作成日:2026年2月18日 / 最終更新日:2026年2月20日
毎日のように届くゲストからの問い合わせ。
1件あたりは数分でも、積み重なれば大きな業務負担になります。
「返信に追われる時間を減らしたい」
そう感じているホテル・民泊オーナーの方向けに、今回は「AI自動返信システム」をご紹介します。
この仕組みは、各施設のGoogleスプレッドシートをAIが毎回参照し、多言語で返信文を自動作成するもの。学習型ではなく「常に最新情報を参照する構造」なので、既存のQ&Aや施設情報をそのまま活用できます。
Gmail・スプレッドシート・GASだけで構築可能。
1件2〜3分かかっていた返信作業を、ほぼゼロにできます。
本記事では、その仕組みと具体的な導入方法をわかりやすく解説します。
AI自動返信システム
具体的にどういったものかをご説明します。
弊社では複数のホテルをサポートしているため、各宿ごとに用意しているGoogleスプレッドシートがあります。それには以下のような情報が網羅されています。
- 施設情報
- 設備、アメニティ情報
- 個別ルール
- Q&A一覧
実際のシートの例


弊社ではこのようなスプレッドシートを一つの宿につき1ページ作成し、ゲストから問い合わせがあるたびにスタッフが確認して問い合わせに対応していました。
ゲストからの質問で新しく確認した事項はどんどんQ&Aとして付け足していきます。
現在ではこのシートを、AIがその都度参照し、多言語で返信文を自動作成してくれます。
メッセージ数が多い施設ほど、圧倒的な時短になります。
運用フロー
実際の流れとしては以下のようになります。
- ゲストからの問い合わせはエアホスト(管理システム)経由で受信
- 通知はGmailに届く
- AIがメール内容を自動解析(言語問わず対応)
- 該当宿のGoogleスプレッドシートを参照(全て日本語で記載)
- 内容に基づき、問い合わせ言語に合わせて返信文を自動作成
- Gmailの下書きに保存
- 内容を確認
- メール内リンクからエアホストへ移動
- 返信文をコピペして送信
6までは自動処理
7から人間の手がはいります。
といっても、確認とコピペのみですので業務量は圧倒的に減ります。
実際の返信文
ゲストからの問い合わせはOTAを問わず全てエアホストというシステムを通して行ってます。
ゲストからメッセージを受信するとそのエアホストからの通知は以下のようにGmailに届きます
それに対し、自動で5分おきにメールボックスにある未処理のメールをAIが判別して、その施設の特定のスプレッドシートを参照して以下のような文章を作成してくれます。
このメッセージはメールの下書きに保存されています。
強調する際の ** が気になる場合は、「」を利用するように修正することも可能です。
この例では日本語の問い合わせですので返信文も日本語ですが、英語の質問に対しては日本語と英語で、中国語や韓国語での質問に対しては日本語とその言語で返信文を作成するようにしています。
内容を確認して問題なければ、同じメール内にあるエアホストの該当ページへのリンクをクリックしてエアホスト内からゲストにメッセージを送信するという流れです。
弊社ではエアホストを利用していますが、仕組みとしては、GoogleスプレッドシートとGmailの組み合わせですので、PMS(管理システム)が何であっても対応が可能です。
実際の効果
これまで1件あたり約2~3分かかっていた返信作業がほぼゼロに。
1日数十件の問い合わせがある施設では、業務負担が大幅に軽減されます。
Q&Aも個別に作成して登録する必要はなく、現在利用しているGoogleスプレッドシートをAIが自動で読み込んで解析してくれるため、Q&A作成の手間も省けます。
返信文はスプレッドシートの情報を細かく参照して作られるため、かなり具体的な内容になります。
さらに
・返信ルールの追加
・禁止表現の設定
・案内方法の統一
なども自由にカスタマイズ可能です。
スプレッドシートにオーナーの電話番号等が記載されている場合は「電話番号等の個人情報は使用しないで」と指示すればそのようにコードを修正してくれます。
追加するルール
以下のルールも追加するとうまく動作します。
- アスタリスク「*」は一切使用しない
- 読みやすいように、必要に応じて箇条書きを使用する。
- 質問に対して 「はい、〜」のような妙な言い回しは不要
- 問い合わせを受けているのは宿(ホテル、貸別荘)側ですので、宿側からの回答として回答文を作成
- ホテルに確認いたしますとか、知識ベースに持ち合わせていませんのような回答文の作成はしない
- シート内にある電話番号等の個人情報は伝えない
