公開日: 2020年8月18日
最終更新日 : 2023年6月21日
コロナウイルスの影響でホテルも非対面が推奨されています。また、人件費が大きい為に、ホテルを無人化したいと考えている宿泊施設も多いのではないでしょうか。そこで本日はホテルの無人化に必要な事を全部まとめて御紹介します!これを読めば、スマートホテル・無人ホテルがどのように運営されているのかが分かります!オススメのシステム等も含めて御紹介しますので、無人化を検討中の方は是非参考にしてみて下さい!
法的に必要な事
システム云々以前に、まず無人ホテルに必要な法的な部分を簡単におさらいしておきます。旅館業法にも記載されていますので、最終的にはご自身でかならずご確認下さい。
ホテルの無人化にあたりネックとなる主な点を上げると
- 本人確認
- 宿泊名簿の作製
- 外国人ゲストのパスポートコピー
- 防犯カメラによる出入りの確認
- 緊急駆付け
等があげられます。有人ホテルでは何の問題もなく出来る事が無人化する事難しくなるのです。
1〜3の部分は後ほど紹介するITシステムで解決します。
防犯カメラは旅館業取得時に設置しているホテルが殆どかと思いますので、あまり心配は無いでしょう。まだの施設は設置しましょう。
緊急駆付けに関しては、代行会社、清掃会社、警備会社等と連携する事で対応が可能となります。清掃会社だとFive-Starさん、警備会社だと南日本警備保障さんが対応しています。
システム的に必要な事
ここからが本題。無人化はITのシステム無しには成り立ちません。人力で遠隔操作というのも可能ではありますが、人の力を使うと効率的では無い上に数が多くなればミスが発生します。そこで、ホテル無人化に便利なシステムを満遍なく御紹介! 結論を先に言っておくと、Aisthosというシステムと若干の補完システムでほぼ解決します。
サイトコントローラー
サイトコントローラーは一般的な有人のホテルでももともと利用しているかと思いますが、OTA間の部屋の在庫を同期させるシステムです。オーバーブッキングを避ける為にも有人無人ホテル問わず必要です。恐らく一般的なホテルで利用しているサイトコントローラーは
- ねっぱん
- 手間いらず
- TLリンカーン
あたりが多いのではないでしょうか。これらは非常に優れたサイトコントローラーですが、無人化するにはこの後紹介するようないくつかの機能が足りません。
小規模ホテルを無人化するのであれば、AirhostやBeds24というシステムがサイトコントローラー機能と合わせて様々な機能が搭載されているのでオススメです。
部屋割システム
ホテルでは入った予約を各部屋に割り当てる必要があるのですが、昔ながらのホテルはこれを紙で管理したり、エクセルで管理したりしていました。
この部屋割を間違えると、上手く部屋が埋まらず、収益が最大化しません。多少の慣れが必要だったのですが、これを自動で部屋割りするシステムが存在します。
この部屋割機能は上記で紹介した有人ホテルに多いサイトコントローラーだと別途PMS(プロパティ・マネジメント・システム)を導入する必要が出てきますが、Airhost、Beds24なら自動部屋割システムも搭載されているので便利です。
自動メッセージシステム
無人化ホテルではこれがキモになります。入った予約に対して、どのようにチェックインするのか、鍵はどうやって受け取るのか、鍵の番号は 等、有人ホテルでは必要のない色々な事をお伝えする必要があります。
例えば一例として
- 予約直後にお礼のメッセージを送信
- チェックイン◯日前に、住所や駐車場等の情報を連絡
- チェックイン◯日前に、部屋番号や鍵の受け渡し方法等を部屋別に連絡
- チェックイン日にゴミの捨て方やハウスルールを連絡
- チェックアウト前日に明日がチェックアウト日である旨とチェックアウト方法を連絡
- チェックアウト◯日後にお礼のメッセージとクチコミ投稿を促すメッセージを送信
等を全て自動化出来ます。部屋番号等も先に紹介した自動部屋割の部屋別にそれぞれ違うメッセージを送る事が可能です。
Airhost、Beds24にはきめ細かいメッセージ機能がある為、これらにも全て対応出来ます。
鍵の受け渡し
無人での鍵の受け渡しは色々な方法があるかと思いますが、例えばキーボックスやスマートロックを利用した運用もその一つです。
予約者にメッセージでキーボックス/スマートロックの番号をお伝えして鍵を受け取ってもらう/入室してもらう
というイメージです。この場面で先に紹介した自動メッセージが必要になってきます。
セキュリティ上、割り振った部屋一つ一つ鍵の番号が違うので、一括メッセージでは対応出来ないのです。
安全な鍵の受け渡しもシステム連携させる事で、自動メッセージと組み合わせる事で実現出来ます。システム連携していないと、手動で予約ごとに番号を送る必要が出てきてしまいます。
オススメはKeycafeというIT連携した集合キーボックス。初期費用が13万円程度で月額システム費用も4900円と導入しやすくなっています。
AirhostはKyecafeとAPI連携しています。
