動きを受け取ってみるのも一つの方法です。
■無料予約リンク・Googleホテル広告で公式サイトを並べる
Googleには、ホテルの公式サイトの料金をGoogle検索・Googleマップ・YouTubeに表示できる「無料予約リンク」の仕組みがあります。予約ページのURLは公式サイトである必要があり、料金は税金・手数料を含めて表示する決まりです。
2025年7月30日以降、Googleビジネスプロフィールに宿泊料金を表示するには、予約エンジンなど連携パートナー経由での接続が必要になっています。使っている予約エンジンやPMSが対応しているかを確認してみてください。広告費をかけて表示を強化したい場合は、Googleホテル広告という選択肢もあります。
出典(2026年9月確認):Hotel Center ヘルプ(Google ビジネス プロフィールに料金と空室状況を追加して管理する方法)/Hotel Center Help(About hotel free booking links)。仕様は変わることがあるため、最新の内容はヘルプでご確認ください。
値下げは「どこに届くか」まで考えてから。
まとめ|価格トラッキング時代の料金設定
この記事のポイント
✔Googleのホテル検索では、日程・エリア・条件、またはホテル単位で料金を追跡でき、大きく下がるとメールが届く
✔予約「後」に追跡されると、値下げのたびに他の宿や同じ宿の安い料金へ乗り換えられる
✔値下げは直前に段階的に。既存予約のある部屋は下げず、別の部屋・プランで売る
✔キャンセルポリシーの無料期限の見直しと返金不可プランの併用で、取り直しの余地を小さくする
✔公式サイトをGoogleに並べ、ベストレートと特典で「取り直しの受け皿」にする
✔ダイナミックプライシングの直前割引・最低価格は定期的に点検する
価格トラッキングは、ゲストにとっては便利な機能です。止めることはできないからこそ、値下げが「新しい予約」につながるのか「取り直し」で終わるのかを見極めながら、料金とプランを設計していきましょう。
弊社では、料金設定・ダイナミックプライシングの運用からキャンセルポリシーの設計、公式サイトの予約導線まで、運営代行として一括でサポートしています。詳しくは サービス内容 をご覧ください。
📚 あわせて読みたい
よくある質問
Googleのホテル価格トラッキング機能とは何ですか?
Googleのホテル検索で日程やエリア、フィルタなどの条件を登録しておくと、条件に合うホテルの料金が大きく下がったときにメールで知らせてくれる機能です。2026年4月には、特定のホテル単位で追跡できるようにも広がったと報じられています。通知はログインしているGoogleアカウントのメールアドレスに届きます。
宿側で自分の宿を価格トラッキングの対象から外すことはできますか?
宿側で対象から外す設定は確認できません。表示されるのはOTAや公式サイトなど、Googleに料金が掲載されている販売先の料金です。止めることを考えるより、値下げのやり方やキャンセル条件の設計で、乗り換えによる損失を小さくする方が現実的です。
一棟貸しの民泊でも影響はありますか?
1室しかない一棟貸しでは、すでに予約が入っている日に同じ宿で取り直されることはありません。ただし、無料キャンセルできる予約であれば、エリア内の他の宿が値下げしたときに、そちらへ乗り換えられる可能性はあります。キャンセル無料期限や返金不可プランの設計は、一棟貸しでも見直す価値があります。
値下げするときに乗り換えを防ぐコツはありますか?
値下げは売れ残りがはっきりしてきた直前の期間に絞り、一度に大きく下げず段階的に行うのが基本です。すでに予約が多く入っている部屋タイプは値下げせず、下位の部屋タイプの販売数を増やして当日アップグレードで案内する方法もあります。
返金不可プランを作ると予約が減りませんか?
通常プランと並べて選べるようにしておけば、柔軟さを優先するゲストは通常プランを、安さを優先するゲストは返金不可プランを選べます。返金不可の予約は、その後に値下げしても無料で乗り換えることができないため、直前の値下げによる取り直しのリスクを抑えられます。
公式サイトの料金をGoogleに表示するにはどうすればよいですか?
Googleの無料予約リンクを使うと、Google検索・Googleマップ・YouTubeに公式サイトの料金を表示できます。2025年7月30日以降は、予約エンジンなどの連携パートナーを通じた接続が必要になっているため、利用中の予約エンジンやPMSが対応しているかを確認してください。
PriceLabsなどのダイナミックプライシングを使っていれば安心ですか?
自動で価格を調整してくれる一方、直前割引の初期設定のままだと需要がある日でも大きく値下げされ、取り直しを招くことがあります。直前割引の幅と開始日、最低価格、すでに予約が多い日の扱いなどを定期的に点検することが大切です。
\値下げのたびに予約が動いてしまう、そんな料金設定の悩みは弊社にご相談ください/
Booking.com 那覇オフィス立ち上げ時 から数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。
現在は沖縄県を中心に200室以上の宿をサポート中。
OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。