これだけでもAIっぽさが無い回答になります。
以下の場合は、返信文は作成しないという条件も付け加えると無駄な返信文の作成が抑えられます。
- メッセージが空
- 定型的な承諾・お礼のみ(短文) キーワード例:わかりました、ありがとう、了解、ok、thanks等 言語問わず
- 画像のみの送信
- メールアドレスのみの送信
この仕組みの最大の特徴
この仕組みは、Q&AをAIに「学習」させる方式ではありません。
毎回スプレッドシートを参照する仕組みです。
そのため
・既存のGoogleスプレッドシートをそのまま活用可能(専用に書き換える必要は無い)
・Q&Aを手動で追加すれば即返信文に反映
・常に最新情報を参照
GmailとGoogleスプレッドシートの組み合わせですのでどのようなホテルでも民泊でもどんな宿にも応用可能な構造になっています。
弊社の場合はエアホストを利用していますが、エアホスト以外のPMSでも活用できるかと思います。
使用ツール
使用したのは以下
・Gmail
・Googleスプレッドシート
・GAS(Google App Script)
すべてGoogle環境内で完結します。
外部ツール連携は不要です。
コード作成にはGoogle製の「Antigravity」という無料ツールを使用しました。
実際、プログラミング未経験でも約4時間で構築できました。
実際に行ったのはAntigravityへの「こういうのを作成して」という指示とコピペだけ。どなたでも実現可能です。
費用
自社開発のシステムのため、外部に販売しているものではありません。
とても簡単な仕組みですので誰でもほぼ無料で構築できるかと思います。
・テスト運用まではほぼ無料で実装可能(1日20件程度まで無料)
・実運用で問い合わせ数が多い場合のみ、Gemini API利用料が少額発生
まずは試してみることができます。
メッセージ返信に追われている方には本当におすすめです。
設定方法
①Antigravity側での処理
- Antiravityをインストール(インストール方法はYouTube等で紹介されています)
- Antigravityに本ブログの内容をコピペして「こんなの作りたい」と伝える
- Antigravityがコードを生成してくれる
②Googleスプレッドシート(App Script)側での処理
- 施設情報、Q&Aが記載されているスプレッドシートを開く(利用するGmailアカウントで開く)
- 上部メニューにある 拡張機能>App Script をクリック
- そこにAntigravityが生成してくれたコードを貼り付けて「実行」を押せば処理が始まります
途中でGoogleスプレッドシートにアクセスする為の権限の許可と、Gemini APIキーを作成して貼り付ける作業がありますが、それもAntigravityがどのようにやるのかをステップ・バイ・ステップで分かりやすく指示してくれます。
うまく返信文が作成されない場合は、その都度Antigravityに伝えて新しいコードを生成してもらって、App Scriptにコピペして調整
この時に、返信文は丁寧にするのかフランクに行くのかを指定したり、禁止事項やルール等をAntigravityに伝えてコードを生成してもらいます。
③自動処理(App Script)
App Script左側にある時計マークから「トリガー」を5分おきに設定すれば5分ごとに自動でメールをチェックして未処理のメールがあれば返信文を作成してくれます。

1分だと頻度が高すぎてエラーが出たりするので5分くらいがオススメです。
上記全てをAntigravityが自動で処理する方法もあるようです。凄い時代になりました。
今回ご紹介したAIによる自動返信システムは将来的にはPMS(管理システム)に標準実装されそうな仕組みですが、それまでの「つなぎ」としても十分価値がありますね。
AIに任せられるところはAIにお任せして、人間しかできない部分に業務を集中していきましょう!
メッセージ処理に時間を取られている方やスタッフの業務量削減をしたいホテルは是非お試しください。
弊社では小規模ホテルの無人運営のお手伝いをしております。
今回ご紹介したようなAIを活用して業務を効率化持ちなりAIを利用して売上を上げるお手伝いをしております。
気になる方は、以下よりお気軽にお問い合わせくださいませ。
※今回ご紹介したAI自動返信システムだけの実装のお手伝いはしておりませんので、あらかじめご了承くださいませ。
元Booking.com アカウントマネージャー。那覇オフィス立ち上げ時から数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。


