最終更新日 : 2025年11月26日宿泊業において1年で最大の繁忙期である年末年始。同じ年末でも「曜日・並び」によって需要の伸び方は大きく変動します。だからこそ、“去年の設定のコピペ”は最も危険な運用方法です。 そこで本日は年末年始の料金設定におけるコツをご紹介します。
料金設定の考え方
日並びによって“需要の量”や“動き出すタイミング”は変わりますが、
年末の“日付ごとの強さ(S/A/B/Cの順位)”は毎年ほぼ同じです。
この考え方を押さえておくと、年が変わっても価格設定の軸がブレません。
結論、
①日並びを需要ランクに変換 → ②ランクごとの倍率を決定 → ③最低価格に落とし込む
この3ステップだけでOKです。
①日並びを「需要ランク」に変換する
・年によって日並びは変わりますが、需要の強さは毎年ほぼ必ずこの順番になります
【最上位(S)】
12/29・12/30・12/31・1/1
→ カップル・家族・帰省・イベントが全部重なる「神日」
【強い(A)】
12/28
1/2
→ 前入り組・後泊組が多い
【中間(B)】
1/3
→ 徐々に帰省客が減り始める日
【弱い(C)】
12/26・12/27
1/4・1/5
→ 休暇の谷間
② 需要ランクごとに「倍率」を固定しておく
・日並びが違っても、ランクごとに倍率が決まっていれば毎年安定します。
③ ランク別に最低価格を割り当てる
・例えば、過去の年末の平均価格ADRが「55,000円」だった場合は以下のように最低価格を設定
→ これなら日並びが違っても一切ブレません。
Cは0.8くらいまで設定してもいいかもしれません。
注意してほしいのは、「販売価格」ではなく、「最低価格」という点
販売価格はダイナミックプライシングのシステムで決めてもらって、最低価格をこちらで指定してあげると効果的です。
なぜこの方法でOKなの?
・どの年も「強い日」はだいたい同じ
・違うのは“曜日の位置”と“強さの大小”だけ
・ランク制にすると 毎年同じ基準で最適化できる
やり方は簡単!
① 過去データから「年末の平均ADR」を出す
② 上のランク表をそのまま当てはめる
③ あとは OTA・競合を見ながら微調整
これだけで「攻めすぎない・安売りしない」ラインが完成します。
すでにSランク相当の料金にしても予約が動かない場合は、
ワンランク下げてAランクの価格帯から試すのがおすすめです。
大事なのは「一度決めたら終わり」ではなく、設定後も小さく調整し続けることです。
以上を参考に年末年始の料金を設定してみてください!

元Booking.com アカウントマネージャー。那覇オフィス立ち上げ時から数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。