他にもスマートロックを導入する手段があります。スマートロックの例としては、RemoteLockというのがありますが、Keycafeに比べて初期費用が若干お高め。RemoteLock自体の利用料はこんな感じです。
品目 | 提供元 | 金額(税別) |
鍵本体 | Remote Lock | 35,000円/部屋 |
鍵取り付け工事 | 地元鍵業者 | 30,000円/部屋 |
鍵管理クラウドシステム | Remote Lock | 1,500円/施設 |
スマートロック連携 | AirHost | 300円/部屋 |
鍵自体の取り付けが発生する為、費用、工事期間共にかかってきます。
また、将来的に賃貸に戻す事があるとすれば、その時に再度鍵を通常の鍵に付け替える必要がある為、余計に費用がかかります。
Airhost、Beds24はRemoteLockとAPI連携しています。
決済システム
無人なので現地での決済が出来ません。ホテルの中には自販機のような支払機を置く施設もありますが、あれは高額なのでオススメ出来ません。無人ホテルの場合はOTA予約は全て事前決済にする必要があります。
そこでネックになってくるのがブッキングドットコム。他OTAのようにサイト側で事前決済のみに絞る事が出来ないのです。事前に代金を徴収するには、別のシステムを組み合わせてホテル側からゲストクレジットカードに課金する必要があります。これが理由でブッキングドットコムで販売していない施設もあるかと思いますが、ブッキングドットコムはインバウンドのみならず日本人相手でも集客力があるので無視できないのが悩ましい所です。
そこで便利なのがStripeというシステムとの連携、というかほぼこれ一択。これを噛ませる事で、ブッキングドットコムも全て事前に自動で決済出来ます。
ブッキングドットコムは新規施設は事前決済ポリシーが利用出来ないのですが、それを可能にする裏技も合わせて下記で紹介していますので気になる方はどうぞ。
Airhost、Beds24は当然Stripeとの連携に対応しています。
チェックイン
先に紹介した
- 本人確認
- 宿泊名簿の作製
- 外国人ゲストのパスポートコピー
はチェックインタブレット等で対応可能です。
下記のようなサービスで対応出来ます
- MinpakuIn 2,480円〜
- ABCチェックイン 2,980円〜
- LiveCall 4,980円〜
- Airhost チェックイン 1,500円〜
料金は部屋数、オプションによる
これらのシステムで遠隔で本人確認や名簿作製、外国人のパスポートコピーが可能となり、無人チェックインが可能になります。
オススメシステム
ここまで紹介したシステムに対応しているのは、文中にも頻繁に出てきているAirhostとBeds24かと思います。どちらにするかは下記で徹底比較していますので参考にして下さい。
現在の状況だと日本人ゲストの取り込みが必須なので楽天・じゃらんと連携出来るAirhostに軍配かなと思います。
オフラインで必要な事
システムで解決出来ない点もあります。代表的なものは清掃、電話対応でしょう。一つづつ説明します。
清掃
清掃員はホテルで雇っている場合はそのまま継続すればOKです。その方が安く済む為、むしろそうしなければいけません。どうしても外注する場合は下記に沖縄県内の清掃業者をまとめていますのでどうぞ。
電話対応
「チェックインが出来ない」「チェックインメッセージが届いていない」「お湯が出ない」等の連絡がゲストから来る事があります。これもシステムでは対応出来ないので、オフラインで行う必要があります。自社スタッフで対応する事が出来ない場合は運営代行会社等を利用するのも手です。
運営代行会社は、電話対応以外にも料金コントロールやプロモーション等もお任せ出来るので、委託先を間違えなければ自社で行うより収益が出る場合があります。
運営代行会社は下記でまとめていますので、検討中の方はご参照下さい。「民泊運営代行」と記載していますが、ホテルもお任せ出来る場合がありますので直接ご確認下さい。
注意して頂きたいのは、民泊専門の代行会社はホテル運営に向いていない事が多い点です。一昔前にはAirbnbだけで販売している代行会社もありましたが、客室数が多いホテルをAirbnbだけで販売しても稼働が上がりません。
最低でも楽天、じゃらん、ブッキングドットコム、Airbnbで併売出来るかどうか。出来ればエクスペディアとアゴダも販売出来るかを代行会社に確認する方が良いでしょう。
なぜこれらのOTAなのかは、沖縄県内の予約サイト別の集客力をまとめた下記を参考にして下さい。
以上、ホテルを無人化・自動化する為の方法でした。
人件費を削るという目的だけでは無く、コロナウイルス対策としての「非対面」を実施する事でゲスト・スタッフの安全も守れます。コレを期に無人のスマートホテルをご検討してみるのも良いかもしれませんね。
弊社ではホテル無人化のお手伝いもしております。気になる方はお気軽にお問い合わせ下さい(宣伝)
元Booking.com アカウントマネージャー。数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。