最終更新日 : 2025年9月16日アゴダに限らず、影響力を持ったOTAは定期的に叩かれています。今日はそんな大手OTA達の過去の黒歴史を振り返ってみます
2018年 Airbnb 闇民泊問題
今から10年近く前に、民泊が流行りだした頃には旅館業無しの闇民泊が大流行。今でこそ闇民泊と揶揄されますが、当時はみんな当たり前に許可無しでアパートやマンションの一室を民泊としてAirbnbに登録、貸し出していました。
旅館業違反の罰金が5万円と格安だった事もあり摘発覚悟で参入する個人オーナーも多かったのでしょう。バレて罰金になても1〜2泊で元が取れるとんでもない状況でした。(現在は無許可営業は100万円の罰金)
Airbnb側も許可無しの物件を分かっててバンバン掲載するも、問題が表面化。民泊新法の制定につながりました。当時、闇民泊をしていた多くのリスティングが強制削除になりました。
民泊新法以降、Airbnbは闇民泊の巣窟というイメージ脱却を図って、積極的に自治体や公的機関をの提携を発表。今ではクリーンなイメージが定着しています。
2019年 楽天トラベル・Booking.com 独禁法問題
「最安値を提供しろ!」という契約がいかんという事で公正取引委員会による強制調査がBooking.comと楽天トラベルの2社に入りました。
この「最安値保証」契約はBookingと楽天に限った話ではなかったのですが、最も影響力のある2社に捜査に入る事で一定の抑止力を持たそうとしたのでしょう
長期間にわたる調査を実施。結果的に両社は独占的な契約条項を削除する方向にシフトしました。
2023年 Booking .com未払い問題
Bookingから宿への宿泊代金の未払いが長期化。Bookingからの説明はシステム不具合という事でしたが、あまりに長期化した為、訴訟問題まで発展。そこから一気に展開が動き出し無事支払われる結果に。主に中小零細の宿が影響を受けました。
当時、Bookingの経営不安説が囁かれましたが、Booking Holdingsとして上場している為、公開資料を見れば資金的に全く問題がないのは明らかでした。Bookingが潰れるなら、他OTAも全て潰れるというくらい抜群の財務状況を誇っていました。現在に至るまでその経営指標は群を抜いています。
当ブロクでも「経営的に問題無し。本当のシステム不具合での入金遅れだ」という主張を展開しました。不安なホテル様には安心感を与えられたのではないかと思います。
2025年 Agoda転売問題
OTAの在庫が宿の同意なく勝手に転売され、Agoda上で販売される問題。転売時のシステム連携がうまくいっておらず、部屋タイプ相違や売り切れ済みの販売、メッセージが届かない不具合等が多発しました。
かなり前から存在していた問題ですが、Agodaが最近存在感を増してきている事から、被害を訴える宿が急増。大きく報道され、行政指導が入るまでになりました。
OTAとのつきあい方
どのOTAも急拡大する上でシステムやガバナンスが追いつかず問題が表面化しているのかもしれません
過去に問題の合ったOTAは現在はいずれも強力な販売パートナーです。最近ヤバいアゴダも、裏を返せば今後は欠かせないパートナー先になるのではないでしょうか
イライラする事も多いのですが、切り捨てる事なくうまく付き合っていきたいと思います

元Booking.com アカウントマネージャー。那覇オフィス立ち上げ時から数百以上の宿泊施設にウェブ販売をアドバイス。アパートメントタイプから、ビジネス・リゾートホテル、グローバルチェーンまで幅広いタイプの宿泊施設の販促をサポート。OTAの裏事情まで熟知したノウハウでホテル・民泊のウェブ集客をお手伝いします。



