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【本当は教えてはいけない】OTA営業担当のKPI

最終更新日 : 2022年9月26日

本日は禁断のテーマ、OTA側のKPI(Key Performance Indicator=平たくいうとノルマ)ついて解説します!元OTAだから知っている裏事情について余すこと無く暴露します(笑)これを知っていると、OTAに踊らされる事がなくなるので覚えておきましょう。

KPIとは

KPIは「重要業績評価指標」と訳される指標で、労働者の評価のモノサシとなるものです。営業担当においてはこれを達成すると、夏のボーナスが◯◯%増額 等と各企業、各期ごとに設定されます。

簡単にいうとノルマのようなものですが、よく皆さんがイメージするブラック企業のノルマと違って、「ノルマ必達!」「未達はクビ!」等という厳しいものではなく、「頑張って達成してくださいね」 という程度の軽い目標値のようなものです。

KPIの種類

具体的なKPIにはどのようなものがあるのでしょうか。

OTAによってもばらつきがありますが、ざっくりいうと下記の種類があります

  • セール系
  • プロダクト系
  • 広告系
  • 新規施設掲載

セール系

これは最もわかりやすいですね。OTAで頻繁に開催される「◯◯セール」 これを第三四半期は◯件取る というようなKPIです。

無料ですが、通年何かしらのセールが開催されているので、毎四半期のKPIになっているものと思われます。

OTAが必死に勧めてくるのも、KPIになっている為です。

プロダクト系

プロダクトとは、OTAの新しい機能の事。新しい機能をリリースすると、その機能を利用してもらう為に1〜2四半期の間KPIに組み込まれたりします。

例えば最近リリースされた楽天トラベルのインバウンドサイト。かなり頻繁に電話、メールで連絡がきていたかと思いますが、恐らくインバウンドサイトに登録させるのが最重要KPIになっていたのでしょう。

他にも、最近だと楽天ペイの加入であったり、Booking.comのプリファードプラスあたりはKPIになっていたものと思われます。

広告系

検索時の上位掲載◯◯円 バナー広告◯◯円 というようなものです。 

定額でいくらというものもあれば、手数料が◯%上がるというやり方まで様々です。

定額のものは客室数が多いホテルだとコスパが良く、手数料があがるタイプは民泊等、室数が少ない施設に向いています。

新規施設の掲載

有名OTAは既に多くの施設が掲載されている為、これがKPIになる事はありませんが、新しく参入してくるOTAはこれがKPIになります。

とにかくまずは掲載施設が無い事には始まらない為、全力で新規施設の掲載に注力します。

かくいう私も6,7年程前のOTA時代には北はニセコから、南は波照間島まで新規開拓で飛び回っていました。KPIだったとはいえ、色々なところに行けるので、あれはあれで楽しかった思い出しかありません。

大手ホテルだけに付く営業担当

セールやプロダクトの提案なんてされた事ないよ! という施設も多いでしょう。それもそのはずで、営業担当が付くのはあくまでも大手ホテルのみ。正確には、民泊や小規模ホテルには営業担当は付いても、KPIの数にはカウントされない為、相手にされないのです。(笑)

OTAにもよりますが、施設の規模や売り上げを元に上からA,B,Cのようにランク分けされます。

KPIにカウントされるのはA,BのみでCはカウントされないといった具合です。

一律ではありませんが、ざっくり分けると

  • 単価の高いリゾートホテルや客室数の多いビジネスホテルがA
  • 50〜100室規模の中規模ビジネスホテルがB
  • それ以外がC

といった感じです。

KPIに踊らされるな!

KPIになっている為、実際にはあまり効果は無くても勧めざるを得ない事情もあるのです。

大きな効果があるものもありますが、通年でやっているような無料のセール等は効果は限定的だと思った方がいいでしょう。繁忙期の忙しい中でわざわざセールを作成する手間をかけるくらいなら、いっそセールは止めにして他の業務に注力した方がいい場合もあります。

OTA側の事情がわかれば今後はKPIに踊らされる事もなくなるかと思いますので、今回の記事を参考にされて下さい。

とはいえ、OTAの営業担当者と仲良くしていて損は無いので、付き合いでどんどんKPIとなるものを導入しておくのも手です。KPIに協力してあげて、良好な関係を気づいておけば、いざという時に助けてくれるかもしれませんよ!(回し者ではない)